予言は結局何だったのか?ほか(魔神任務4章5幕)

原神

4章5幕を振り返りつつ、疑問点を列挙します。ネタバレしか書いていません予言と天理の関係などを検討したいと思います。

半分くらい感想記事です。魔神任務4章5幕を楽しむという観点から色々なテキストを拾っています。ヌヴィレットの伝説任務、キャラクターストーリー、PVなどの話が入っています。ちょっとだけルネとジェイコブのセリフにも触れます。

※予言と天理の話を修正する予定

予言

リネ:フォンテーヌ人はみな、生まれた時から「罪」を抱えている。正義の国フォンテーヌがどれほど審判を行おうと、それが消えることはない。フォンテーヌの海面が上昇し、罪を背負いし人々が海水に呑み込まれるまで……人々はみな海の中に溶け、水神は自らの神座で涙を流す…そうして初めてフォンテーヌ人の罪は洗い流される——

これは先代の水神が死に際に残した言葉を元にしていると噂されていました。

死んだエゲリアというと甘露花海の一部となっています。その意識は万種母樹の「神の意識」だと考えられます(任務「善悪のクヴァレナ」)。

この予言ですが、万種母樹に巡礼した純水精霊が広めたのかと思っていたのですが、魔神任務を終えたあと考え直すと広めたのはフリーナだと考えられます。これについては後述します。

予言の全貌

召使に教えられたブロー地区にある遺跡で発見された3つの石板とフレミネが発見した石板で予言の全貌が明らかになりました。

これは滅ぶべき国である。過去から、その未来の歴史を記そう」

1枚目。エゲリアは自分の眷属の「陸上で暮らしたい」という願望を聞いたが、彼女は人を創造できるような力は持ち合わせていなかった。そこで「原始胎海の力を盗む」ことで、純水精霊を人の形にし、血管を使って原始胎海の水を体内に包み込んで、疑似的な人類を作り出した。それがフォンテーヌ人の起源。

原始胎海の水に触れると体内の原始胎海の水がその束縛を逃れて、胎海に帰還してしまい、純水精霊にの姿に戻ってしまう。それがフォンテーヌ人が原始胎海の水に溶けてしまう理由でした。

2枚目。空に浮かぶ島に向かって跪き、彼女が罪を認める図です。そして、空に浮かぶ島は怒っている様子が描かれています。

3枚目。絵の中の水はフォンテーヌの「正義と審判」を表しており、フリーナが審判を受けることを示していた。審判をすることで知らずのうちに予言を実現していました。そして4枚目が1幕に出てきたあの場面です。

魔女Nは予言に描かれていることは必ず起こると言いましたが、一方で神の視線の死角で起きている可能性についてヒントを与えます。そこで行動していたのが魔神フォカロルスでした。

予言を回避する方法

その予言を回避する方法というのが「天理」を欺くことでした。

フォカロルスは「人」と「神格」を分離して前者にフリーナという名前を付けた。フリーナは予言が実現したように見せかけるために「神」を演じることになります。

そして、フリーナが民から信仰を集めつつ、フォカロルスは神の心と一体になって諭旨裁定カーディナルのエネルギーを蓄積します。

そのエネルギーの使い道が「水神」の死刑でした。それは神座を破壊し「古龍の大権」を返すことを意味しています。古龍の大権とは天理が盗んだものであり「水元素を掌握するための絶対的な力」でした。

原初の海の支配者となったヌヴィレットは「生命の神」ともいえる存在となり、その権能によりフォンテーヌ人を真の人類にしました

ヌヴィレットは「古龍の大権」を取り戻したことによって呑星の鯨から原始胎海の水を剥離する力を手に入れて、それで予言の危機を乗り越えました。

「人類の敵」である龍

ヌヴィレットがフォンテーヌに来たのはフォカロルスに招待されたからでした。「異類」であるヌヴィレットは最高審判官という地位について人類を理解するようになります。これもフォカロルスの計画通りでした。「古龍の大権」を返したとしても龍の理解を得られなければ予言が回避できないからです。

「なら、答えを探してみてはどうだい?」(【原神】エピソード ヌヴィレット「水面下の瞳」)
(潮汐の章-旧事新説)

メリュジーヌのために人間の権利を保障しているという建前ですが、フォカロルスのおかげで人類は水の龍王を味方につけることができました。

疑問点など

以下、疑問点を整理したいと思います。

神と神座(かむくら)の関係

気になるのはは神座と神の命(神格)が結びついているところです。神座だけ壊すことができるのならそうすればよかったのですから。

そうすると非プレイヤー側の旅人の目的は神を殺すことでもあると考えられます。

今まで神それ自体は代替可能であって大事なのは神の心や神像なのではないかと考えてきましたが、神それ自体も重要な存在だったようです。

不死の呪い

神(俗世の七執政)が不死の呪いをかける能力を持っているというけっこう衝撃的な事実が明らかになりました。これは純粋なカーンルイア人にかけられた呪いと同じ効果を持つものです。

(3章6幕)

しかも不死の呪いは神格と結びついていて神座を下せば、すなわち、俗世の七執政を神座ごと破壊すれば不死の呪いから解放される可能性があります

「カリベルト」においてコロタール・アルベリヒ(エデ)が不死の呪いから解放されていた理由がまだ明らかになっていません。今回の話で神座の破壊というのが呪いから逃れる方法の一つであるとわかりました。

「運命の織機」によってアビス教団が新しい魔神を創ってやろうとしていたことの輪郭が見えてきたように感じます。ただそれにはフォンテーヌ人が何万年も使えるほどのエネルギーが必要とのことでした。

「呪い」とは言っているものの、見方を変えればカーンルイア人の命を繋ぎ留めるための行為だったとも考えらえます。神に背いた人々の国の運命がどうして神座と結びついているのかについてはこれから語られることでしょう。

罪と赦し

エゲリアの行為を分解すると、①原始胎海の力を盗んだことと②「人間」を創ったことに分かれます。天空の島が怒ったのは②についてと考えられます。

なぜなら、エゲリアは「胎海の心臓」と呼ばれる存在であってその身体は「原初の水」からできていました。そのため原始胎海の力を使うこと自体は問題がないと考えられます。しかし、人間を創る行為は越権行為と捉えられます。

そして「古龍の大権」を取り戻したヌヴィレットは原始胎海の主として①の罪を赦しました。これは天理が犯した罪で、フォンテーヌ人が原罪として背負っていたものでした。

予言と天理との関係

天空の島とは何を指しているか?

ヌヴィレットは「俗世の七執政としての水神は、人を創造できるほどの権能はなかった」と言っています。また、水神の人を創造する行為は天理の許可を得たものではなかったと言っています。そうするとここでいう天空の島は天理のことを指していると考えられます。

このあたりの時系列を推測するとたぶんこんな感じだと思います。

元々の心臓(原初の水の龍)が取り除かれる→天空の使者である「統率者」による別の心臓(エゲリア?)の創造→パネースと天理の決戦→魔神戦争(?)→エゲリアが俗世の七執政に任命され「使命」を受ける→「原始胎海の力」を盗んで純水精霊を人間にする→天の怒り

2024/06/15修正
元々の心臓(原初の水の龍)が取り除かれる→天空の使者である「統率者」による別の心臓(エゲリア?)の創造→パネースと天理の決戦→「原始胎海の力」を盗んで純水精霊を人間にする→天の怒りによって深海に幽閉される→レムリア王国の衰亡→エゲリアが俗世の七執政に任命される

原始胎海は天理が掌握していたので「盗む」という表現が使われているのだと考えられます。元々エゲリアは「胎海の心臓」ですから原始胎海の力を使う能力はあったと考えられます。

※そうすると魔神戦争末期(2000年くらい前)以降にフォンテーヌ人が誕生したことになりそれほどの歴史しかないのか?という疑問が生じます。そもそも俗世の七執政に任命されるということは導くべき人間がいると考えられます。「レムリア衰亡史」には、レムリア崩壊後に「女王」が諸部族の争いを収めて建国したとあるのですが、そこにも人は出てきますし、レムリアにも「人」に関する記録があります。一方で、エゲリアがそれ以前に導いていたと考えられる水国はおそらく純水精霊の国でしょうかそれを考えるとフォンテーヌ建国以後に原住民とは別にフォンテーヌ人(純水精霊)が誕生したというのも考えられます。

天理と俗世の七執政

エゲリアが俗世の七執政として認められていたということは、天理からフォンテーヌ人を導くことを任されていたということを意味します。つまり天理はフォンテーヌ人の存在自体は認めていたと考えられます。本当に罰するつもりならそもそもエゲリアを俗世の七執政から解任しています。

以上から、予言の存在と天理は無関係と考えられます(天理が罰として予言を与えたという訳ではない)。

神座を壊すと天理の干渉を受けるのではないかと考えられますが、上述のように少なくともフォンテーヌ人に危害を加えるようなことはしないと考えられます。また、天理が沈黙を続けているということも干渉してこない理由と考えられます。

予言者の影

予言を残すのは「予言者」です。テイワットの予言を残した人物というとまず花神が候補に挙がります。彼女はおそらく予知夢の能力を有していたと考えられます。しかし、フォンテーヌでは花神に関わる話は出て来ていません。

ニコは「予言者のように人々に真相を暗示する」と言われているようにどちらかというと案内人のイメージを感じます。

名前だけですが「予言者」ヴェズルフェルニル(Vedrfolnir)という人物が出てきました。わざわざ予言者といっているくらいですから何らかの関係があると思います。

フォカロルスが魔神となった経緯に関する推測

眷属である純水精霊ならエゲリアの死に際に近くにいた可能性が高く、噂を広めたのは純水精霊だと思っていました。しかし、どうやらフォカロルスはエゲリアの口から予言を聞いたようです。死に際に近くにいた純水精霊とは人間の姿をした純水精霊の一人、すなわち、フォカロルスだった可能性があります。

※ここを「フォカロルス」と呼ぶのは正しくありませんが、いちいち「魔神フォカロルスの前身」というのも違和感があるのでフォカロルスと呼びます

当時のフォンテーヌにおけるエゲリアの眷属には二種類の純水精霊がいたと考えられます。ローデシアのように純水精霊の姿を保っているもの、そして、フォカロルスのように人間の姿を受けたものです。エゲリアが後継者に選んだのは後者でした。

これがほかの純水精霊がフォカロルスを助けなかった理由ではないかと考えられます。ローデシアが水神は無理そうというのはなんとなくわかりますが、人間の姿をしている純水精霊の方が「人類を導く」という俗世の七執政の役割に合っていたと考えられます。

この際に予言と一緒に神格(魔神の格?)をエゲリアから譲り受けたと考えられます。

エゲリアから予言を伝えられたフォカロルスは自らの「人」の部分を分離してそれにフリーナと名付け、予言について話します。フリーナは神を演じつつ、予言について人を使って調べていきます。この過程でフォンテーヌ中に予言が広まってしまったのではないかと考えられます。

「不休のソリスト」

魔神任務が終わったらこのあたりのテキストも読み返したい。審判の場面を彷彿させるテキストです。

疑問の声が熱湯のように湧き上がる中、彼女はやむを得ず、より強硬な態度で声を上げ、反論しなければならなくなった。
それと同時に、今ある責務に集中する一方、感情の揺れによってボロが出ることも防がなければならなかった。
古の予言に記された災いが徐々に迫ってくる。こんな時、神としてどのような対策を講じるべきなのか、彼女は誰よりも知りたがっている。
傍から見た彼女は憔悴しきっており、上の空だ。だが、人々にそう指摘されても彼女は寝不足だと言い張るのみ。皆に敬愛される女王が、そんな小さな雑音に耳を傾けるわけがないだろう?
そう、現状がどれほど混乱し、切迫していようと、慌てふためき長年の努力を無駄にするわけにはいかないのだ。
皆に愛される、この歌劇場でたった一人のスターは…
孤独であっても、無力であっても、苦しくても、悲しくても、たとえこの世すべての苦難を一身に背負っても…
フォンテーヌのみんなを守りたいという想いは、一度たりとも変わっていない。

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「喜怒哀楽の感情を持つ彼女は、思い上がりたい時は思い上がって、逃げたい時は逃げる…彼女は完璧じゃないからこそ、僕にとって最も完璧な存在なんだ」
——罪人の愛と謝意に満ちた告白

ここの「罪人」とはフォカロルスのことでした。


「現実で我々は——必ず凋落する花を、避けられない雨を、沈んで久しい船を数多く見てきた…」
「けど、その無力さを除いて、誰かがこれを信じるべきだと思う——」
「少なくとも劇中では、人は運命を支配できるのだから。」

なんでフォンテーヌ人溺れてないの?

あの場面に出て来てない人物がいます。水のスペシャリストのメリュジーヌです。被害が少なかったのはファデュイの救助メリュジーヌによる救助も一因だと思います。そして、マジックポケットも役に立ったようです。

NPCのセリフも結構変わっているのでもう一回話しかけに行くと新しい発見があります。

モナの師匠の年齢に関する問題

イヴァノヴナへの手紙にはレインドット、アンデシュドッテル、アリスとニコには言及があるのになぜかおばばについては言及がなかった。それでおばばは世代が違うのではと考えました。

スカークについて

「地上に戻ったことがなく」とあるようにおそらく降臨者ではなくテイワットの人間だったと考えられます。たぶん幼いころにタルタリヤのように深淵に落ちてしまった人ではないでしょうか。

神の心

今回一番重要だと思ったのが「第三降臨者」の遺骨という部分です。

「神の心」とは、①天空の島と繋がっている神の魔力器官で、②元素に対する極めて高い適応力を持ち、③元素力を増幅することさえできる。

②は特に神の目を用いずに元素力を操れる旅人の特徴と一致します。

「正機の神」がなんで五元素(雷・氷・水・風・炎)を使えるのか長く謎だったのですが、もしかしたら邪眼の元素力を神の心で増幅してたのかもしれませんね。

ルキナの泉の声

(4章5幕-黒潮と白露の歌劇-劇の終幕を見る)

「見届ける者」

新しいキーワード?が出てきたのでここでシェアしたい。いままで色々な言い方してきたのですが固まったのでしょうか。  ⇒間章2幕でも出ていました。鍾離が初出?(調査中)

(4章5幕-黒潮と白露の歌劇)

ちなみにヌヴィレットの「天父が統べるべきだった国は、今やが王座に就いている」ということはジェイコブも同じことを言ってました。

おわりに

「呪い」「予言」「神の心」に関する話が特に重要だと思いました。

表現力にも磨きがかかっていますしいい魔神任務だと思いました。自分で気づいた範囲だけまとめましたがまだ気づいていないことも多くあると思います。読み応えのあるストーリーでした。

今回のシナリオまだまだ面白いところがあるのでしばらく色々な記事を書きたいと思います。

(おわり)

ManQ

原神も3年目となり新しい楽しみ方を探すべくブログを始める。
ストーリーのテキストをじっくり拾って読むのにはまってます。
神話は詳しくないので頑張って調べてます。

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