懸練山に咲く花-琉璃百合の話

原神

この花にピンと来たら璃月通?琉璃百合に関する話です。

この記事では沈玉の谷生えている琉璃百合は何なのかを考えます

任務「沈玉の祝福」と閑雲の伝説任務に関する話がちょっとあるので注意してください。

沈玉の谷の琉璃百合

ver4.4で追加された沈玉の谷にはわずかですが琉璃百合が生えています

(テイワットマップより。テイワットマップには薬籠の中の1回しか採れないものも含まれているようです。)

地下マークがついているのは霊柩の庭伏仙洞でどちらも薬君と関係のある場所です。

琉璃百合が追加されるのはおそらく初めてだと思います。

琉璃百合とは?

極めて古い花。かつて璃月のいたるところにあり、大地の記憶を花の香りに変えられるらしい。伝説によると、この花は美しくて透き通る歌声に咲き、かつてある人物が大好きな花だったらしい。だが、今、野外で咲いている琉璃百合をめったに見られない。

「ある人物」とありますが、これは帰終であったと考えられます。この花は「音」がわかる花で、数千年前の魔神戦争によって璃月の地からほとんど消え去ってしまいました。

ピン:これは「琉璃百合」じゃ。璃月港最後の琉璃百合はここにある。この花は歌声や音楽を聞くと綺麗に咲く殺し合い、呪い、破壊の音はその根を腐らせると言われておる。じゃから…千年前の闘争のせいで、璃月の大地からほとんど絶滅したのじゃ

璃月港と軽策荘に生えている琉璃百合は人工栽培によるものです(1章3幕)。その香りは人工栽培のものと野生のもので異なります。清心や琉璃袋と違い琉璃百合を使った料理がないことから、この花は主にお香として用いられているようです。

「野生の琉璃百合」が出たのが、送仙儀式の準備の一場面です。

鍾離:琉璃百合はかつて荻花州に大量にあってな、人々の歌声を聞く花なんだ。荻花州は昔、陸地だった。魔神戦争で山が崩れ、陸が水没し、そのせいで琉璃百合はほとんど絶滅してしまった。今、城内には人工栽培のものが残っている。だが、それでも野生の琉璃百合が完全に消滅したわけではない。魔神任務1章3幕

「送仙儀式」に使われる野生の琉璃百合。天変地異により、琉璃百合の生息地は失われた。これは心が通じ合う者たちの植物であり、心のこもった歌声の中で格別に美しく咲き誇る。(野生の琉璃百合

魔神任務1章3幕

「完全に消滅したわけではない」とあるように魔神任務においても旅人が「野生の琉璃百合」(?)のために歌った場所は荻花洲でした(トリックフラワーだったのであれをカウントしていいのかは謎です)。最終的には甘雨が野生の琉璃百合を用意しました。。

以上のように琉璃百合はver4.4に沈玉の谷が追加されるまでは璃月港軽策荘という限られた地域で人工栽培される形で存在していました。

琉璃百合は帰終を象徴する花である

が帰終を連想させるというのもありますが、琉璃百合はかつて帰終のいた帰離原に多く生えていた植物でした。

帰終と関係があるのが帰離原と歌塵浪市真君です。

琉璃百合と帰離原

帰離原の由来は「我が離の民、皆故郷に帰ったかの如く安穏に暮らしている。ここを帰離原と名付けてはいかがか」という説があります。

帰離原と呼ばれたその地は、かつて琉璃百合に覆われていた。しかし帰離原は戦争により毒され、民も去って行った。璃月港の繁栄で、ここで住んだほとんどの人はそこに移住した。しかし近代、この荒野には数々の侠客伝説が広まっている。(侠客記・留塵編

琉璃百合は帝君が帰終と初めて出会った場所に咲いていた花であり、帰終の最期を見届けた場所に咲いていた花でもありました(浮世の鍵)。

「これが盟約の印であり、私からあなたへの挑戦状でもある」
「わたしの全ての知恵を、この石錠に閉じ込めた」
彼は初めて少女を見た時の事を思い出した。ぶかぶかな着物を着て、印を持った彼女は、わざとらしい位に真面目な顔をしていた。
本当に愚かだ。まだ正式な契約を結んでいないと言うのに。
彼はまた、昔、琉璃百合の咲き乱れる野原で、二人が初めて出会った情景を思い出した。
それと、琉璃百合の中で、彼女と最後に交わした言葉も。

「あの小さな者達は、塵のようにちっぽけで軟弱だ」
「ちっぽけだから、いつ自分達が天災や事故で死ぬのか、いつも怯えている」
「怯えているから、もっと賢くなろうと、いつも努力している。私には分かる」
「だから、あなたの力には遠く及ばないけど、私達は技術と知恵を使えばいいと思うの」
「同時にあなたの力と私の頭脳があれば……この街は素晴らしい場所になるはずよ」
彼女は寂しそうに笑うと、ゆっくりと細かい塵と化した。
「やっぱり、あなたとは共に歩めそうにないわ。錠前の事は、忘れて」
「これが盟約の印であり、私からあなたへの挑戦状でもある」
「わたしの全ての知恵を、この石錠に閉じ込めた」
「もし、これを解く事が出来るのなら——」
何年経っても、彼にはそれを解く事が出来なかったし、その言葉の続きも知らなかった。
月日が流れるにつれ、野生の琉璃百合もほとんど姿を消していった

帰終と関係が深かった人物に歌塵浪市真君(ピン)がいます。

帰終と歌塵浪市真君

両者の関係については去年の海灯祭で語られました。「華舞う夜の旋律」というタイトルからもわかるように去年の海灯祭は「音楽」が一つのテーマでした。

洗塵の鈴は帰終が作った作曲と演奏ができるからくりで、送仙儀式の伴奏などに用いられました。二人は音楽に対する姿勢の違いから対立することもありましたが良好な関係でした。

(足元に琉璃百合が咲いている)

魔神戦争によって帰終が亡くなると歌塵はこの鈴を受け取ります。そして苦労して1つの曲を完成させたのですが、1回演奏しただけで弾かなくなってしまいます。

留雲がその理由を尋ねると「琴の弦は切れていないが、知音はもう逝ってしまった。留雲、この曲は誰に聞かせればいい?」と答えました。

「知音」という言葉が用いられているように、春秋時代の伯牙と鍾子期の話を意識していると思います。「伯牙琴を破る」ですね。

ピンは琴を弾くことをやめたのですが、去年の海灯祭を経てふたたび琴を弾くようになります。これについて理由は語られていないのですが、ピンの成長によるものと考えられます。

それまでは琴を弾くたびに旧友がいないことの悲しみという記憶の負の側面ばかり見てきましたが、彼女は変わりつつも前に進み続ける璃月の街並みを見て、その記憶に積極的な意味を見出そうとしています。帰終と作り上げたこの曲も旧友の記憶として伝えるべきではないかと。

※ピンが琴を弾かなくなった正確な時期は不明。この記事ではこの曲を完成したあとにやめたと判断しています。

パイモン:音楽は人々の心の中にある記憶で、時空を超えて思い出をつないでくれる…ってとこかな。

ピンが再び琴を奏でるようになったことが吉夢残映神器きちむざんえいじんぎ(閑雲の伝説任務)に繋がります。このからくりに曲を吹き込んだのはピンでした(上に貼った去年の海灯祭のPVと同じ曲-「寒木春花」が流れます)。

玉京台でピンに初めて話しかけると琉璃百合貰えます。ピンにとって亡き旧友を象徴する琉璃百合を守っていくことが旧友の記憶を次の世代に繋いでいくことであり、またこの曲も同じように記憶を繋いでいくものとして重要なものだと考えられます。

以上が帰終と歌塵、そして琉璃百合の関係です。琉璃百合の重要性がわかったと思います。次は沈玉の谷になぜ琉璃百合が配置されているかを考えます。

沈玉の谷の琉璃百合の起源

野生の琉璃百合

俗世の喧噪から離れた仙人の住処。伝説によると、遥か昔、戦乱のせいで居場所を失った人々は「浮錦」という名の仙人の加護を受け、この場所で外界の災いから身を守っていたそうだ。最終的に、文明の火種は荒れ狂う洪水に呑み込まれることなく、生き残ることができた。(薬蝶の谷)

薬蝶の谷には戦乱から免れた琉璃百合の原種が残っていた可能性があります。ここにいた魔神は異郷へ逃げてなくなってしまったので魔神の残滓(妖魔)の影響も少なかったと考えられます。

もう一つは誰かが植えたという可能性です。

人工栽培?

こんな山奥に誰が植えにくるのだと思われますが、琉璃百合を栽培しようとしていた人がいます。甘雨です。

甘雨:あの…もしちゃんと栽培して手入れをすれば、いつの日か、帰離原にまた一面の琉璃百合を咲かせられると思いますか?

甘雨は帰終と数回会ったことがあります。そして、帰離原に再び琉璃百合を咲かせることに興味を持っています

ここで留雲は「甘い」と言っていますがこの理由については特に触れられていません。おそらく妖魔(魔神の残滓)の存在が理由だと考えられます。

もう一人がピンです。浮錦は懸練山の亭子にいたときにピンに言及しました。

浮錦:ピンばあや?…ふむ、誰のことか大体察しがついたぞ。ふふっ、我の昔の知り合いじゃ。その友も何人か知っておる。

以上が野生に近い環境で琉璃百合を栽培しようとしている人がいるのではないか?というものです。

個人的には野生の琉璃百合である可能性が高いと思います。

(おまけ)「咲いたのう…」

本文に入れる隙間がなかったのでここに書きます。

ピンは他のNPC同様6:00-19:00の間に玉京台にいます。琉璃百合は18:00-翌6:00まで咲いています。ピンは咲いてないのに「咲いたのう…」と一日中言っているのですが1時間だけちゃんと咲いている時間に呟いています。

おわりに

わざわざ1輪だけ琉璃百合を配置するのにはなんらかのメッセージがあると考えて記事にしてみました。琉璃百合というのは帰終を象徴する重要な花であり、そこにはピンの思いが詰まっています。

沈玉の谷には他にもこのような細かい描写があります。「息災」もそうですし伏仙洞の壊れたブランコなどがそうです。これは山の主の少女(霊淵)が遊んだのだろうなと想像しています。

仙人は変化の術を使っているだけであり、ピンばあやの考え方も変わっているので歌塵の実装を期待してます。書籍などでいいのでゲーム内で何かしら補完したほうがいいんじゃないかと思っています(あるいは実装前提なのかも)。

(おわり)

ManQ

原神も3年目となり新しい楽しみ方を探すべくブログを始める。
ストーリーのテキストをじっくり拾って読むのにはまってます。
神話は詳しくないので頑張って調べてます。

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