ver1.2のネタバレが含むので注意してください
この記事では、
・ 幻朧とは何か?
・ 停雲の足跡
について考えます。
幻朧について
絶滅大君については『大敵名簿』に詳しく載っています。名前がわかっているのが3名、不明が4名とされています。
幻朧が、風焔と星嘯(せいしょう)の名前を挙げていましたが、どちらともいかにも「武闘派」という感じで、同盟に対する危険性は「極めて高い」と評価されています。
星嘯はちょっと風変わりな女性で、星暦5700年に仙舟「朱明」に対して、造翼者という豊穣の忌み者を攻撃するために協力を求めてきたとされています。
※『十王司刑獄録』の記載によると、第一次豊穣戦争の後、燼滅禍祖のレギオンが造翼者の故郷「穹桑」を消滅した。(『仙舟医典略述』)
鉄墓は「科学技術に自信を持つ文明世界を滅ぼすのに長けている」とされており、ある種のウイルス的な存在だと考えられます(たぶん侵蝕の律者のようなイメージ)。こちらも同盟に対する危険性は「極めて高い」と評価されています。
幻朧はおそらくこれ。「混乱」「内部衝突」「内部の信用の崩壊」など。ヴェルトは「混乱と猜疑心を煽り、自分の毒策に嵌るように仕向ける」と評価しています。
残る4人についての記述の全文。
今回の件では、天舶司の接渡使という停雲に化けることで、内部に混乱をもたらそうとした。
その正体は炎。「壊滅」が滅んだ文明を取り込んでいることから、幻朧も霊質生物(星霊)の類ではないか考えられます。
※視肉を退治してから、仙舟人は「歳陽」と出会った。博識学会の記録の中では「歳陽」に関する記載が極めて少なく、仙舟人の言い分によると、歳陽とは喋る炎で、魂と欲望を吸い尽くす、人を傀儡のように操る精妖である。おそらく、ある種の無形目魂精科の生物だと推測する。(『羅浮古代紋様の拓本に対する考察』)
こちらは星霊(霊質生物)について説明がなされている別の書籍です。
ヴェルトの推測
ヴェルト:個人的な推測と…希望だが、もしあれが停雲さんだとしたら、わざわざ幻朧が証拠を破壊する理由がない。亡骸を敵の前に投げ捨てたほうが、彼女の壊滅の「美学」に相応しいからな。
ここでいう幻朧の美学とは直接的に手を下さず、内部に混乱をもたらし組織を破壊することだと考えらえます。
ヴェルトは元・理の律者です。理の律者の力の本質は頭の使い方にあります。ということはその推測には信頼してよいところがあります。乗っ取りではなく、化けているとするとどこかで入れ替わったはずです。
停雲の時系列
流雲渡し
主人公は豊穣の怪物に襲われていたところを、主人公らによって助けられる。
このことから、停雲は主人公らのことを「恩人様」といいます。
3人は停雲と一緒に星槎海中枢へ向かいます。そして、星槎海中枢に着いたところで停雲とは一度ここで別れます。
星槎海中枢
司辰宮の前で停雲と再会します。停雲は報告が済んだと言って司辰宮の中には入りませんでした。中で舵取の御空と会って話をします。停雲とは外で再会し、浥塵客舎に案内されます。
この後に、諦聴をお試しで使って停雲を探すというイベントがありました。
廻星港
諦聴を使ってカフカの痕跡を探しだし、そしてカフカを捕まえることに協力しました。この後、符玄とともに太卜司に向かいます。
長楽天
穹儀が壊れてしまい、洞天の入り口が探せなくなってしまったため、長楽天に立ち寄りました。符玄は先に太卜司に戻ります。
長楽天の広場で白露に会います。ここから「薬王秘伝」のシナリオもはじまるので流れが理解しづらくなります。地衡司に行って青鏃と会い、そこから「薬王秘伝」の調査が始まるという流れです。
青雀と待ち合わせて太卜司に向かいます。移動する途中に青雀が建木について説明する場面がありました。停雲は建木についてかつては羅浮が誇る至宝だったと言います。
太卜司
主人公らはカフカを尋問するため窮観の陣を用いてカフカを尋問するのを手伝い、星核ハンターの真の目的を知りました。符玄は景元にこのことを報告しに行きます。一方、カフカは刃とともに逃亡します。そして、この後に建木が成長しました。
符玄に報告しに行く途中に停雲がいます。そこで彼女は「素晴らしい、実に素晴らしい!なんという幸運!たとえ長命種であっても一生みられないような光景です!」といいます。
符玄に報告後、工造司を通って丹鼎司に向かうことになります。
工造司
建木の成長によって工造司は混乱に陥っていました。ここで公輸先生と出会います。
それから、玄鹿を倒し造化洪炉を取り戻しました。
例のいかにも怪しいメールが送られてきたのはここです。
メールの全文
停雲が裏切ることがあるならそれは老大人(御空)との関係だろうと思っていました。御空のイラストには幼い停雲と思われるものも映っていますし、停雲が子供のころとは性格が変わっているという記述があります。
そうしたことから、停雲にとって御空は人格形成に大きな影響を与えた大切な人だと考えました。御空は246歳で狐族の寿命が300年程度であることを考えると年配です。裏切りの動機があるとしたらそこだろうと。しかし、実は化けていただけだった。
ver1.0はここまで
丹鼎司
工造司を通って、丹鼎司と向かいます。今までと同じように3人を案内します。
そして、例のシーン。ここで停雲は自分の正体をばらします。
主人公と工造司に来たのは、丹鼎司に向かうためでした。そうすると、一連の流れの中で、ほとんどずっと主人公たちと行動していたため、一見すると入れ替わる隙は無かったように思えます。
いつ入れ替わったのか?
まず前提として、幻朧の化ける能力がどの程度なのかを考えないといけません。例えば、容姿や声だけならば、停雲の個人的な経験に関して踏み込んだ話題をすることができませんし、記憶までコピーし引き継ぐことができるのであれば、停雲の個人的な経験に関して踏み込んだ話題をすることができます。
両方の可能性を含めて検討する必要があります。
(外見の相違点は特に感じませんでしたし、声も特に変わったようには感じませんでした。また、利き手についても、鈴を持っている手は右、忌み者に触れた手が左でしたが決定的ではありません)
流雲渡し
流雲渡しで最初に会った時から幻朧が化けていた。玉界門を最後に入って来たのが停雲。
これもありえなくもないと思います。「恩人様」と言い始めるのはここの出来事からです。
もっとも、その後に御空との関係など個人的な経験に踏み込んで話していること、諦聴が停雲の所持品からその所在を当てているという事実があります。
余談ですがなのかもこんなことを言っています。
そうすると最初の遭遇の場面もなにやらニュアンスが変わってくるように感じます。停雲は豊穣の忌み者と協力関係にあって、忌み者が狙っていたのは雲騎軍の2人だった、みたいな。
太卜司
「素晴らしい、実に素晴らしい!なんという幸運!たとえ長命種であっても一生みられないような光景です!」との発言があったのがここです。露骨に豊穣の造物に興味を示しました。
しかしながら、長楽天の時点で建木を「至宝」という肯定的な評価をしています。また、幻朧は豊穣に対して、面白いと評価していますが、ここまで興奮するほどであったかと言われると疑問に思えてきます。
しかし、入り口~窮観の陣の調整~カフカの尋問までは一緒に行動していたことが伺われます。カフカに気を取られてるすきに入れ替わったのかもしれません。
工造司~丹鼎司の間
ここが少し怪しいと思います。メールの後の話。幻朧が星霊の一種であるならば、造化洪炉を救い出したときに何かあったかもしれない。豊穣に対して、興味を隠しきれない停雲の隙をついて幻朧が入れ替わったということです。
停雲が豊穣の仙跡に興味があったかもしれない理由は既に書きました。しかし、その場合でもわざわざメールの文面として証拠を残すかという疑問があります。判官に詰められれば決定的な証拠になってしまいます。長生を求めることは羅浮では十王司が取り締まる「不赦十悪」の一つです。本物であるならばこのようなリスクを取るとは考えづらいです。
結局のところどれも決定打に欠けると思います。個人的には太卜司が怪しいと思いますが手掛かりはありません。そもそも最初から幻朧だった(この場合だと停雲の中身までコピーしていたことになる)というのも否定しがたい。
おわりに
結局のところ星核を誰がどのようにして持ち込んだのかもわかっていません。接渡使であり外と内を自由に出入りできた停雲なら持ち込む機会は十分にあったと考えられます。一方で、星核はそう簡単に持ち運びのできるものではありません(なんらかの容器が必要)。
羅浮で異常が発生し玉界門が封鎖されて最後に入って来たのが停雲でした。そうすると、この停雲は主人公と一緒に行動していた停雲のはずです。主人公らとほとんど一緒に行動していた停雲は星核を建木に投げ入れる機会はなく、既に薬王秘伝に渡していたと考えられます(そもそも星穹列車が来る前に星核は暴発していた)。
そう考えると、実はもっと前から入れ替わっていたことも考えられます。星核をもちこむのは本物の停雲が行って、その後、一番近いところで仙舟の混乱を見届けるために入れ替わったということも考えられます。こっちの方が直接手を下さないという幻朧の美学には沿っていると思います。
そうすると本物の停雲は裏切り者になってしまう訳ですが…。
ちなみになぜ占卜のウラをかくことができたのかという点については、ひと言でいうと人災です。若月という太卜司の元卜者がこのことについて占っていたのですが、他の卜官の反対にあい不採用となったという記録があります。
考えれば考えるほど停雲はいつから入れ替わっていたのかわからなくなってきます…まさに幻朧の思うつぼというところ。
星核ハンターが向かった場所のうち1か所が祈龍台だということが判明しましたが、もう1か所がまだわかっていません。また、羅刹の棺桶の中身も分かっていません。ここら辺が次のストーリーにつながってくるのではないでしょうか。
羅浮では「海市」という貿易のイベントがあるそうで、これは停雲が復興したイベントだとされています。海市は蜃気楼、ミラージュのことです。なんかやや不穏な感じもしますが…。
(おわり)
23/07/27
・廻星港と流雲渡しが逆になっていたこと、その他の誤記の修正。なのかの画像を追加
・「おわりに」のボリュームを少し増やす
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