任務「フォンテーヌ科学院年代記」がよくわからなかったので記事にしました。「動力コア」とフォンテーヌのエネルギー問題に関する記事です。内容としては、以下の3つです。
・フォンテーヌ科学院の科学者たちの紹介
・マシナリー研究が停滞している理由
・爆発は成功のもと?
任務「フォンテーヌ科学院年代記」「特異点への道」「智勇拳備」などについてのネタバレがあるので注意してください。
研究者たち
こういう格好をしているのですぐわかると思います。リュックをしょっているパターンもあります。
スカーフ(リボン)の色が黄色の人は地位が上の人が多い。しかしエスタブレ(鍛冶屋)が黄色なのでもしかしたら地位ではなく資格かもしれません。
黄色:ショワズール(事務官)、レモンド(上級技術官僚)、ナッカー(上級研究員)、ジュリエ(エドウィンの助手)、ルールヴィ、シャンヴァロン(上級技術官)、ユーグ、エスタブレなど。
科学院は大きく分けて、エネルギー研究、マシナリー研究、その他に分類できると思います。その他は雑かもしれませんが、とりあえず重要と考えられるのは前二者なのでここはそういう分類を採ります。アランは最初にエネルギー研究をしてその次にマシナリー研究へと進みました。
やや偏見が入っていると思いますが、エネルギー研究をしている人は科学院の看板を背負っているという自負があります。つまり、少しプライドが高い。これは、アラン・ギヨタンがエネルギー研究の成果で歴史に名を刻んだことと関係があると考えられます。
一方、マシナリー研究については職人気質があります。つまり、こだわりが強い。クセが強いといってもいいと思います。例えばボシュエはマシナリーを「芸術品」と考え、自分なりのこだわりをもって開発していました。クトロもかなり変わった人です。
このマシナリー研究は停滞しています。
※テイヤールというのはメロピデ要塞にいたクランツの友人です。爆発事故で亡くなりました。ビュトールの研究室の関係者です。
マシナリー研究が衰退しつつある理由は色々考えられます。まず、動力コアの問題。プネウムシア対消滅エネルギーコアがマシナリー研究の天井となっています。そして、研究不正の問題。ジュヌビエーブの論文の捏造がボシュエの辞任につながりました。そして、さらなるマシナリーの必要性の欠如。人々はメロピデ要塞で作られる量産品で満足していると考えられます。
今回関係してくるのは動力コアの問題です。
エネルギー研究
従来型のエネルギーの欠点
400年以上前にアラン・ギヨタンが今でも流行しているエネルギーモジュールを発明しました。フォンテーヌのほとんどのクロックワーク・マシナリーは「制御可能なプネウムシア対消滅エネルギー」に依存しています。
しかし、このエネルギーは先天的な不安定性を持ち、エネルギーが生成される際にプネウマあるいはウーシアの特徴が表れてしまいます。これに一方のアルケーをぶつけるとオーバーロードしてしまいます。
また、このエネルギーはフォンテーヌの特殊な環境に依存しているため、フォンテーヌ以外ではこのようなクロックワーク・マシナリーを使うことができません。
つまり、先天的な不安定性、エネルギークラスターがフォンテーヌの環境に依存していること、そして、出力がそこまで大きくはないことの3つがマシナリー研究の発展の停滞の原因になったと考えられます。
動力コアの問題
「現在のところ、この大きさのマシナリーを駆動させるための動力系統は十分に開発できていない」
カーンルイアとの差を考えれば一目瞭然です。遺跡巨像は「漆黒の力」のコアと予備系統のエネルギーブロック(アゾス物質)で動いています。500年近くたってもフォンテーヌはまだこの領域にたどり着いていないようです。
ボシュエの研究をみてもその苦悩が見えます。彼の奇械コアは従来型(ギヨタン型)より「理想的な状況においては…この構造の最大出力は従来型をやや上回った」とされています。
これがフォンテーヌ運動エネルギー工学科学研究員の年間最優秀論文だったそうでこれにより、ボシュエさんは上級技術官になりました。いかにコアの性能を上げることが難しいか分かると思います。
つまり、400年以上たった現在においても動力コアの問題が進んでいないということです。それがマシナリー研究の天井となっていると考えられます。レモンドもプネウムシア対消滅エネルギーコアはエネルギーとしては効率の悪い部類に入ると言っています。
新たなエネルギーを求めて
ブラヴェの先行研究
そこで何か新しいエネルギーがないかと出てきたのがアルケウムでした。
「アルケウムは大きな可能性を秘めた計画だ。しかし、プレスではその可能性の一部しか引き出すことができない。この点はすでに実験で証明されている」
右がアルケウムの輝晶というものです。あれだけのエネルギーをかけてプレスして加工したのに、ドアの起動にしか使っていないところはブラヴェの実験の限界を示しているとも言えます。
「鑑賞性に優れている」というのは確かにそうです。
結局、ブラヴェの研究は十分な評価を得ることがなかったようです。研究がうまくいかなかったのはアルケウムの純度が低かったからと考えられます。
しかし、エドウィンの時に転機が訪れます。それが純度と安定性の高いアルケウムの発見でした。
エドウィンの研究
エドウィンがどのような人であったかについてはレモンドから聞けます。アラン・ギヨタンに次ぐ科学研究分野の天才ではあったが、人情味に欠けた怪物だった。純粋な研究者で、研究以外のことに目を向けなかった。そのため、彼の周りには研究資産を盗んだり、研究成果を盗む者もいたそうです。
レモンドとエドウィンが共同して開発したのが「アルケウム動力コア」でした。この動力コアに「最大値のエネルギー」を注入し続ければ、コアは「実験用フィールド生成装置」を起動でき最大限の出力で動かすことができる。
しかし、二人は最大値のエネルギーを注入する方法(発見した純度の高いアルケウムの扱い)で対立します。レモンドは保守的な解決案を示したのですが、エドウィンは問題をもっと早く解決しようとしました。結局はエドウィンの方法で進めようとしたのですが、爆発事故が起こってしまいました。その結果、フォンテーヌ科学院の三分の二が灰になりました。
原神にしては珍しく相当数の死者を出したようです。
この事故によってアルケウムの研究は一時中断を余儀なくされました。
爆発前の地図が残っていますが、今の地図と比べるとその威力がわかると思います。
ナッカーの思惑
ここが難しいところ。
アルケウム | 不活性状態と励起状態とがある。 励起状態のエネルギーフローは人体に影響を及ぼすことがある。 |
抑制システム | アルケウムの出力を調整しているもの。 4つの冷却器がついている |
実験用フィールド生成装置 | エドウィンが開発。異常重力状態を作り出した。 |
アルケウム動力コア | 何者かによって盗まれてしまった |
プネウムシア対消滅エネルギーコア | 予備エネルギー エネルギーとしては効率の悪い部類に入る |
トライステートアルケウム | 安定した励起状態を作り出すと言われる普通のアルケウム |
レモンドの推測はこうです。わざと大型アルケウムを活性化させ小規模な爆発を起こし、それを見た人がそこに駆けつける。そして、その人は最初にアルケウム抑制器を修理する。そして、修理に「実験用フィールド生成装置」の予備エネルギーが必要だと思った頃には「実験用フィールド生成装置」のチャージが終わっている。
こんなことが可能なのはエドウィンと一緒に研究していて「実験用フィールド生成装置」に知悉していたナッカーしかあり得ないとのことでした。筋が通ってはいます。
それなら、ナッカーはどうしてこんなに回りくどいことをしたのか。
「アルケウム動力コア」を勝手に持ち出すと他の研究資産と違って、犯人がナッカーであることがバレてしまいます。そこで、「アルケウム動力コア」を持ち出し、かつ、その追及を逃れる必要がありました。そこに登場したのが旅人という「変数」でした。
ナッカーはクロニエのことをよく知っていたので、この爆発に関するレモンドの説明の有無にかかわらず、彼が爆発事故で亡くなったという記事を書くことが予想できたと考えられます。
なぜなら高濃度のエネルギーフローの元ではクロニエは近づくことができず、爆発とナッカーの行方不明という二つの事実だけで判断して記事を書くと考えられるからです。
また、もう一人のキーパーソンが旅人です。ナッカーは旅人を審査する立場にあり、そのポテンシャルを見抜いていました。アルケウムのエネルギーフローの耐性をもち、かつマシナリー相手にも戦えるような冒険者。彼女とレモンドなら仮にアルケウムがオーバーロードしたとしても阻止できると考えられます(さすがにフォンテーヌが滅んでいいと考えたとは思えません)。
こうしてナッカーの窃盗はうやむやになってナッカーが死んだという噂が広まることになります。ただし、実際にはクロニエの仕事は新フォンタのデザイン案の流出疑惑によって事前に差し止められ、自費で記事を印刷してばらまいたにとどまりました。これはナッカーの忠告どおりでした。
レモンドの行動も旅人の行動もクロニエの行動もすべてナッカーの想定通りの動きだったのではないかと考えられます。ナッカーは「生死不明」の状況を作り出し、自身の追及の手を弱めた(科学院はほかにやるべきことが山積しています)。
ナッカーの目的
ここまで大袈裟なことをしてまで彼が回収したのが「アルケウム動力コア」でした。金のためにやった可能性もありますが、ここでは別の可能性について考えたいと思います。
エドウィンの周りには、「研究資産を密売する者」だけではなく「研究成果を盗む者」がいました。
アルケウムによる爆発事故ではとてつもないエネルギーが発生しました。これは科学院の想定をはるかに超えていたものだと考えられます。見方を変えればエネルギー実験は成功しているということもできます。
しかし、爆発事故のせいで現状のままアルケウムの研究を続けることは難しくなってしまいました。これからの科学院は外部に開かれており、「安全」な科学研究が求められています。もっとも、これはエドウィンの考えには沿わないものであり、その下にいたナッカーも同じ考えだと思われます。
つまり、ナッカーは「アルケウム動力コア」を盗むことで研究を先に進めたかったのだと考えられます。これにはレモンドに研究させないこと、すなわち、研究の独占という意味もあったと思います。
この「アルケウム動力コア」は「実験用フィールド生成装置」以外のマシナリーについても応用できると考えられます。あとは反応を制御可能なレベルに落とし込めば、この技術を開発した人がフォンテーヌの歴史に名を刻むことになります。ナッカーが生きており、資材を盗んだとレモンドが考えた理由はそこにあると考えられます。
レモンドも研究に未練がありそうな発言はしています。
まとめると、アルケウムの研究自体はあと一歩というところまで来ており、ナッカーはそれを先に進めたかったのではないかということです。
ファデュイの関与?
研究成果を必要とする組織なんてそう多くありません。ヴァシェのようにマシナリーを違法に使っている者、宝盗団なども考えられますが、彼らが使っているのは量産型のマシナリーでわざわざエネルギー研究の成果を手に入れるほどの向上心があるとは思えません。
ファデュイだとありきたりな感じがしますが、十分な研究施設があると言えるのはファデュイくらいでしょう。
「兵器」の研究と言えば「博士」ですし、また、まだあまり多くは語られていませんがマシナリー関連だと「傀儡」の関与も疑われます(キャサリンについてももう少し掘り下げがあるかもしれません)。あとは「富者」の名前も少しだけ出てきました。スメールと比べると「召使」以外の執行官については匂わせがほとんどないのですが、ぼちぼち情報も出てくると思います。
代替エネルギーの必要性
フォンテーヌでは審判にフリーナが立ち会っていますが、彼女が審判しているわけではありません。最終的に裁きを下すのは諭旨裁定カーディナルでした。つまり、神の作った道具による裁き=「神の裁き」であったと言えます。
「神の裁き」を受けることがなくなるということは諭旨裁定カーディナルが使えなくなってしまうことを示唆しています。「律償混合エネルギー」はフォンテーヌのインフラを支えているとのことなので使えなくなってしまうと日常生活に支障をきたします。これを補うのがアルケウムなのかもしれません。
スメールは神の心を失ったことでアーカーシャを失いました。フォンテーヌも同じように神の心を失うことで諭旨裁定カーディナルを失い、新たな局面を迎えるのではないかと思います。
これは神と人間の関係の変化を意味していると考えられます。七神の役目は「人類を導く」ことにあります。これもまた、花神の予言のとおり凡人の時代へと向かっていく流れの一つだと考えられます。
おわりに
まとめるとフォンテーヌのエネルギー研究は新たな局面を迎えていること、そしてナッカーは研究目的で動力コアを盗み出し、第三者(ファデュイなど)のもとで研究を先に進めようとしているのではないかということです。
最大の謎はエドウィンの実験はなぜ失敗したのかということです。ここはまだ明らかになっていません。彼はアラン・ギヨタンに次ぐ天才と評価されていました。
予言の終末が近づく中で焦りがあったというのはなさそうです。レモンド曰く、彼は「私は何の報酬もいらない。私にとっては、研究そのものが最高の報酬なのだ」と言うような人物です。「人情味に欠けた怪物」とも言われています。
次の世界任務では、ナッカーの行方、ファデュイとの関係、エドウィンの事故についてもっと語られるのではないかと思います。
(おわり)
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