シグウィンの謎

原神

この記事は世界任務「諧律のカンティクルに出てくるエストというNPCを手掛かりに、なぜイレギュラーなメリュジーヌが誕生したのかを考える記事です。

この記事は去年書いた「龍は人になれるのか?」という記事に関係するものです。この記事では適応力の高さからより人間に近づいたものがシグウィンなのではないかという結論を導いていました。驚いたことに(つづく)と書いてあって龍の適応力について書きたいと書いているのですが続きを書いていません(何を書くつもりだったんだ…)。

お詫びと言っては何ですが続きというかシグウィンの謎パート2ということでよろしくお願いします。

魔神任務4章5幕、世界任務「古き色合い」、「水仙の痕跡を追って」、「諧律のカンティクル」などのネタバレがあるので注意してください。

エストとは何者か?

唯一の正常な町人

旅人がペトリコール町で初めて出会った普通の人間でした。彼が魂を抜き取られていなかった理由についてはあとで説明があります。

ウスさんの話によると、町で出会ったエストはレムリア人の末裔だからフォンテーヌ人の魂を奪った「楽章」が効かなかったというものでした。

ということは、それ以外の人間はレムリア人の末裔ではなくフォンテーヌ人などの末裔だったと考えられます(他のNPCがゴルドーニ⇒ゴルディアナのようにどこかレムリア人の魂と名前が似ているのは謎です)。

エストは火事場泥棒をしている第九軍団の人々のことを我々の軍団の一員と言っていることから彼もまた魔像であったと考えられます。

別の資料にも彼が魔像であったことを示唆する記述があります。

遠回しに純水騎士のことを聞いてみた。 彼(=カッシオドル)の表情は見えないが、あまりこの話をしたくないようだ。 意外だ。一般的な説によれば、最初に彼に付き従ったファントムハンターは純水騎士の子孫のはずだからだ。例えばエストとウォルターのように。まさか彼らも彼と同じように…

カッシオドルからすれば純水騎士は王国の敵であり、自分が最後に遠征していた先ですから話したくないのは当然といえます。ここにエストの名前が出てきます。エストが純水騎士でないならば、彼(カッシオドル)と同じように魔像であったのだろうと推測できます。

ルッジェロは荒廃していたペトリコールを再建し、智者のコミッティを作った最初のドージェであると考えられます。彼は「色褪せた城」を調査し、記録していました。その過程で「黄金ハンター」カッシオドルに出会ったと考えられます。

魔像であったエストは「泉水」のおかげで子供を授かったとされています。この泉水はルキナの泉の事だと考えられます。

ウスさん:彼は私の友人で、レムリアが滅亡した後の生き残りだ。その後、私たちは誕生したばかりのフォンテーヌへと向かい、そして最後にそこで安らかに眠った。泉水石に閉じ込められた我々の魂に応えてくれた――普通のフォンテーヌ人に応えたように。そしてあいつは子を授かり、家族を作った…

エストは魔像、すなわち、イコルと魔法の石でできた身体であったと考えられます。そうすると、エストの子孫は魔像(とフォンテーヌ人)の血が混ざった人間になります。そんなことがあるのでしょうか?

ここで思い出して欲しいのがルキナの泉の儀式です。

ルキナの泉の儀式

ヌヴィレットによるとルキナの泉の子宝祈願は単なる風習ではなく「ある種の儀式」でした。この儀式により祝福を受けた泉の中の純水精霊が新たなフォンテーヌ人として生まれてくるというものでした。

フォンテーヌ人はエゲリアが原始胎海の力を盗んで、純水精霊を人の形にし、血管に原始胎海の水を包みこむことによってつくりだした疑似的人類でした。

私は最初にこの話を聞いたとき腑に落ちない部分がありました。「儀式」とはどういう意味だろうか?

儀式にも色々あって、こういうと怒られるかもしれませんが、形式的な風習となっているものがほとんどのような気がします。しかし、ここではそういう単なる形式的なものではなく、実質的で意味のある儀式であるということが示唆されています。

この辺りは気になった人がいると思います。例えば母体がフォンテーヌ人なら特に問題はありませんが、父フォンテーヌ人で母モンド人の場合はどうなるのだろう…。そもそも、テイワットにおける出産は教会から子供を授かるみたいなファンタジー的なものなのだろうかなどなど。

で説明するなら楽ですが、そういう方法は取られませんでした。フォンテーヌ人はあくまで、原始胎海の水を血液とし、それゆえ原始胎海の水と反応して溶けてしまう。その純血さを担保するのが「儀式」ではないでしょうか。ではこの儀式とは何か?

純水精霊を元にした疑似的人類であるならば、純水精霊の誕生が参考になると思います。これについては『古い博物誌の抜粋』に記述があります。

純水精霊は、水神様(エゲリア)か族長の許しを得て「分岐螺旋」を授かることで自分を分裂させて新たな純水精霊の子を生み出します。

この「分岐螺旋」については、「一滴の水」「言葉」「名前」「呪文」「許しの言葉」などとされています。これが元素の輪廻をかき乱し、新たな命を世界に呼び込むとされています。

共通しているのは言葉です(純水精霊にとっては水もある種の言葉でしょう)。

※もっとも、これには例外があってそれがリリスでした。リリスはこうした「分岐螺旋」を経ずにマリアンを、そしてマリアンはアンを創造したものと思われます(ここでいう純水人間がマリアン、純水純水精霊がアン)。

話を戻すと、ルキナの泉はこの『分岐螺旋』を代替する装置として作られた。すなわち、儀式とはフォンテーヌ人がルキナの泉の「祝福」を受けることだったと考えられます。

フォンテーヌの地からは新たな純水精霊は誕生しなくなりました。これは前の水神エゲリアが逝去し、「言葉」を与える人物がいなくなったからだと考えられます。

一方で、疑似的人類であるフォンテーヌ人は誕生し続けていました。これはルキナの泉が儀式として機能していたからだと考えられます。

この儀式が魔像とフォンテーヌ人にも行われたのであれば、メリュジーヌと人間にも行われうるのではないかというのがこの記事の結論です。

メリュジーヌの誕生

メリュジーヌの誕生

メリュジーヌの誕生については任務「古き色合い」の最後にエリナスから語られます。

400年以上前のエリナスで水仙十字結社とマレショーセ・ファントムの衝突があり、謎の爆発の結果、双方に死傷者が出ました。

この爆発で傷ついたエリナスの肉片から誕生した新たな生命が最初のメリュジーヌでした。メリュジーヌは生まれたときに「しるし」を授かります。

「しるし」とは、メリュジーヌが誕生して初めてもらう記念品であり、生命の証をいいます。メリュジーヌはこれをとても大事にしています。

今までストーリーに登場してきた「しるし」は様々ですが、機械のパーツのようなものが多く見られます。これは前述のように爆発が関係していると考えられます。マメールの「しるし」は当時その爆発の現場にいたセイモアの重要なパーツでした。

このように、メリュジーヌの誕生にはエリナスの血(肉)が関わっていると考えられます。

最初のメリュジーヌ誕生のきっかけは爆発でしたが、メリュジーヌ個体間には年齢差があることから他にもメリュジーヌが生まれるきっかけがあると考えられます

その中でもイレギュラーなメリュジーヌがいてそれがシグウィンとパシーフです。

イレギュラーなメリュジーヌの存在

シグウィン人間の特徴を持つメリュジーヌということができます。

シグウィンにやっぱり注目して欲しいのはです。腰についている「しるし」のようなものも気になります。尻尾も他のメリュジーヌの特徴からはズレます。

メリュジーヌはミトンのような手をしています。


一方、パシーフ龍族(ヴィシャップ)の特徴を持つメリュジーヌです。

パシーフに関しては特にエリニュス島にいるのでルキナの泉ともかなり近いです。

今回の魔像の話を聞いて、異なる種族間であってもルキナの泉を経由すれば純水精霊の子供を授かることができると思いました。

ただ一つ問題があって「龍の愛娘」という話です。普通に考えればエリナスなのですが、上の説明だとエリナスではなくエゲリアとの関係が深いということになります。パシーフも龍族との関係が疑われます。

※エリナスについてはなぜか龍ではなく「海獣」や「巨獣」という表現がなされています。私は飛ばない龍をイメージしていましたが、どうやらテイワットではも龍に含まれるようです。

ではエゲリアと龍の関係とは何か?

エゲリアについて

龍とエゲリアの関係

結論を先に書くとエゲリアはスキュラ封印後の龍族を保護した。また、エゲリアの死はヌヴィレットの誕生につながったというものです。そういう点で彼女は龍と関係があったと考えられます。

原初の海を最初に支配したのが元素の水の龍でした。これが最初の心臓と言われています。この龍はおそらく「龍王」ニーベルンゲン率いる戦いで天理に敗れ、姿を消します。

この心臓の代わりに「統率者」によって置かれた別の心臓エゲリアだったと考えらえれます。エゲリアは純水精霊の母でもあり、慈愛に満ちた聖霊でした。

レムリアの時代となり魔神レムスは自滅してしまい、魔神がいなくなります。そこで、エゲリアは魔神の格を与えられてフォンテーヌ廷を建国したと考えられます。

カッシオドルによるとこのエゲリアが深海に存在し続ける限り新たな水龍は誕生しないということです。つまり、ヌヴィレットの誕生はエゲリアの死、すなわちカーンルイアの災厄と関係があったと考えられます。

話をレムリアに戻すとレムリアは北方の蛮族(純水騎士)と対立していました。一方、龍族はレムリアに臣従していました。「スキュラは蛮族と龍族からなる大軍を率いて」とあるので、滅亡の時点ではフォンテーヌ人と龍族は既に手を組んでいたと考えられます。

ボエティウスは龍族の裏切りに対応して、スキュラを高塔の下に封印しました。

スキュラを失った龍族はこうして取り残されることになります。魔像と新しい集落を築いたとの記述もあります(「静寂の唄」)。

エゲリアは「慈悲の心」「慈愛に満ちた」などと書かれます。これが原罪に繋がってしまうのですが、彼女の愛はスキュラ封印後に残された龍族にも向けられていたと考えられます。

エリニュス島には敵意のないヴィシャップがいるのもかつてエゲリアの保護下にあったからではないでしょうか。

エゲリアの遺言?

もう忘れてしまったかもしれませんがエゲリアにはボイスがついています(cv矢作紗友里)。そして未だに彼女の出番はありません。

カーンルイアの災厄で亡くなった神のうち雷電眞マハールッカデヴァータはそれぞれ自身の記憶を意識空間として残しました。

それならばエゲリアもなにか魔神フォカロルスに対して記憶を残していてもおかしくありません。しかし、フォカロルスはもういません。そうするとフリーナしか受け取る相手がいません。

ヌヴィレットとフリーナどちらの伝説任務が先に来るのかわかりませんが、私はどちらかというとフリーナの伝説任務の方が来そうだと思っています。

フリーナは頑張ったご褒美として重荷を解かれ、普通の人間である道を与えられたはずなのですが、運命やいかに。

おわりに

まとめるとルキナの泉にはまだ秘密があり、それがパシーフやシグウィンの誕生とかかわり合いがあったのではないかということです。

ルキナの泉にはエゲリアの記憶(ないし意志)が残っており、エゲリアの愛は純水精霊やフォンテーヌ人だけでなく、レムリアの遺民(魔像)と龍族にも向けられて、それが他の種族にも影響したのではないでしょうか。

エゲリアの愛については魔神任務において少し違和感があったところです。ここもその一例であったと考えられます。

世界任務「諧律のカンティクル」はまだまだ多くの情報があった任務なのでじっくり消化しながら記事にまとめたいと思っています。

(おわり)

ManQ

原神も3年目となり新しい楽しみ方を探すべくブログを始める。
ストーリーのテキストをじっくり拾って読むのにはまってます。
神話は詳しくないので頑張って調べてます。

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