シリーズ砂漠の歴史の歴史の一。予定ではジュラバドの歴史、キングデシェト破滅後の砂漠、神話の時代の砂漠の歴史の3つを書く予定。
本記事の目的は、砂漠に点在する資料を整理し、ジュラバドの成立から滅亡までを通史的に整理することです。
基本的には、リルパァールの発言と聖遺物テキスト、オアシスに点在していた石板と石碑、オベリスク等を中心に、「シェロイとシリンの物語」で足りないところを補う形でまとめました。最初は要約するつもりだったのですが、せっかく整理したので全部載せちゃいました。
ジンニーと赤砂の王の契約
ジンニーは花の女主人(花神)の眷属でした。災厄が訪れ、楽園は崩れ去り、花神は消えました。その後ジンニーたちは、アフマルに真名を献上し、彼の僕となった。彼は「我々のために永遠の伴侶、我らが*の*を取り戻す」ことを約束した(「ビルキースの哀歌」)。
ジュラバドの成立―オルマズドの治世
オルマズドは、羊飼いだったのですが、キングデシェレトの恩寵によって兄弟と民の力を合わせて暴君のフヴァストラを倒しました。キングデシェレトは月娘の城アイ・ハヌムから大ジンニー(リルパァール)を遣わし、国を建設して砂漠を流浪する民を集めるのを手伝いました(無名の石碑・5)
「…私、オルマズドは、かつて砂漠の中のちっぽけな羊飼いだった。キングデシェレト陛下の恩寵により、兄弟と民の力を合わせ、暴君のフヴァストラを倒した…」「キングデシェレト陛下は月娘の城から大ジンニーを遣わし、国を建設して、砂漠を流浪する民を集めるのに手を貸してくれた。それから人々と権力者たちはそれぞれの生活を送り、ともにキングデシェレトの導きに従った…」「私の愛する国の半分を、私が信頼する民の半分を、私が有する奴隷の半分を、死なない伴侶のリルパァールに永遠に捧げ、残り半分はキングデシェレト陛下に捧げる。」「その日が近くなったら、私は国と民衆を捨て――白衣一つで、千の奴隷の供物を献上する…」
ジンニーとは、ドリーのこれがそうですが、もともとは花神の眷属でした。花神が亡くなった後にキングデシェレトの下につきます。
赤砂の王(キングデシェレト)は伴侶(花神)が逝去した後、ジンニーを使者にして凡人と秘密の契約を結んだ。そして、オルマズドは、睡蓮から生まれたリルパァールと愛し合った(「諸王の都の始まり」)。
赤砂の王(キングデシェレト)は伴侶(花神)が逝去した後、ジンニーを使者にして凡人と秘密の契約を結んだという。
心が研磨されておらずまだ鉄や石になっていない者、そして幻の蜃気楼に侵されていない者こそ、一地方の王になる資格があり、預言者のように迷える羊の如き民衆を統治できる。こうして、偉大な主の慈しみ深い、それでいて厳しい眼差しの下、ジンニーはある者を見つけた…若い羊飼いであったオルマズドは、睡蓮から生まれたリルパァールと愛し合った。
「あなたに百世の祝福を与えよう。けれどその代償は復讐の刃、赤くて鮮やかな酒。」
「なぜなら、ジンニーの狂愛はいつも貪欲さと強要を伴う。そして公平だと思い込む残酷な報復に終わるもの」
オルマズドは砂漠に新たな秩序をもたらし、砂海のちっぽけな世界から奴隷制を解放してくれると思っていたが、彼はリルパァールを失望させた。そして、父と子三代にわたり、罰を下した。
「オルマズドが砂漠に新たな秩序をもたらし、砂海のちっぽけな世界を奴隷制から解放すると思っていた。しかし、彼は私を失望させた。」「そして、彼に罰を下した――彼の王国を滅ぼした。その父も子も、三代に渡り。」「『幸せ』という名で美化された奴隷制より、強烈な死の方がマシなのだ…」(無名の石碑・6)
「流砂の嗣君の遺宝」には同様のことが少し詳しく書かれています。オルマズドは奴隷制を「統治の慣例」だと考えて、リルパァールの忠告を受け入れませんでした。
高台から虫けらのような神官や奴隷を見下ろして、ジンニーは悲哀に満ちたため息を吐いた—
花神の眷属として、理想の王を選んだと思い込んでいたのだ…虚栄に惑わされた男だとも知らずに。
ゆえにジンニーは夜、寝所にて優しい諫言を呈し、民の王の考えを改めさせようとした…
しかし、オルマズドは奴隷制を統治の慣例と理だと考え、諫言を恋人の睦言としかみなさなかった。
「愛をその身に託しても、隣にあるのはいつも渇きを訴える欲求のみ——」
「夢を欲し、家を欲し、愛する人がありふれた理想を超えてくれることを求めた」
「けれど今、恋人は凡庸な暴君の貪欲さと虚言に溺れている」
「裏切られた落胆とこの憤怒を晴らすため——三代に渡って、重き罰を下す」
ジンニーは暴君がくれた耳飾りを黙って外し、決裂の意を示した。
冷めきった心には、恋人を罰する毒々しい策略が生まれた。
リルパァールは世界任務においても、オルマズドのことを「虚栄」と「利己心」に惑わされた人間だと評していました。
そして、これらはリルファル(リルパァール)の3つの予言と3つの忠告として語られています(「シェロイとシリンの物語」・第1巻)
ある呪われた夜、オズマルドシャー王とその跡継ぎ三百人が一夜にして**だ。マザンダランオアシスの術死、ファッラーヒーンの奴隷が、サソリの毒を入れたと物語には記されています(「シェロイとシリンの物語」・第2巻)。
ジェイドが聞いた話では、オズマルドの一家全員を蜂蜜で溺死させたとされています(「ビルキースの哀歌」)。リルパァールはこの点について、殺害したことを認めています。彼女は「蜜の極刑」と表現しています。
そして、オルマズドの治世は終わり、キスラがその地位を継ぐことになります。
発展と衰退―キスラ・パーヴェズラヴァンの治世
奴隷制の廃止、宮殿の建設、農地の造成
彼は奴隷制廃止の宣言をしました(うっすらと読み取れる銘文)。これをどの時点で行ったかについては不明です。オルマズドの死後、リルパァールの忠告を受け入れ行った、構造体による農地造成がうまくいき国が豊かになったため廃止した、農奴より工場労働者の需要が高まったなど色々な理由が考えられます。
…キングデシェレトの使者、オルマズドの子であるパーヴェズラヴァンはここに宣言する。ジュラバドはこれより、奴隷制度を永遠に廃止する…
…これにより、キングデシェレトの臣民、花神の遺民は…
…共に太陽の光を浴び、平等かつ自由に働き、誠実に報酬を…稼ぐ…
ただし、宣言するのとそれが本当に実行されたかどうかは別の問題です。
奴隷を持つことを禁止する。パーヴェズラヴァン陛下は既にすべての不平等な奴隷契約を解除し、**の奴隷主の特権を廃止した。今後は貴*貧富にかかわらず、自らの力で生活すべきである(「雇用規則」)。
あえてこのようなことを念を押して書かれているということはそれに違反する状況が生じていたということも考えられます。そして、滅亡の場面においても奴隷と主人が出てきます。滅亡の場面と「黄銅の仮面」の教えの「奴隷」と「主人」は比喩のようにも思えますがよくわかりません。
リルパァールは「奴隷の廃止は、奴隷を果てしない残虐の中で奴役することの始まりである…奴隷は飢えをしのげるという小さな恩恵を剥奪された」と言っています。
「残虐の中で奴役」というのは工場労働のことを指していると思います。オルマズドのときに奴隷の廃止を望んでいたのにこう言うのは矛盾のようにも感じますが、奴隷制をただの慣例だと考えてまともに向き合わなかった彼が「理想の王」としての器がなかったことに失望したのだと考えれば辻褄は合います。
「彼は儚い凡人の諸王と何ら変わらなかった……征服と**の迷夢を歩き、流砂を礎に宮殿を建てた」と言っています。また、「ジンニーの愛から逃げた」「裏切りの代償」とも言われてます。
話はそれてしまいましたが上述のように、キスラは奴隷制を廃止しました。機械で宮殿を作り、キングデシェレトが作った灌漑設備を用いて農地を豊かにした。しかし、リルパァールはこの時点でも、罰を忘れてはいませんでした(無名の石碑・1)。
「キスラ、我が息子よ…」
「キスラ、キスラ・パーヴェズラヴァン。私が生んで、私のために亡くなった子…」
「あなたは王権が人々を奴隷の枷から、神々の垣根から解放してくれると思っていた…」
「轟音を響かせる機械で天にも届く宮殿を作り、オアシスを縦横に道が通る農地にした…」
「しかし、自由という名の奴隷制によって作られた帝国は、いつか同じ虚言によって滅ぶ…」
「幾千もの傲慢があなたの心を満たすことを願う。天地がひっくり返るまで、下賤なものがあなたの頭上に這い上がるまで…」
統治の初期は比較的うまくいっていたようで、その治世を賛美する記述もあります(うっすらと読み取れる銘文)。
ティナル人のトゥライトゥーラ、月娘の城、サムード人のサレハなど周辺諸国も、ジュラバドに対して年貢を納めていました(うっすらと読み取れる銘文)。アフマルの庇護の下、ジュラバドは発展していきました。
騎兵将軍・高職議会・貴族・神官―「ジュラバドの古事」
ジュラバドでは次第にオアシスの縮小、水利施設の退化、そして農業生産力の低下という事態が生じます。加えて、「黄銅の仮面」の信者による活動が広まっていき、社会が不安定になってきました。
「ジュラバドの古事」にはジュラバドの貴族や議会、神官の動向が記録されています。
騎兵将軍クベロスは反乱の鎮圧の功によってキスラの信任を得て高位につきました。彼は山の牧民の出身だったため、貴族から軽んじられていたようです。
彼は高職議会に問題を提起しましたが、議会はこれらの問題を過小評価し、事態の深刻化を招きました。
議会はオアシスの縮小と水利施設の退化は農業生産全体に影響を及ぼしておらず、その他の悪影響も長期にわたる工業、商業活動の自己調節機能によって解決されるだろうと判断しました。
そして「五大オアシス」地域の貧困と反逆の状況、「黄銅の仮面」の信者による頻繁な活動を加味するとこの地域に対して投資するのは無駄であって、貴族の権利を損なうおそれがある。
この手紙の主は、クベロスの役割は逆賊と邪教の徒を武力によって鎮圧し、民衆に自助努力を求めることであり、余計なことをすべきではないと忠告しました。そして鎮圧用の構造体三十台とジンニーの欠片付の武器を与えるにとどめました(ジュラバドの古事・1)。
(?)からメフラクへの手紙。クベロスは3回にわたって「被災地の支援」「オアシスの水利再建」という名目で資金申請をしました。これに対し、貴族はこの資金申請は「努力した財産を、無精者と悪党に取られる」ものであるとして反発しました。
クベロスのことを反動的で残忍、「黄銅の仮面」の一味であるおそれがあるというレッテルを貼り付け、他の貴族たちに注意を促し、賄賂をばらまきました(ジュラバドの古事・2)
ここでも貴族は自分の懐ばかり心配しており、政治腐敗が進んでいたことが分かります。
神官たちはオアシスの縮小、田畑の衰退、「黄銅の仮面」の悪事は、パーヴェズラヴァンのキングデシェレトに対する信仰が薄れたからだと考えました。
そして、民衆が暴動を起こさないように注意した。一方、王妃シリンが国政に顔を出さなくなった。「王妃が化け物」という噂が広まります。そして、神官たちはこの噂を誇張することで「黄銅の仮面」の言論を押さえられるかもしれないと考えた(ジュラバドの古事・3)
王妃シリン
王妃シリンも花神誕祭を祝うなど、平和な時代もあったことが伺われます(うっすらと読み取れる銘文)
しかし、彼女は次第に表舞台から消えます。
物語には次のように書かれています。シリンの結婚生活は幸せなものとはいかず、次第にキスラに対して憎悪を抱くようになりました。
キスラはリルパァールの予言をおそれて息子のシェロイを追放してしまいます。キスラと関係が冷え切っていたシリンはこれを利用してキスラに対する復讐をしようとします(「シェロイとシリンの物語」・第2巻)。予言が実際にあったのが事実かはわかりませんが、石碑の内容と合わせるとシェロイが追放されたのは事実のようです。
シリンはシェロイを導き、ジュラバドに行かせます。「黄銅の仮面」を被り、「ホラムディン」という名を授けます。そして、父親を探しにジュラバドに行くように仕向けました(無名の石碑・4)
「家へ帰ろう。私の導きを受け入れ、私の寵愛を受け入れて。シェロイ、キスラの子シェロイ…」
「あなたはここで黄銅の仮面を被り、あなたはここで本当の名前を手にし、貴方は母の真の愛情を見るだろう…」
「『ホラムディン』、『歓喜の信仰』」
「そして、あなたの父を探すの。ザクロの果汁は流れ出した…あなたの父親のところへ行き、この茶番を終わりにして…」
「あなたの父親を探すためにジュラバドへ行きなさい。私はそこであなたを待っている…」
「シェロイとシリンの物語」第2巻にもそのシーンが象徴的に描かれています。
ある夜、彼女は月神の神殿の姫神に扮して、宿泊していた浪人に出会った。爛漫たる銀色の光が絡みつく中、結露した百合の花の間で、彼女は顔を覆い隠した遊子へと偽りの、そして儚い神託を授けた。
「父親の暴虐は、遊子にとって最大の不幸である。月神の寵児よ、月光が照らす場所はいずれもお前が支配する王土。お前が撒いた種はすべて栄えて生い茂る。月光から良弓と鋭い刃を授かったのであれば、なぜ王座を占拠している臆病者に耐える必要がある?さあ、勇気を胸に憎しみと向き合い、己の姿を見るといい。」
話によると、シェロイが躊躇していた時、夜風が吹き、シリンの顔を覆う薄いベールが落ちたという。
見覚えのある顔を見て、顔を隠さざるを得なかった少年は、一瞬にして恐怖と羞恥心に打ちひしがれた。そして、 恐怖のあまり穢れた神殿から逃げ出す。鈴のような笑い声も、冷酷な月光も、恐怖を示すものとなった。
こうして、「黄銅の仮面」が誕生しました。
しまいにシリンは、狂気に落ちました。無実の苦難をその身に受け、粉々になった狂気の魂も実兄によって引き抜かれた。そして、粉々になった魂のない奴隷を作るのに使われた(無名の石碑・2)
「シリン、我が娘。一日たりとも幸せを味わっていない娘よ…」
「ジュラバドはあなたのために栄え、没落した。無実の苦難をその身に受け、しまいには狂気に落ちた…」
「無実の苦難をその身に受け、粉々になった狂気の魂も実兄によって引き抜かれた。そして、粉々になった魂のない奴隷を作るのに使われた…」
「無実の苦難をその身に受け、最終的には誰よりもジュラバドの狂気を、その結末の一部始終を見届けた…」
「許しておくれ、シリン。」
くり返しシリンは「無実」であることが語られてます。すべてはオルマズドに与えられた罰の結果ということでしょう。「粉々になった狂気の魂」が「粉々になった魂のない奴隷」を作るのに使われたと書かれています。シリンの魂が「ジンニーの欠片」として、構造体に使われたと考えられます。
「シェロイとシリンの物語」ではキスラはオルマズドの養子でしたが、ここでいう「実兄」はどうやらキスラのことをいっているようです。リルパァールはキスラとシリンの両方を「肉親」と呼んでおり、また、キスラが「実の姉」に知性のない奇形のジンニーを生ませたと言ってます。そうすると、キスラとシリンは近親婚したことになります。
ここの「黄銅の仮面」の誕生~シリンが狂気に落ちて「ジンニーの欠片」として利用されるまでの時系列はよくわかりません。この記事ではこの順番で書きました。
民衆の間には、「王妃が化け物」という噂が流れます。神官たちがこの噂を利用して民衆の間の「黄銅の仮面」の言論を押さえようと画策したことについてはすでに書きました。。
「ジンニーの欠片」
リルパァールは「ジンニーの残魄」で駆動する機械を設計し、流れる水のように人工物を生産できる巨大機械を作るように導いたとあります。キスラが構造体の生産に突き進んだの背景にはリルパァールの導きがありました。
彼女はキスラが「無限の権力」を欲したので与えたと言っています。ここでも、虚栄と利己心が見られました。
装置守衛:ジュラバド文明によって改造されたプライマル構造体。コアには「ジンニーの知性を失った欠片」が埋め込まれている。そのため、常人の指揮に従うのに向いている(ロード画面)。
高職議会への伝達。軍用構造体自動組立装置は、神殿、王宮、「永遠のオアシス」の給水調整ダムなどの主要なエリアに配置してある。そして、キングデシェレト神殿の前の場所を集中演習場に改造した。そしてジンニーの欠片付きの武器と構造体の生産量を拡大させた。安全上の問題があるエリアから徴兵し、反逆者との関係を断ち切ろうとした(ジュラバドの古事・4)。
キングデシェレト神殿の前とは、「神の碁盤」と呼ばれる場所です。「碁盤」にある「駒」にジンニーの力を使って触れるとと、特定の座標にワープできます。この装置は、各地で反乱が起きたときの暴徒鎮圧に活用されたものと考えられます。
「碁盤」にある「駒」は、どれも導きとワープ機能を持っている。だが、それを発動できるのは、ジンニーの欠片や力を持つ人のみだ(ロード画面)。
キスラは、「ジンニーの欠片」を用いた構造体の生産に力を入れていましたが、上述の通りその設計はリルパァールによってなされたものでした。これは確かにパーヴェズラヴァンの虚栄と利己心を満たしました。しかし、多用された「ジンニーの欠片」は滅亡のときに大きな役割を果たすことになります。
この「ジンニーの欠片」の叫びは、「没落迷途のコア」に記録されています。
「お母さま…お母さま…!」
「生まれた時から年老いて、バラバラな意識が無限の力を支えていた…」
「甘い母乳を味わったこともなければ、羊水の暖かさを感じたこともない…」
「涙は烈日に干上がって、つかの間の喜びも歯車に轢き潰された…」
「私たちは愛が結ばれて生まれたものではなく、憎しみと疎外感から生まれたもの…」
「お母さま…お母さま…!」
「私たちは誇りの心を失った。自惚れられるような知恵も持ち合わせてはいない…」
「身を落ち着かせる隙もなく、休憩する余暇もない…」
「声を発する喉は銅管に取って代わられ、むくれる腹にはへそがない…」
「我らを産み落とさぬ母よ、七つの病がその身に降りかかることを願う…」
「お母さま…お母さま…!」
「私たちは魂なき機械の魂であり、ジンニーの中の奴隷…」
「私たちは名を得たこともなく、誰も私たちの叫びを聞きはしない…」
「搾取され削られたこの身は苦難と悪意を受け、恨みによって衝き動かされている…」
「幾千万の憎悪が集結する中、破壊する欲望ですべてを作り出している…」
「生まれながらに醜いかんばせが月明かりに照らされた時、私たちは最後の誓いを立てる…」
「萎縮するその胃が砂利で満たされるように、生い茂る万物が枯死するように…」
「ようやく、私たちは生まれながらの鎖と枷を断ち切り…」
「ようやく、無実の罪に苦しむ生母シリンの懐に帰る…」
ここに、「生母シリンの懐に帰る」と書かれているように、「魂なき機械の魂」として用いられた「ジンニーの欠片」とは、シリンのものだったようです。
ジンニーの欠片の叫びについては、民衆の噂話としてオアシスの古事・3、オアシスの古事・6に記録されています。
月娘の城
ジュラバドとの関係
赤砂の王、声が届くなら、悪意と災いからこの国を、私の女主人の眠る場所を守ってください(無名の石碑・3)。これは時期がわかりません。悪意というのはパーヴェズラヴァン(キスラ)がオアシスの整備費用を削減したこと、あるいは、リルパァールの陰謀。災いは、砂嵐、オアシスの枯渇、あるいは、「黄銅の仮面」の反乱などが考えられます。
「赤砂の王、権威ある主、この声があなたに届くなら…」
「月娘の城を守るフェリギスの呼びかけがまだ聞こえるのなら、どうか悪意と災いからこの国を、私の女主人が眠る場所を守ってください…」
「これらちっぽけな不幸な人々にも、一瞬だけでも、幸せを味わわせてください。私の女主人がもたらした、あの時代のように…」
「赤砂の王、慈悲ある主。この声があなたに届くなら、どうか私の呼びかけにお応えください…」
「女主人の犠牲のように、私の犠牲もこの土地にある国々の期待を裏切らないことを願う…」
月娘の城の門番のフェリギスは、キスラに大ジンニーのリルパァールが裏切りの意志を抱えていることという最後の警告をしました(無名の石碑・7)。
「…大ジンニーのリルパァールは、心に毒を持ち、常に裏切りの意志を抱えている。僭主のキスラはどうか、ご用心を…」
「…これはフェリギスの最後の警告。」
しかし、キスラはこの警告を受け入れることなく、「ジンニーの欠片」を用いて構造体や武器を生産していきました。「知恵のないジンニーの奴隷たちが作った奇観に夢中」であったとされています(ダマーヴァント山の古事・3)。
オアシスに生じた問題
「永遠のオアシス」の給水量の低下、周辺のオアシスの縮小。原因は、機械の老朽化かもしれない。ジンニーの欠片を機械構造の殻の中に閉じ込めれば、その効率は従来の水利機械を遥かに上回る。給水調整ダムも、この技術を将来に応用するつもりだ(ダマーヴァント山の古事・1)
フェリギスは花の女主人の陵墓を守るため、犠牲となり、自分の身体を機械に閉じ込めてしまいます(「迷酔の長夢の守護」)。
泉の清水で喉を潤しに来た旅人よ、この盲目の老人のはなしに耳を傾けてくれ——
ジュラバドの哀歌を、赤砂の主の迷夢を…
忠誠心を欠いた英霊のことを、同胞の裏切りを。
花の女王が亡くなった時、その眷属であったジンニーたちはキングデシェレトに忠誠を誓ったと言われている。
キングデシェレトは往日の楽園を探し求めるため、天の釘が落ちた処に永遠のオアシスを創った…
そして、「フェリギス」という名の大ジンニーは、赤砂の主にオアシスの長として抜擢される。
女主人が永き眠りについた霊廟を守るため、彼女はジンニーの力で泉の水が尽きぬよう維持し続けた。
そうして砂漠には緑が散在することとなり、家を失った流浪の民に青々と茂る庇護を提供したのであった…
その後、リルパァールというジンニーの導きの下、凡人の王国が「永遠のオアシス」の周りに建国されていった。
花の女主人への忠誠と、新たに生まれた国への憐れみを胸に、フェリギスは犠牲になることを決心した。
赤砂の王が引き留めようとする声も顧みず、大ジンニーはその美しい体を冷たい作り物の枷に閉じ込めると、
水晶でできた盃のような封印で砂海の憤怒を封じ込め、不動の姿で凡人の国を守った…
「けれど、万物には定められた時があり、変数がある。今日は寄り添っていても、明日には離れていくかもしれない。」
「ジンニーが誇る自由を失い、快楽と狂愛を享受する肉体を失った。精神も日に日に弱ってきている。」
「睡蓮の女妖魔は蜜のような嘘で凡人の王を車輪の下に誘い込み、赤砂の王も狂おしい迷夢に陥落してしまった…」
「けれど、私はずっと待っている。眠れない夢の中で、ずっと待っている…砂の王があの古い約束を果たす時を。」
肉体と精神、その両方が醜い機械に閉じ込められてもなお、彼女は女主人が眠りから目覚める日を待ち望む。
そんな悲しき執念を胸に、砂の国の砕け散った夢を静かに守り続けるのだ。
たとえ清浄な泉に苦い砂粒が混ざっていても、たとえオアシスが砂丘に埋もれても…
機械を稼働する永遠なる律動の中、転機の足音にひそかに耳を傾けている。
パイプに砂が詰まるトラブルが起きており、五大オアシスの給水は半日も中断していた。女祭司は給水システムの使用寿命を300年と予想し、オアシスの運河システムが機能しなくなるまでは、さらに時間がかからないだろう予想した。
修繕が当面の急務。フェリギスは大規模な修繕案を却下した。理由は永遠のオアシスに眠る花神の陵墓の安寧を脅かす恐れがあるから。しかし、フェリギスは力の一部を水道浄化に使えるといった。花神の陵墓の維持に力を消耗しているにも関わらず(ダマーヴァント山の古事・2)。
パーヴェズラヴァンが整備経費を削減した。花神の女祭司はダムの危機を知らないのかと怒った。ろ過システムの故障が五大オアシスエリアの灌漑網をダメにして、辺りは泥と砂になってしまった。豊かだった農業エリアも衰退してしまった。フェリギスは怒る気力も失ってしまった(ダマーヴァント山の古事・3)
砂漠の水源に生じた問題の原因は謎です。上述の機械の故障、地中にある「釘」、キスラが構造体の生産に水を大量に使ったなどが考えられます。禁忌の知識の影響も考えられます、森では死域となり、砂漠では地震や砂嵐となって現れるという話をしていました(3章5幕)。
民衆の生活
砂嵐による被害や農地の衰退が問題になっていました。そして、人々が働く工場では安全面に問題がありました。民衆の間では、「復讐するジンニー」の噂、「リルパァール」「黄銅の仮面」「放浪する王子」などといった様々な噂が流れます。
「黄銅の仮面」を取り締まるため、人々の表現の自由、信仰の自由、集会の自由は制限を受けました。リルパァールは傷ついた民衆を癒す一方で、「復讐するジンニー」の噂などを流し続けます。
砂嵐の頻発のせいで河道に砂が入り込んでいる。造幣局、王家のドック、構造体組立工場の人員を募集している。ジンニーのリルパァールに関する噂に対する警告(古代オアシスの古事・1)
…最近砂嵐が頻発している。住民の皆さんにはそれぞれの責任を果たし、一丸となって河道を通し、砂で閉塞することがないよう防いでほしい…
…造幣局及び王家のドック、構造体組立工場の人員募集。苦労を恐れず、作業に習熟し、住み込みで働ける者。毎月の給料は銅貨三十から五十枚――業務内容によって決まる。
…「ジンニーのリルパァール」に関する噂はすべて妄言だ。住民の皆さんは、くれぐれも騙されないように!
リルパァールが病気の娘を癒した話。彼女は運河の水には病があるかもしれない、ダマーヴァント山の水源に問題があると警告した。キスラは新しい宮殿と工場を建てた(古事2)
…花神様への祈りは届いた。花神様の使者が月明かりの中から舞い降りて、私たちの命を救ってくれる薬と清浄な水を授けた…
…彼女は自分が睡蓮から生まれたリルパァールであり、花神の民に最後の警告を伝えに来たと言った…
…彼女は私の娘を一晩中抱いて眠り、朝方に去っていった。供物に手も付けずに…そして今、あの子の熱は下がっている…
幸いひどい病気ではなく、次の日の仕事にも影響しなかった。パーヴェズラヴァン陛下の憐れみは、重症の者には与えられないのだ…
……
…月が昇る頃、彼女は私たちに警告した。運河の水には病があるかもしれないと。ダマーヴァンド山の水源に、問題があるのだと…
…他の人にも警告しないと…
…パーヴェズラヴァン陛下は新しい宮殿と工場を建てた。給料は良いから、この間の借金を返済できるかもしれない。だが、工場に泊まり込まないとダメなようだ。私が行ってしまったら、妻と娘はどうなるのだろう…
…あそこの水は清浄なのか?
巨大な迷宮にはジンニーが動かす機械がいっぱいあり、人々は叫ぶジンニーを九尾の猫鞭で打っているという民衆に広まる噂(古事3)
…彼らの話によると、あれら巨大な迷宮はジンニーが動かす機械でいっぱいらしい…
…人々は朝から晩まで、叫ぶジンニーを九尾の猫鞭で打つ…そしてジンニーは必死に臼をひき、必死に回る。あらゆるものが、機械からあたかも水のように流れ出てくるらしい…
…でもその人たちは?鞭を手にして終日機械の隣で見守る人たちは?彼らは叫ぶのだろうか?
…彼らを鞭打つ人がいるとしたら、どのような鞭を手にしているのだろう?
ジンニーの欠片の構造体の技術は発展し、工業鉱物の収入は国の**を維持する程度には十分になった。個人税の一割を廃止した(古事4)
…ジンニーの欠片の構造体の技術は、最近目を見張る勢いで発展している。工業鉱物の収入は国の運営を維持するには十分になった…
…慈悲あるパーヴェズラヴァン陛下は、個人税の一割を廃止することを宣言した…
酒造工場の話(古事5)
…税務請負業者変更…夜鶯のクミン酒造工場…
…六つから一つを取る。欲張りはしない。酒を飲まない者と未成年で飲めない者は手数料を追加…
…住民の皆さんは治安所で税務契約を変更するのをお忘れなく…
機械は貴重で人はいつでも替えが効く。労災事故が起きている。工場からはジンニーが砕けたときの唸り声が聞こえるという噂も流れる。「リルパァール」は人の疲労と痛みを癒し、狂暴な機械や指に四肢を噛み落とされた人を治療してくれた。(古事6)
…機械の作動が速すぎると、時に人を傷つける。人は重傷を負い、それはとても痛い。だが機械は貴重だ。人はいつでも替えが効く…
…また一晩中眠れなかった。マフラクは工場から吠える声が一晩中響いていたと言った。老人は、あれがジンニーが砕けた時の唸り声だと言った…
…ジンニーも疲れを感じるのか?私たちのように、作業に飽きるのか…
…マフラクは夜中に工場で一人の女を見たと言っていた。まるで花神誕祭の踊り子のように、そしてジンニーたちの母のように…彼女が来た途端、機械たちは静かになった…
……
…「リルパァール」、これが彼女の名前だ。彼女はやってきて、私たちのために歌い、静かに寄り添ってくれた…
…彼女は人の疲労と痛みを癒し、そして狂暴な機械に指や四肢を嚙み落とされた人を治療してくれた…
…月明かりがある時だけ、こっそり私たちのところに来られると彼女は言った。そうでなければ、癒しの祝福は効かなくなると…
…マフラクは甲冑の人に連れていかれた。彼女が口を滑らせたせいだったが…
労災の話。そしてリルパァールが怖いことをいう。「機械には血をむさぼる悪魔がいる」「あいつらを解放しないと自分を解放できない」(古事7)
…労災の手当が下りた。今回は現金だった…家の一年の消費はこれでまかなえるだろう。こんなことになると知っていたら、もっと大けがをしておくんだった…
…怪我したのは操作を誤ったからだと彼らは言っていたが、私は知っている。とっくに聞いた…
…リルパァールが夜毎みんなに教えた通り、機械には血をむさぼる悪魔がいると…
…あいつらは中に閉じ込められ、痛みと憎しみに突き動かされ、世界に捨てられ、忘れ去られる…
…あいつらを解放しないと、自分を解放できない。漠然とした残酷な「自由」から、自分を解放できない…
…だが彼女は、余計なことは考えずにちゃんと休養しろ、明日はまだ仕事がある、それどころか仕事は毎日あるんだから、と言ってくれた…
労働者に機械の原理とメンテナンス方法を再度普及させ安全作業の意識を強化する必要性がある。そして、「復讐するジンニー」の都市伝説が流れており、生産にも影響が出ている。**の自由の制限も行われる。「リルパァール」「黄銅の仮面」「追放された王子」などの迷信が民衆の間に広まっている(古事・8)
…労働者に機械の原理とメンテナンス方法を再度普及させ、安全作業の意識を強化する必要がある。「復讐するジンニー」などの都市伝説や、根も葉もない噂は、今や労働者の間にはびこり、生産に影響を及ぼすほどになっている…
……
…状況に応じて、必要のない集会を制限する。「リルパァール」や「黄銅の仮面」、「追放された王子」など、愚かな迷信や噂が拡散し、ひいては問題を起こす可能性を避けるために…
工場に大火事が起き、休業になった話。生き残った人は労災手当をもらえなかった。リルパァールは亡くなった人を生き返らすことはできないと泣いた(古事9)
…半月ぶり三回目となる、工場の大火事は消し止められた…
…甲冑の使者はみんなの要望に応じて、休暇を延長し、現金で給料を精算すると約束してくれた…ただ、あまりにあっさりと応じてくれたので拍子抜けしてしまった。なんせ、彼女は甲冑を着ているわけだからな…
…彼らは一部のエリアが封鎖され、その中では機械構造体が黙々とうろついていると言った…
…機械は兵士ではないので、理屈は通じない…
……
…三日間の休業。状況はとても悲惨だったと彼らは言った…
……
…生き残った人は労災手当をもらえなかった。死んだ人を生き返らせることはできないと、リルパァールは言った。彼女は悲しそうに泣いた…
「あの日が*づいてきた」とリルパァールはいった。仮面の使者も夜中にメッセージを伝えに来た(古事・10)
…「あの日が近づいてきた」とリルパァールは私たちに言った。仮面の使者も夜中にメッセージを伝えに来た…
…みんなに警戒するよう伝えないと。「報い」とは、空き巣を狙う泥棒のようなもの、いつの夜に来てもおかしくない…
…だが、まだ昼間は仕事がある。休んでいるときに「報い」が到来しないことを祈るばかりだ…
労働環境はそれほど良くなかったようです。「労働者が外部の庶務に困らされることのないよう、工事現場に…労働者の自由な出入りを禁止すべきである」。
労働報酬も、通貨払いの原則はとられていませんでした。黄銅の仮面の勢いが増す影響で「印泥」の携帯が義務付けられ、印章を押さなかったものは反逆者とみなされた。消極的な表現の自由も制限されていた。(「雇用規則」)
こちらにも同様に信仰の自由の制限が行われましたことが記されています。「黄銅の仮面」の反乱が続く中、エスカレートする花神の崇拝が違法とされ、違反者は処罰された(うっすらと読み取れる銘文)。
農地の衰退による貧困化、危険な労働環境、そして、表現の自由や信仰の制限、言論の抑圧などが行われました。こうして、反乱の機運が高まっていったと考えられます。
花神の信仰と「黄銅の仮面の関係」についてはよくわかっていません。「黄銅の仮面」の教え1~3は奴隷のことについて書いてありますが、それが比喩であるのか、そして花神とどうかかわるのかはわかりません。
ジュラバドの滅亡―「黄銅の仮面」の反乱
各地で大反乱が発生し、神殿が襲撃を受けた。相手はボロボロの服を着ていたが、全ての人が黄銅の仮面をかぶっていた。宮殿は燃え上がり、大神官は攫われてしまった。クベロスがパーヴェズラヴァンに謁見しに行った(ジュラバドの古事・5)
旅人はリルパァールの視点からジュラバドの最期を見ました。
「知性のないジンニーが冷酷な機械や兵士たちの武具から湧き出て…朱色の酒、石榴の汁がそれと共に爆ぜて散っていく」「汁の味は甘美で芳醇、城全体から泉がわき溢れ、赤色の海となる」「海はまず奴隷を沈め、やがてその主も夜の海原に浮かんで悲鳴を上げた」(「過ぎ去りし終末」)。
砂海は先に奴隷を沈めた。そして夜の海に浮かぶ主人たちは、悲痛な叫びをあげた(うっすらと読み取れる銘文)
このように、「ジンニーの欠片」は、復讐の道具となりました。
シリンとキスラの最期についても語られています。シリンの顔は老いてぼやけ、生命と知性の痕跡がない状態でした。一方、キスラは黒い魔獣となったとされています。
物語では、キスラは刺殺され、シェロイが王につきます。そして、シェロイは悪夢に苛まれ、夜に彷徨う中、深く黒い裂け目に落ちて消えた。裂け目から疫病が這い上がり、ジュラバドの人口の半分を飲み込んだとされています(シェロイとシリンの物語」・第2巻)
その後の話は、取り立てて言うほどの点はない——無敵の王「パーヴェズラヴァン」は、顔を覆い隠した反逆者に寝所で刺し殺される。サファイアと黄金の角で飾った豪華な寝所には、消えない血痕が残された。
精霊の哀歌ではこうなっている——大逆を犯したシェロイはかつて、母のシリンに向かって懺悔の涙を流した。しかしシリンは叱責することもなく、愛しい子を抱きかかえ、追放の象徴である黄銅の仮面を外すと、愛情のこもった祝福のキスをした。
シェロイが王になった後、逃れられない悪夢に苛まれる。そして荒れ狂う夜を彷徨う中、大地の深く黒い裂け目に落ちて姿を消した。その後、疫病が裂け目から這い上がり、ジュラバドの人口の半分を飲み込んだ。王と家臣を失った国は、飽くなき砂へと飲み込まれていった。
散った生存者たちは、この災厄を 「シェロイの疫病」と呼んだ。不条理で短命な暴君の報いであると言った。
リルパァールも、シェロイは、ジュラバドとともに裂けた大地、漆黒の口に呑まれたと語ってます。
リルパァールの封印
キングデシェレトは帰還した折、ジュラバドの運命に驚き憤った。ジンニーの母リルパァールの魂を分割し、七人の賢者によって別々に隠させた(うっすらと読み取れる銘文)。
「…つ」に分割とありますが、七賢者によって…隠されたとあるので7つでしょう。ジンニー牢獄で1つ、「ビルキースの哀歌」で4つ、「猟鷹タッドラー」で1つ、「過ぎ去りし終末」で1つで7つ集めました。
そびえ立つ城と金色の塔は怒涛の潮流によって転覆され、殿堂と宮殿はみすぼらしい貧民に占拠された…。怒りに駆られた狂暴な下民たちは黄銅の仮面の導きに従った。有識者はこれを「大疫」と呼ぶ。
ジュラバドはこの黒き大疫ののちに滅び、赤砂の主も自己破滅の一途を辿った…。睡蓮から生まれたジンニーのリルパァールは、恐ろしい陰謀を企てたが故に、魂が散りぢりとなる報いを受けた。(黄金の邦国の結末」)。
怒りに駆られた狂暴な下民たちは黄銅の仮面の導きに従った。有識者はこれを「大疫」と呼ぶ。
ジュラバドはこの黒き大疫ののちに滅び、赤砂の主も自己破滅の一途を辿った…
睡蓮から生まれたジンニーのリルパァールは、恐ろしい陰謀を企てたが故に、魂が散りぢりとなる報いを受けた。
広く恵み豊かだったオアシスの国は一日にして黄砂に崩れ落ち、部族と国は再び動乱のさなかへ…
その後、砂海とオアシスに住んでいた凡人たちは七つの国の民となって分かれたが、サファイアの都であるトゥライトゥーラは中でもひときわ秀でていた。
リルパァールはこのことについて、「漆黒のアビスを利用し」たと語っています。
リルパァールはジュラバドへ行く、子供たちがそこいるといいましたが、深淵にいるのかもしれません。
こうして、ジュラバドは山壁に埋め込まれた街門だけが残されました。
門のわきに立っているデザインが少し違う青い像はオルマズドと考えられます。青い像はソベクだと考えられます。ワニの王です。
反省点
せっかくだから自分でダメ出しをしまくる。満足の行ったところも書く。
まずね、サムネが手抜き過ぎる。Wordで3分で作りました、みたいなサムネ。これじゃ見てもらえない。デザインの基本を押さえる必要がある。袋文字にしているとはいえ、写真の上はやはり見づらい。自分でもこれ見て記事読みたいと思うかを意識する。何を伝えたいのか?
PCから見た場合、77文字は表示されているので、そこに目的を収めることが望ましい。
もっともhoyolabに関してはスマホで見てる人の方が多いんじゃないかと思われる。
「ュラバトの物語」…。
どうもスマホだとこの部分カットされてしまうみたいですね。考えてオブジェクト配置しないと。
たぶんスマホで見る人が多いでしょうからサムネはもう少し頑張ろう。
記事の冒頭に目的を出したのはいいと思う。「本記事の目的は~」はテンプレにしておこう。そしてできれば結論も出しておきたかった。キーワードも記しておいた方がいい。今回でいうと、「奴隷制」「ジンニーの愛」「ジンニーの欠片」だと思う。
そして、記事が長すぎる。せっかくだから、と全部の画像を載せてしまったのだが、よく知らない人のこれだけの長文を読んでくれる親切な人なんてそう多くないだろう。長くてもいいが、段落の冒頭には必ず一パラグラフ、要約を書いておく必要がある。
成立→発展・衰退→滅亡という項目立て、キスラの治世のカテゴリ立ては悪くなかったと思う。ただ、もうちょっと流れ出すと読みやすかったかと思う。
画像が多かったから内容がぼやけてしまっていたがテキスト部分だけ抽出するとそうでもない印象を受ける。画像を使わずともテキスト部分だけで内容が説明できていることが必要だと思った。
(おわり)
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