幻想シアターと「消えない炎」

原神

お久しぶりです!

今回は幻想シアターの背景について考えていきたいと思います。魔女会についての今までの知識を整理しつつ、『小さな魔女と消えない炎』について考えたい。

なにやら物議を醸しているコンテンツですが、私は魔女に関わるコンテンツを楽しみにしていたのでそちらを掘り下げたいと思います。

魔神任務4章6幕までのネタバレを含むので注意してください。

「魔女会」とは何か?

魔女会とはアリスやレインドットが加入している秘密結社です。ver1.0からその存在は確認されていたのですが、「風花祭」(ver3.5)で深掘りされました。「魔女とお茶会1」のPVは今からでも見れるので雰囲気は味わえます。

レインドットがしゃべったりけっこう驚いたPVでした。

紹介された魔女についてまとめるとこんな感じです。

※イヴァノヴナがなぜJなのかは謎。彼女もまたJ後継者だったのかもアンデシュドッテルはMärchen(メルヒェン)からだと思います。

いかにもスネージナヤ人っぽい恰好をしているのがスカーレットです。彼女はJの後継者として認められたのか、今後のストーリーに期待したい。

魔女会は古樹(世界樹)の研究とお茶会をしている秘密結社です。その活動は星空(偽りの空)から地下の世界樹まで及びます。つまり、テイワットの境界について研究している組織だと考えられます。

ver3.5以降に追加された情報は多くはありません。アリスの友人であるイディア、エリナスの「ママ」、あとは残響の森の魔女などがあります。シグウィンの伝説任務にも魔女婆さんが登場しますが、魔女会とは関係がないと思います。

幻想シアターについて

魔女の足跡

『ナルニア国物語』(「ライオンと魔女」)だったりいろいろなネタがありましたが、ここではテイワットの「魔女」に関するものに絞ります。

まず最初に子オオカミを「ドアボーイ」に任命した人ですが、おそらくアリスだと考えられます。夢の話をしているところと、「道が枝分かれになった花園」というワードに着目するとニコの可能性もあります。

魔女の姉ちゃんの友だちである「創造の魔法」を知っている魔女はおそらく錬金術師レインドット。「幻の魔法」については謎。

「羽ペンで魔法を使ってた魔女の姉ちゃん」は作家であったアンデシュドッテル(ないしその後継者)だと考えられます。

不思議なインク瓶で思い出すのが「残響の森の魔女」です。この聖遺物ストーリーは「親切な魔法使いの物語2」という童話になっています。この物語では魔法のつけペン不思議なインク壺が重要な役割を果たします。

少女の幸せというのは誰かから求められること、そしてそれはこの若者から求められることで叶ってしまいます。

「自分を愛してくれない母親は必要ないのかもしれない」と願っただけで母が死んでしまうなどちょっと暗い感じもあり、『イノシシプリンセス』のアンデシュドッテルを彷彿させます。

童話作家アンデシュドッテルは『白姫と六人の小人』の著者と考えられる点で重要です。これはリサの伝説任務で登場したアビスの魔術師が盗んだ本で、内容がカーンルイアと関係がありそうな本です。

「水面に映る星々から運命の奇跡を見出した魔女の姉ちゃん」はおそらくバーベロス(おばば)だと考えられます。「セルフ占いマシーン」を作ったのは彼女のようです。

おみくじの内容は人によって違うらしい。私のは「神聖と共に・3」でした。神性と共には「神性と共に・序」3だけ実装されていた謎の書籍でした。これの続きがあるとは。

サブのはこれ。『森の風』4の別の話です。どうやらモンドの書籍に絡んだものらしい。

かなり重要そうなテキストなのですが、さすがに一人で全部集めるのは不可能なのでHoYoWiki!さんの更新に期待しています。

「控え室」

「控え室」は禁書エリアそのものではないがかなり近いところにあるらしい。禁書エリアは「西風秘典」ほか昔から言及があるモンドの未回収要素の一つです。

「秋分の大火」という大火災で、図書館の一部が焼尽した。
図書館の地下室に、ポプラの木で作られた頑丈な扉がある。
図書館と騎士団設立の前からあったその扉は、
大火災においても無事だったらしい。
騎士団公式の知らせによると、そこは禁書エリアである。
しかし噂によると、もっと深い秘密を抱えているようだ。

禁書エリアはおそらくアビス教団がモンドを攻撃している理由の一つであると考えられます。アビス教団は他の国々に対してはそこまで興味を示していません。

「幻想の真実」と「真実の幻想」の狭間?

アテネウム(Athenaeum)とは学術振興機関、図書館のことを言うらしい。つまり、モンドの図書館のことを指していると考えられます。

以上が「魔女会」に関して新たな知識を加えた総整理でした。次は『小さな魔女と消えない炎』について検討します。

『小さな魔女と消えない炎』

幻想シアターに全部置いてあります(全7巻)。内容を見ると魔女会の研究内容が反映されています。例えば、占星術(2巻)、錬金術・生物学(3巻)など。おそらくこの物語には複数の魔女が関わっています。

特に2巻が重要で偉大なる占星術師から見たテイワットの世界観が描かれています(全文)。

今回は2巻の内容は深掘りせず、物語全体の流れを要約したいと思います。

小さな魔女が「消えない炎」を求める物語。小さな魔女は魔法大陸の西の果てで行われる「最後の見習い魔女試験」に挑戦したところ「消えない炎」を見つけて持ち帰るという地獄級に難しい課題を引き当ててしまいます。

魔女の先生の友人は、先生に耳打ちした。「ねえ、ちょっとひどすぎない?あれってあなたが面倒くさがって適当に出したお題でしょ?この世にそんなものがあるなら、永久機関だって作れちゃうわよ。電弱相互作用の大統一理論の証明でなかったのがせめての救いね。」
「大丈夫。人生に嘘はつきものよ。」先生はぬけぬけと言った。「それに完全なデタラメってわけでもないわ。『消えない炎』は確かに存在するもの。あの燃える星は…あら?いつ見たのかしら…忘れちゃったわ。」(第1巻)


小さな魔女は旅の途中の森で「占い師」と名乗る少女に出会います。少女は魔女の使い魔になりたいと申し出ます。使い魔は魔女と魔力を共有でき、より多くの「運命」を見ることができるからです。小さな魔女はまだ修行中の身であるのでこれを断ります。

少女は魔女と契約を結ぶ方法もう一つの方法試そうとします。魔女たちのカーニバルに「灰の中に残った消えない炎があり」これを持って帰ること魔女と契約できるというものです。小さな魔女はこれこそ「消えない炎」に違いないと考え、カーニバルに行きます。

「つまり、それが『消えない炎』ってこと?」小さな魔女の頭の中に、ふと黒い考えが浮かんだ。「じゃあ、その炎を奪えばいいんじゃ…」
血緑色の月明りの下で、大魔女たちは魔女の歌を歌い始めた。

「目の前にこんなチャンスがあるんだから、思い切ってやってみなよ!夜が明けたら、その炎を採りに行こう。運悪く怪物になっちゃっても、苦しまないように終わらせてあげるから。」
占い師の少女は、友情の証として、大事にしていた水晶玉を小さな魔女に贈った。
「これは既知のあらゆる運命を喜び、未知のあらゆる悲劇に心を痛める水晶玉です。迷った時は、これに教えを乞うてください。」

この試みの顛末は書いていないのですが、その後に「消えない炎」を探し続けていることからすると失敗したと考えられます(第2巻)。


小さな魔女は旅の途中で魔王を倒そうとする者たちに出会い、仲間に加わります。彼らは様々な魔王と戦います。ミミック魔王(カビ)やシマリス魔王との戦いなど、生き物に関する分析を生かしながら戦い続けます(第3巻)。

魔王はみんな強く見えるが、弱点もある。錬金術の生き物もそれは同じだ。
最終的には、スタンダード魔王ーすなわち霊長類ヒト属の大魔王との対決が待っていた。

小さな少女はついに大魔王を探し当てます。それはヒトでした。魔王を倒す度に魔力を強化してきた小さな魔女は、大魔王をも打ち負かし、近隣の街へ連行しました。そこで大魔王の処遇を巡り政治問題が発生したのですが、政治力を駆使してなんとか乗り切ります(第4巻)。

※4巻の筆者は「魔法や神秘学に疎い」と書いてある。一方で、この人は政治組織や社会制度にはそれなりの知識があるように見えます。

魔王を倒し、目標を失った小さな魔女は「占い師」からもらった友情の証の水晶玉を思い出します。水晶玉を使って自身の試験結果を確認すると試験が終了し、不合格となっていました(第5巻)。

小さな魔女は慌てて先生の下に戻り、不満をぶちまけようとします。それに対して先生は、小さな魔女の親友であるオクタヴィアが来ていると言います。小さな魔女は怒りを忘れてオクタヴィアとの会話を楽しみました。

オクタヴィアは「宇宙全体が死の危機に瀕している」といいました。これが魔法試験が中止となった原因ではないかと。オクタヴィアは「消えない炎」は確かに存在すると言いました(第6巻)

旅の果てに、小さな魔女は老魔女の元へと辿り着きます。老魔女との会話を通じて、彼女もまた「消えない炎」を有していることに気付きます。老魔女の炎を手に入れた小さな魔女は、その光を宇宙の隅々まで届ける決意をしました(第7巻)。

老魔女からの返事はなく、そこには抜け殻だけが残されていた。小さな魔女が旅の途中で見た無数の抜け殻とほぼ同じで、それを構成している素材もほとんど変わらなかった。他の無数の抜け殻と唯一違っているのは、ちらつく炎の光だけだった。
小さな魔女は老魔女を包む炎を手に、帰途に就いた。ひとまず、物語はこれで終わりにしよう。とはいえ、小さな魔女の冒険はまだまだ続く。なぜなら彼女は老魔女の炎を手に宇宙を駆け巡り、時の隅々にまで光を届けると決めたのだから。

「消えない炎」というのは魔女の「意志」だと考えられます。ほよばーす作品はこういう「意志」の使い方が好きで、よく人類の意志であったり、文明の火種という意味で使っているように思います。

魔女の数に関する話

今まで明らかになった魔女は6人

魔女のアイコンは8つ

お茶会のイスは7脚

「控え室」のイスは8脚

これについては稲妻と璃月の魔女がいないので、他にもまだ紹介されていない魔女がいるのではないかということを前に書きました。しかし、今回の『小さな魔女と消えない炎』という物語を読んで存在しない魔女のことを指していたのかもしれないと思いました。

一つが、既に亡くなった魔女のための椅子。「椅子にはそれぞれ持ち主がいる。たとえ主がいなくなっても、椅子には思い出が座っている。だから椅子は絶対に間違えちゃいけないんだよ。」という6巻の部分を読んでそう感じました。

もう一つが次世代の魔女のために用意された椅子。つまり、クレーです。

これは去年のヴェルーリヤ・ミラージュ(3.8)に関する話と繋がります。あのイベントでアリスはクレーに「魔女とはなんなのか?」を考えてもらおうとしていました。それに対しクレーは次のような答えに至ります。

お茶会の7つ目のイスは未来の魔女のために用意され、『小さな魔女と消えない炎』の物語もこうした未来の魔女のために書かれたものと考えることもできます。

とはいうものの、リサが招待されていた可能性も否定できません。お茶会に参加するのに必ず魔女会に入っていなければならないとは言われてませんから。ゲスト用のイスがあってもおかしくありません。

まとめると魔女会には7人目の魔女がいたかもしれないし、いるかもしれないし、これから生まれるかもしれないということです。「控え室」のイスが8脚なのはゲスト用も含んでいるからだと考えられます。「招待」に応じた旅人のために用意したと考えることもできます。

個人的にはやはり七人目の魔女(「幻の魔法」を使う魔女?)の存在に期待しています。今後も魔女会の動向を楽しみにしています。

おわりに

以上、「幻想シアター」に関する記事でした。いかがだったでしょうか。

原神ではよくイベントを通じてキャラクターの成長が描かれます。例えばは海灯祭の旅に旅人(や凡人)に対する理解が深まっていますし、コレイは様々なイベントを通じて他人とのコミュニケーションを積極的にとれるようになってきました。

クレーもそのようにイベントを通じて成長が描かれているキャラの一人だと思います。

明日は生放送ですね。次のバージョンまでにちょっと更新したい記事があるのですが間に合うかどうかは不明。

(おわり)


  1. https://youtu.be/sckGhfIg6dw?si=a56-cYQEjvSpYx5m ↩︎
  2. https://wiki.hoyolab.com/pc/genshin/entry/4716 ↩︎
  3. https://wiki.hoyolab.com/pc/genshin/entry/221 ↩︎
  4. https://wiki.hoyolab.com/pc/genshin/entry/2318 ↩︎
ManQ

原神も3年目となり新しい楽しみ方を探すべくブログを始める。
ストーリーのテキストをじっくり拾って読むのにはまってます。
神話は詳しくないので頑張って調べてます。

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