敵?味方?アベンチュリンの目的を探ります。そして、彼とレイシオの関係についても考えます。
※開拓クエスト「喧噪と騒動」と冒険クエスト「樹海は静謐に帰す」のネタバレがあります※
アベンチュリンの目的
アベンチュリンの目的は明言されています。「カンパニーの代わりにピノコニー(辺境の監獄)を取り戻すこと」です。
Dr.レイシオ:…そうでなければ、どうやって1人のギャンブラーがカンパニーの代わりにピノコニーを取り戻すことができるんだ?
これが何を意味するのかについては、ピノコニーの歴史とアベンチュリンの素性を知る必要があります。
ピノコニーの歴史
すでに色々な場所で語られているようにピノコニーはかつてカンパニーが犯罪者を追放するために使っていた監獄星でした。そして、万界の癌が発生した時に、ピノコニーの制御から外れました。
ピノコニーの暗い歴史が注目されることはほとんどないが、千年前、ここはカンパニーが建設した辺境の監獄だった。 流刑となった罪人たちは苦難多き遠い旅路の末にここへ到着し、 銀河系に存在する現実世界の憶質の流出口を修理するという危険な労働を課された。 憶質に被爆するうち、 罪人たちは奇妙な共通の夢境へ徐々に入って来ていることに気づき、 そこで皆の夢 「自由」を見つけた。
万界の癌が発生してから、 辺境の監獄の主は変わった。 この抗争に関する史料は非常に少なく内容の真偽も疑わしいが、弔伶人、仮面の患者、ナナシビト、厄災前衛といった派閥の助けを借りて、罪人たちが新しい国の主となったことがはっきりと記されている。 その後、 流刑の地だった時期には不穏な動きもあったようだが、 「ファミリー」 がやって来て夢境を管理するようになると、ピノコニーは飛躍的な発展を遂げ、銀河の有名な観光地となった。(アーカイブ)
万界の癌が発生したのは琥珀2147紀、すなわち10琥珀紀ほど前なので、だいたい700年から1400年前の事です。700年前で思い出して欲しいのがベロブルグの星核の話です。あれも700年前の出来事でした。
ベロブルグと同じようにピノコニーも星核が原因でカンパニーが離れました。
ベロブルグが滅亡した思われていたのに対して、ピノコニーはファミリーの元で「オーク家」が実質的な管理者となり、真の管理者である「夢の主」は姿を見せませんでした。
調和セレモニーに初めて外の派閥が参加する機会ができたことによって、「夢の主」と交渉する余地が生まれたと考えられます。
一琥珀紀に一度行われるピノコニーの重要な儀式。伝説によると、ある世界で天体の純正律が奏でられる時、シペの化身が降臨し、信者と未信者たちへ一斉に無私の祝福を与えると言われている。
まとめると、ピノコニーは元々は「カンパニーの建設した辺境の監獄」でありカンパニーの所有地であり、今の所有者は「夢の主」であるということです。
アベンチュリンの素性
スターピースカンパニー「戦略投資部」の高級幹部。「十の石心」の一人で、「博戯の砂金」という基石を所持している。常に笑顔を浮かべているが、その本心を人に見せることはない。「ハイリスク・ハイリターン」が人生のポリシー。
彼は戦略投資部の高級幹部であり、「砂金石」という基石を持っている。そして、「ハイリスク・ハイリターン」が彼のポリシーである。彼はツガンニヤ人であることが明らかになっています。
戦略投資部
アベンチュリンはトパーズと同じ戦略投資部の所属で「不良資産の清算」を担当しています。彼は最初にピノコニーの実質的な管理者である「オーク家」との面会を約束していました。
ブローニャと面会したトパーズを思い出してもらうとわかりやすいのですが、挨拶だけではなくて「取り立て」の意味もあったのだと考えられます。
基石を所持している
レイシオはアベンチュリンが基石を持っていないのを聞いて帰ろうとします。石それ自体にそれなりの力があることは明らかです。レイシオからすれば、アベンチュリンが基石を持っていないことは勝率を下げるだけの行為だからと考えられます。
ツガンニヤ人
ツガンニヤ-Ⅳの先住民で、断崖絶壁の地での暮らしに精通している。「エヴィキン」はツガンニヤ語で「蜂蜜」という意味であり、彼らの狡猾で真綿に針を包むような気質を表している。(ロード画面)
花火:――全宇宙で君たちツガンニヤ人を知らない人なんていると思う?生まれつきの詐欺師で、泥棒で、八方美人で…それから腹黒。名実ともにね。花火に言わせれば、君は夢の中よりもマンホールの中にいる方が似合ってると思うな…あっ、ちょうどあそこに1つある。早く行ったら~?
花火の言うことを真に受けるかどうかはおいて、ツガンニヤ人は「腹黒」「狡猾」などと呼ばれる人種であるようです。あまりに露骨に悪く言われています。
ピノコニーがもともと「監獄」であったことと何か関係していると考えられます。
ギャンブルが好き
…引き金を連続で引き、カチッという音が3回鳴った後、彼は笑みをこぼした。
「人生とは盛大なギャンブルであり、最終的な勝者はいつもこの僕なんだ」
デザインも背中にルーレットついてますからね。
彼は「ハイリスク・ハイリターン」を人生の信条としています。
アベンチュリンの目的
アベンチュリンは前述のとおり最初に「オーク家」、つまり、ピノコニーの実質的な管理者と面会していました。
アベンチュリンは真の管理者である「夢の主」と出会うことで賃借料を払えということを言いに来たのだと考えられます。トパーズがベロブルグの債務を取り立てに来たように、アベンチュリンも「夢の主」に対して債務(賃料)を取り立てに来た。
ただ彼がこれで終わるわけありません。「ハイリスク・ハイリターン」が彼の好みですから。つまり、彼はこの監獄星の所有権を取り返そうとしているのだと考えられます。
これが冒頭で書いた「カンパニーの代わりにピノコニー(辺境の監獄)を取り戻す」の意味だと考えられます。そのため、影に隠れる「夢の主」を交渉のテーブルに引きずり出そうとしている。
アベンチュリン:「チップ」3枚で十分、オール・オア・ナッシングだ。
3枚のチップとは、IPC(アベンチュリン)、博識学会(レイシオ)、そして開拓者(星ちゃん)の事だと思います。
Dr.レイシオの目的
博識学会とカンパニーの関係
まず前提としてカンパニーと博識学会は協力関係にあります。というより、カンパニーが博識学会の実質的な支配者となっています。そのトップが技術開発部のヤポリという人物です。
技術開発部は「商業研究開発部」ともよばれ、博識学会の研究成果の商業的利用を進めています。
表向きにはなんら問題なさそうな部署なのですが、この部署が何やら怪しいというのは冒険クエスト「樹海は静謐に帰す」を見ると明らかです。
あの「虚数崩壊インパルス」の研究を支援していた部署です。
実はこのクエストはDr.レイシオにも関係があります。なぜなら、彼も「対天体兵器」の試射に成功したことでカンパニーから声をかけられたからです。
「その日、私はスターピースカンパニーからの手紙を受け取りました。たしか…レイシオ先生が長年研究していた対天体兵器の試射に成功した時だったかと。カンパニーの招待は私から見ても丁重なものでした。なので、興奮しながら先生に手紙を渡したのですが…先生は何も言ってくれなくて。それは石膏頭越しでもわかるほどの重い沈黙でした。そして、彼は礼儀正しく私に外に出るよう言いつけたんです。私が言われた通りに部屋の外に出てドアを閉めると、その瞬間、彼の重々しい溜め息と自嘲するような笑い声が聞こえてきました。これは推測ですが、先生は…もう自分は天才クラブには入れないと判断したのかもしれません……」(Dr.レイシオ-ストーリー3)
もっとも、レイシオは博識学会からとは別の考えで動いていると考えられます。
Dr.レイシオの目的
彼は「真理の医者」です。つまり、治療目的でピノコニーに来たのではないかと考えられます。
レイシオ:傍観こそが真の治療なんだ。この世界には「愚鈍」という病があり、それはどんな病気よりも根絶が難しい。知恵の運命には理屈も論理もない。天才たちは星々を渡り歩くが、凡人はその足跡を辿ることすらできない。凡人は自ら歩くことを学び、つまずいて転びながら、何も成せずに生涯を送るんだ。
レイシオ:だが、失敗した人生も「人生」であることに変わりはない。彼らには最後までそれを味わう権利がある。地面に倒れ、誰も助けてくれない時、愚者は初めてどう立ち上がればいいかを悟るんだ。僕は潔癖でね、バカ、アホ、マヌケが許せない。見ると死にたくなる――残念なことに、この宇宙ステーションにも博識学会同様転載はいない、凡人だらけだ。
『愚鈍は難病だ。ならば、それを根絶して宇宙を治療することが学者の責務だ』…『だから諸君、アホを見て見ぬふりするのはマナーではなく、道徳性に欠ける世間の習慣に過ぎない。知識を伝播するためには、まず人に自分はアホだとわからせる必要がある。もちろん、学会の学者も自身を平等に扱うべきだ』。(Dr.レイシオ-ストーリー4)
「真理の医者」であるレイシオからすれば現実から離れて夢の世界で享楽にふけっている人々は患者、すなわち「バカ、アホ、マヌケ」なのではないでしょうか。
怒るサンデーの矛先
サンデー:ファミリーには目算がある。その狡猾な舌で、二度とワタシの愛する妹を汚すな、愚者。…。結構、其の光の下で、犯人は既に馬脚を露わしました。そう遠くない未来、彼は己の策略によって身を滅ぼすでしょう。彼が悔い改めない限り、其の剣は研ぎ澄まされ、弓には弦が張られる…さすれば、悪人が振りまいた害毒は己の頭上に降り注ぐ。その瞬間、神を敬わない異邦人は自分が凡人にすぎないことを知り、地獄へ落ちる………そしてワタシは其の尖兵となり、アナタに吉報を届けましょう――「時計屋」よ。
其は神について使う字であるので「シペ」のことを指していると考えられます。そしてアナタは「時計屋」。
ここで「彼」と呼ばれている犯人ですが、これがアベンチュリンだと考えられます。
夢境の中で真の所有者である「夢の主」に謁見するためには夢の世界における不可能を実現しなければなりません。それは「死」であると考えられます。
アベンチュリンは夢の中の死を誘発することで「夢の主」を引きずり出そうとしているのではないかと考えられます。思えばロビンの第一発見者もおそらくアベンチュリンですね。
おわりに
まとめると、アベンチュリンはピノコニーの真の所有者である「夢の主」に対してピノコニーの所有権を主張するのが目的であり、レイシオは治療目的でともに手を組んでいるのではないかということです。
果たして歌って踊って終わるのか、それとも戦って終わるのか続きが気になるところです。
(仮面をかぶったアベンチュリン?)
なんとなく原神のタルタリヤを思い出します。アベンチュリンも魔王武装?してますし。
アベンチュリンもまた真の黒幕に踊らされてるようなだけの気がします。
(おわり)
コメント