今回はメリュジーヌに迫る人間の悪意について考えたいと思います。特に、
①壊れた水路の謎
②メリュジーヌはなぜ恨まれるのか?
③アッシェンに対する違和感
について検討します。①②がメインで③はおまけです。
世界任務「古き色合い」「孤帆幽影」などについてのネタバレがあるので注意してください。
メリュジーヌ
今のところ38人(+エリナス)いると思います。
メリュジーヌはエリナスから生まれた種族です。メリュジーヌに言葉を教えたのはおそらくエリナスだと考えられます。彼女たちをフォンテーヌ廷に連れてきたのがヌヴィレットでした。
数百年前、おそらくエリナスの記憶がまだ残っているような時代にメリュジーヌのような正体不明の種族が受け入れられたかどうかについては疑わしいところがあります。
PVのこれはおそらくヌヴィレットの伝説任務の内容だと考えられます。ヌヴィレットがメリュジーヌをフォンテーヌ廷に連れてきたあたりの話だと考えられます。
当時反発されたことは容易に想像できますが、現在はどうなのか?今回も事実を追って確かめてみたいと思います。
壊れた水路の謎
エルファネ:運行中の水路二つと、事故が原因で運休中の一つ以外にも、元々計画途中だった二つの水路があったの。でもこの前またアクシデントが起きて、両方とも廃線になった…。
この二つの計画された水路のうち、一つはルミドゥースハーバーの水路だと考えられます。
ルミドゥースハーバー
これはスチームバード新聞のサー・アーサーが言及しています。ルミドゥースハーバーの水路工事がまもなく開始というニュースがあったのですが、それがデマだということが明らかになります。
ルミドゥースハーバーは任務「とあるフォンテーヌ人の思い出」のラヴレスがスメールに来るまでの使ったルートにあり、フォンテーヌの東部にある場所と考えられます。彼はルミドゥースハーバー→沈玉の谷(翹英荘)→軽策荘→石門のルートを辿りました。
そして、もう一つがメリュシー村(ベリル地区)の水路だと考えられます。
メリュシー村(ベリル地区)
水路の方向を見ればわかるように当初の計画だとメリュシー村方面にも巡水船の水路を作る予定があったようです。しかし、この計画は前述の通り「アクシデント」でなくなりました。
なんかものすごく不自然な壊れ方をしているんですよね。これが「壊れた水路の謎」です。
巡水船にはおそらく審判から生じる「律償混合エネルギー」が使われていると考えられます。そのため、プネウムシアの不安定さは事故の原因とは考えづらい。巡水船に問題がないとすると次は水路に問題があったと考えられます。
ここの水路の放置の仕方がものすごく雑で実際に場所に行ってもらえればわかるのですが、隙間から水が漏れています。苔が生えていることからしばらく時間はたっていそうな感じがします。この謎について手がかりとなりそうなのが水路検修員です。
セントラルポートホールにラミアというマレショーセ・ファントムのエージェントがいます
一応「私服」らしいのですがもう一人のエージェントも似たような恰好をしています。メラというメリュジーヌも帽子をかぶっているのですが、彼女がマレショーセ・ファントムかは不明です。
ラミアは独特の方法で人を観察しているのですが、その視線の先にいる一人がプルニエール(水路検修員)です。彼はラミアが「俺たち」を見張っていると感じています。また、彼は整備員にとって一番怖いものは「見えない亀裂」だとも語っています。
マレショーセ・ファントムであるラミアは水路検修員を調査している。すなわち、この「アクシデント」には事件性があったのではないかと考えられます。事件性があるということはベリル地区に水路が通ることをよしとしない人間、つまり、「悪意」をもった人間がいたのではないかということが問題になります。
なぜメリュジーヌが恨まれるのか?
エリナスによる被害
まず第一に考えられるのがエリナスです。エリナスによってフォンテーヌ廷には多数の死者がもたらされました。エリナス後にベリル地区に現れるようになった正体不明の種族に対しての偏見があったと考えられます。
まさかエリナスから生まれたということは知らなかったでしょうが(メリュジーヌはよくこのことを話しますが)、いずれにせよベリル地区の正体不明の種族に良いイメージはなかったと考えられます。こうした偏見が反発つながったと考えられます。ここをどう克服したかが気になるところです。
それなのにメリュジーヌが受け入れられた理由としてまず考えられるのが人材不足です。特にマレショーセ・ファントムは水仙十字結社との戦いで多数の死者を出し、機能不全に陥ったと考えられます。そこで高い能力をもったメリュジーヌはピッタリであったと考えられます。
この反発が尾を引いていると考えることもできます。しかし、これは数百年前の事実です。数百年経った今これを直接の理由としてメリュジーヌを恨んでいる人がいるとは考えづらいです。もっと身近な理由があると考えられます。そこで考えられるのが雇用の問題です。
雇用不安
警察職員、マレショーセ・ファントムそして巡水船の案内係やメロピデ要塞の看護師長などメリュジーヌは様々な仕事についています。そして、最高審判官直属のマレショーセ・ファントムは彼女たちで占められています。
※執律庭は警察隊員(+警備ロボ)、少数精鋭の特巡隊、最高審判官直属のマレショーセ・ファントムから成ります。マレショーセ・ファントムの構成員は殆どがメリュジーヌ。
悪意のある見方をするとメリュジーヌに仕事が奪われています。メリュジーヌの捜査能力には人は敵いません。かわいい見た目の一方で意図せず強い力を持ってしまっています。
このフォンテーヌの構造は今までの国と比べるとかなりいびつな構造をしています。モンドには騎士団と教会がありますし、璃月は七星(と商会)があります。稲妻は三奉行がいてスメールには教礼院があり賢者がいます。このように権力に近い場所に人間の居場所がきちんと用意されています。
一方、フォンテーヌはというと、水神フリーナがいて、司法のトップはヌヴィレットが担い、警察組織にはメリュジーヌが組み込まれています。そして、人間はというとパレ・メルモニアの共律官がいますが事務仕事に追われています。人間の誇りであったであろう科学院は爆発してしまいました。
つまり、分かりやすく言うとフォンテーヌにはいまのところ偉い人間が見当たりません(メロピデ要塞のリオセスリと決闘代理人のクロリンデくらいか)。
この構図を端的に示しているのがパレ・メルモニアです。左右には共律官が忙しく事務仕事をしています。そして、奥にはメリュジーヌの受付がおり、右の扉の向こうには最高審判官ヌヴィレットがいます。階上には執律庭とマレショーセ・ファントムの部屋があって、最上階にはフリーナ様がいます。
一番発展しているように見えて実は一番いびつな国がフォンテーヌだと個人的には感じています。
ひねくれた言い方をすると「パンとサーカス」(panem et circenses)なのですが、そのサーカスを提供しているのがフリーナであったりします。人々は権力から遠ざかり、豊富な水資源で食料も困らず、娯楽を与えられて「正義」の熱に酔いしれている。「正義」に対する信仰はエネルギーとなり、これがフォンテーヌの発展を下支えする。そんなシステムです。
しかし、パンがいっぱいあるのとそれにありつけるかはどうかは別問題です。仕事につけなかったりして、貧しい人もいます。そして、一部の悪意を持った人間はその批判の矛先をメリュジーヌに向けると考えられます。自分たちが権力や仕事から遠ざかっているのはメリュジーヌのせいだと。つまり、逆恨みですね。
そして、もしメリュシー村に巡水船の水路が通ったら、更にメリュジーヌの流入が加速すると考えられます。普通の人はメリュシー村がどのような村であるのか知らないのでその不安は更に深刻だったと考えられます。
また人間のちっぽけなプライドというのも考えられます。メリュジーヌに拘束され、歌劇のような審判が行われ、そしてメロピデ要塞でもメリュジーヌのお世話になります。当然、悪いことをするのがいけないのですが人間とは何なのかを考えさせられることがあります。
※全ての審判がそういう訳ではありません
このようにかわいいメリュジーヌですが、実は恨まれる(逆恨みされる)原因があると考えられます。
不満を抱えた人は不満を口に出すことすらできません。なぜならカフェにさえメリュジーヌがいるから…。
アッシェンに対する違和感
二種類のメリュジーヌ
エルファネ先輩(左)とアイベル(右)が比較対象としてわかりやすいので画像としました。左のタイプに属するメリュジーヌを以下に挙げます。
エルファネ、ラミア、コスンツァーナ、ベレナータ、ルフィーナとフローとヴィルダ(三姉妹?)、セディル、リュティンヌ、セレーネ(年長のメリュジーヌ)、シャナ、グラシュティ、マメール、トピア、メラ、レウカ。そしてエリナスはメリュジーヌの姿を借りて旅人と出会いました。
メリュジーヌはたくさんいるので覚えるの大変だと思いますが、太字の5人は個人的には特に大事なメリュジーヌだと思うので知っておいて損はないと思います。
この角(?)が丸まってるタイプのメリュジーヌとそれ以外のメリュジーヌは世代が違うと考えられます。だから、エリナスに対する考え方に微妙にズレがあります。
爆発事故を機に生まれたのが第一世代と考えることもできます。トピアの「しるし」は古代の楽器を演奏するためのものですが、見た目は機械のパーツっぽいですよね。マメールの「しるし」はセイモアの大事な部品でした(画像はhoyowikiより)。
カノティラとプーカも「しるし」について触れていたのですがその中身についてはよくわかりませんでした。
※もっとも、「お父様」の声が聞こえるのもマメールだけですし、このような単純な二分では説明できない事柄もやはりあります。カラボスとベレナータ(カラボスの助手)にしても逆じゃないか?と思うところです。
とりあえず便宜上、第一世代と第二世代と分けましたが、ここではメリュジーヌの中でも誕生に時間差があって、新しいグループは古いグループから物語を聞かされて育ったのではないかということを説明したい。
第二世代のメリュジーヌ
任務「弧帆幽影」をやってるときにスポンジアン号はエリナスと戦ったはずなのになぜアッシェンはこんなにはしゃいでるのだろうと疑問に思ったのですが、これで理由が分かったと思います。
この任務で彼女ははエリナスについては不自然なくらい触れません。カチュリアの仙境国土という地図にない地名が出てきました。また「幻夢を行き来する」などという言葉も出てきます。感性の違いということもあるでしょうが、物語を聞かされたため、エリナスについてこのようなイメージを持っていたものと考えられます。
同じように物語としてエリナスの物語を聞いて育ったメリュジーヌにアイベルがいます。
アイベル:遠くに見える山みたいにでっかいのが「エリナス」だよ。私たちメリュジーヌの故郷「メリュシー村」がある場所、小さい頃からあれの物語が大好きだったな――遥か昔、「エリナス」がフォンテーヌに来て、人々にこう尋ねたんだって――「ワタシにできることはあるか?」ちょうど当時、体が小さく手も短いメリュジーヌは、ヒトのように家を建てられなくて悲しんでた…それでヒトは口々に、「メリュジーヌたちの家になってあげてください」と言った。そして「エリナス」はそこに横たわり…あっという間に数百年が過ぎた…やっぱり、フォンテーヌの人たちも「エリナス」も、本当に優しいよね…
つまり、エリナスに関してこのような解釈をしているのは物語を聞いて育ったからではないかというのがここの結論です(そもそもメリュジーヌは感性が違うからエリナスの行為の善悪など考えないというのも一つの考えです)。
こうした物語はメリュジーヌが言語を習得するのにも使われたと考えられます。メリュジーヌがどのようにして話せるようになったか明言はないのですがおそらくエリナスが教えたと考えられます(あるいはヌヴィレットかもしれません)。人が子供に絵本を読んであげるように、年長のメリュジーヌが小さいメリュジーヌに読んであげていたんだと思います。
ただし、ここで一つ問題があります。「幽霊船」の存在です。物語はあくまで物語ですが、「真眼薬」を飲んだ後、旅人は実際に幽霊船を見ることができるようになりました。そうするとこの現象を別に説明する必要が出て来るのですが、さっぱりわかりません。地脈ならぬ水脈現象でもあるのでしょうか。
おわりに
まとめると、水路の破損には事件性があって、それはメリュジーヌに対する悪意を持った人間の犯行ではないかということです。
フォンテーヌでメリュジーヌはどのように受容されてきたのか気になるところですね。ベタなのはフォンテーヌ人のピンチをメリュジーヌが救ったとかですが。話しかければわかりますが、全く悪意のない種族ではあるので、偏見さえなければうまく付き合えるようになると思います。
PVのメリュジーヌ(?)のボイス楽しみですね
予言に関する記事を書いていたのですが、どう頑張っても間に合わないのでブラッシュアップしつつ、4.1の更新を消化してから更新します。更新前にもう一つ純水精霊に関する記事を上げたいので明日のお昼ころには上げると思います。
(おわり)
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