この記事の目的は魔女会についての情報を整理すること。主に、アリス、レインドット、アンデシュドッテル、ニコ、そして8人目の魔女について取り扱います。
魔神任務、伝説任務、世界任務、キャラスト、書籍類の内容など幅広く含んでいるのでネタバレに注意してください。
<…>は引用部分なので読み飛ばして大丈夫です。
魔女会(Hexenzirkel)
今回驚いたのが今までテイワットにいたミステリアスな女性を一つのカテゴリーでくくったことです。HexenzirkelはHexeとZirkelの複合語です。複合語とはバウムクーヘンBaumkuchenのように、二つの語(木BaumとケーキKuchen)を合わせて単語を作ることを言います。Hexeは魔女、Zirkelは英語で言うとcircleです。つまり、witch circle。ちなみに、ぎっくり腰のことをドイツ語でHexenschußといいます。魔女の一撃、ものすごくわかりやすい。
古いランプからの突然の連絡に、たとえ「諸世界の大冒険者」、「悪い悪い大魔王」、「旧モンドの守護者」、「希望を抱く大きい友達のお友達」、「『テイワット観光ガイド』の著者」、「鯨井流手まりの宗家」、「かの有名なサングマハベイ様のサプライヤー」、「魔女会古参・コードA」、「世界一かわいいクレーのママ」——アリスさんであっても少し戸惑うことになった。
幸いなことに、事故は起こらなかった。ただ、とある大人になった少女が、青春時代を共に過ごした仲間を思い出しただけである…
魔女会・コードA「アリス」
魔女会・コードR「レインドット」
魔女会・コードB「バーべロス」
魔女会・コードJ「I・イヴァノヴナ・N」
魔女会・コードM「アンデシュドッテル」
魔女会・コードN「ニコ」
A,R,B,J,N,Mとあと2文字で単語を作れるかというと…。Jが入っているのでラテン語ではなさそう。ありそうなのはドイツ語ですがちょっと思いつきません。
ちなみに中国の方はA、J、R、M、Bの順で紹介されておりムービーのボイスの順番になっています。
コードMはアンデシュドッテル(Andersdotter)がコードAと被るので別に取ったのでしょう。たぶんメルヘン(Märchen)とかじゃないでしょうか。コードJについては完全に謎。そもそも、別の古参メンバーがいてそのコードを継承した可能性も否定できません。
アリス(Alice)
「嘘をつかない人」
今回は紹介文があるのでそれに沿って検討したいと思います。
「あらゆる神秘学の知識を知り尽くす天才」(モナ)との評判。
①「諸世界の大冒険者」
Realmsですから、いわゆるテイワットの俗世の国々を指していると考えられます。文字通り、テイワットの大冒険者。
②「悪い悪い大魔王」(Dodo-King)
ver1.6の思い出。
③「旧モンドの守護者」
旧モンドとは今の風龍廃墟のことを指します。デカラビアンが支配していた頃です。
このことから2600年以上前から生きていたことになる。『日月前事』に「有栖」の記述があるのでもしかしたら2000年以上前から生きているのではということになりましたが、どうやら2600年以上前にさかのぼるようです。
※この点について、『日月前事』において英語では「…Eris-Arisu」という表記になっているのですが、原文は「…丝-有栖」となっており、アリスが「艾莉丝」なので同一人物であると私は考えています。
『テイワット観光ガイド・モンド編』に風龍廃墟の記述がありますが書籍等々からわかる以上の情報は書かれていません。
明冠峡谷の先に行くと、この巨大な古城遺跡に辿り着く。ここは孤高なる烈風の王・デカラビアンが建造した城だ。古城全体が環状になっていて、その内側と外側の間にスペースが空いている。そこは民一人ひとりのために用意されたスペースのようだ。古城の中心部には高い塔が立っており、そこが烈風の王の宮殿となっている。
人民のために生活の基盤を作ろうとした冷酷非情な君王、この壮大な遺跡に辿り着いた者はまだいない。
今後、ここに来た人がもっと簡単に塔を登れるよう、いくつか長い回廊を爆発させておこう。うん、なかなかの効果だ、より古い遺跡っぽくなったね。
※記事を書いてる時に今のモンドのことを「旧モンド」と言っている公式動画を見つけたのですが、旧貴族時代をそういう風に表現することもあるのかよくわかりません。
④「希望を抱く大きい友達のお友達」
これが一番謎。英語はFriend of Adults Who Yet Harbor Hope、原文は「心怀希望的大朋友们的朋友」となっています。
⑤「『テイワット観光ガイド』の著者」
アリスは錬金術を使って謎の薬を作っている。世界を旅してるとアリスさんの被害者がいるので面白い。彼については、『璃月編』で出てきます。
錬金術と医学は結構縁があります。エリクサー(エリクシャー)の類はゲームで聞いたことあるでしょうし、パラケルススの名前もきいたことがあると思います。
アリスの破天荒な性格がわかる面白い書籍なので未読の人はぜひ読んでほしい。スメール編はないのだろうか。
⑥「鯨井流手毬の宗家」
稲妻各地にいる鯨井坊や。名前は出していませんがどう考えてもアリス。
⑦「かの有名なサングマハベイ様のサプライヤー」
ドリー・サングマハベイの闇の人脈の一人。キャラストでも話がある珍しい例。
⑧「魔女会古参・コードA」
⑨「世界一かわいいクレーのママ」
レインドット(Rhaindottir)
「存在しない花」
カーンルイアを語るうえで避けては通れない重要人物。なんとここで初めて声がつく。
彼女については前の記事で何度も触れているのですが、二つの側面があってどういう人間なのか未だに理解できない部分が多い謎の女性です。①アルベドの師匠、アリスの旧友、②「罪人」の側面です。
アルベドの師匠、アリスの旧友
アルベドの話だと、レインドットは家族といえるような人間で、物心がついたころから、一緒に探検をし、錬金術の知識も全て彼女が教えてくれた。「できなければ見捨てる」と時には師匠として厳しい面を見せた。
「罪人」レインドット
カーンルイアが破滅した時代、ある罪人が無数の魔獣を作り出した。それらにはこの世とは相容れない黒い血が流れており、この大陸の生き物を踏みつけ、あらゆるものを破壊する。その命は変質的で、世界外の力によって与えられたものである。しいていえば、モンドを襲った「ドゥリン」も同じ類である。(漆黒の隕鉄の塊)
罪人の造物は遺恨を残して空から落ちてきた。(天空の脊)
ほか多数の記述があります
そして、「黄金」が作り出した造物がウルブズ(獣域ウェルプ・獣域ハウンド)でした。「黄金」は自身の作品を「溶脱層」のハウンド、「腐蝕層」のドゥリン、そして最高傑作の「白亜層」の三つに分類したようです。
ドゥリンに関しては記述がめちゃくちゃです、ある時は海から這い出て来た大蛇(『森の風』)、一本角の白馬(「シナバースピンドル」)なんて書いてあったりします。ただほかでは龍と書いてあるのでとりあえずここでは「龍」とします。
以下は「腐植の剣」のテキストです。
それは遥か昔のこと…
誕生することを許されない生命、満たすことができない願い、
暗い宇宙を彷徨う、悲しき夢、
私の体を借り、「現世」に降臨しなさい。
そして、私のかわいい子供たち、
雨水が小川に流れ、植物が太陽に伸びるのと同じように、
美しい場所に行き、自分の美しさを満遍なく放ちなさい。
これは、ドゥリンと呼ばれる子供の、「母親」に関する記憶…
「お母さん、ありがとう」
「空を飛ぶ翼と、丈夫な体、全部お母さんがくれたもの」
「僕は、美しい歌声がある場所に行きたい」
「皆のことや、お母さんのこと」
「僕の生まれたところが、どんなに美しいか。全部、彼らに伝えたい」
これがドゥリンが出発する時の内心です。その後、消えゆくときの内心が「ドラゴンスピア」に描かれています。
アルベドが「黄金」レインドットという呼び方をしたことがあり、そのため、「黄金」=レインドットと考えられています。「風花祭」においてアリスも「黄金」レインドットと呼んでいました。
500年の災厄以後の活動がそれ以前の活動に比べて大人しく見えるのは、災厄への加担は自分の意志によるものではなかったからなどが考えられます。呪いの影響もあったのかもしれない。
あるいは、出会い、例えばアリスとの出会いが彼女に転機をもたらしたことも考えられます。アルベドの存在も大きかったでしょう(母になった)。アルベドがいつ誕生したのかについても謎ですが、ドゥリンを兄としているのでそれより後なのは確実です。
アンデシュドッテル(Andersdotter)
「永遠に終わらない伝説」
アンデシュドッテルなんていかにもドイツ語風の名前。Dotterはあまなずなという意味があるそうです。あまり名前にはヒントがなさそう。
3章間章を踏まえた上での童話の再解釈があるのか?という疑問があります。今回とり上げる本は、『イノシシプリンセス』、『白の姫と六人の小人』、『犬と二分の一』、『蒲公英の海の狐』、『少女ヴィーラの憂鬱』、『ドドコの物語』。作者が不詳であったりちょっと気になったりする作品を選びました。よくわからない部分は補充的に原文ないし英訳を参照しています。
童話を読み直す必要があるのか?
3章間章の難しいところです。世界樹の改変を受けない形で物語を保存したという理屈はわかりますが、なぜ、鍵をかけて謎題でくるんで夢の奥深くに隠していただけで世界樹の改変を免れることができたのかについてはよくわかりません。夢の奥深くというのが集合的無意識のようなものでそこにしまっておいたということなのでしょうか。
このような形で残された物語が他にもある可能性がありますが、前提となる話を知っていないと、読み解くことはできません。もっとも、これからの参考になる可能性はあるので以下、気になったモンドの本を読み直していこうと思います。
童話『イノシシプリンセス』
今のモンド城がある場所が開拓される前の時代の森を舞台に、森のイノシシ王国の姫(イノシシプリンセス)が、北の氷原の一人ぼっちの子オオカミと仲良くなる話。子オオカミは、邪悪なリス「ウーバークァ」(ウバカ)を食べたときに、呪い(氷柱が心に突き刺さった)をかけられ、悪口しか言えなくなったため孤立して、やむなく氷原へと向かった。
この話を聞いた姫は子オオカミのことをかわいそうに思い、知恵のキツネと長生きの亀を連れて呪いを解きに行きます。彼らは「真心と炎だけが毒悪の氷柱を解かせる」「犠牲の上に友情は成り立つ」というアドバイスをしました。
氷原で出会った子オオカミは飢えていた。そこで、姫は彼のお腹を満たすために「犠牲」を払うことにした…。
アリスさんはアンデシュドッテルの物語は「悲しみ」とは何なのかを教えてくれたと言っていますがたしかに悲しい物語ではあります。
童話『白の姫と六人の小人』
これがそこそこ重要な本なのは、リサの伝説任務で、一般エリアの本であるにもかかわらずアビスが盗んだからです。
見た感じ「白雪姫」な感じのする話です。現在1巻までしか実装されておらず、その内容については不明な部分が多い。見出しだけでなんとなく話の流れはわかります。
テイワット各地に古くから伝わってきた童話。夜の国と月光の森を語るシリーズの1冊目。
昔々、遥か遠い夜ノ国、夜母は全ての臣民を統治していた。夜ノ国は死んだように静寂な土地であった。そこの大地は光を浴びられず、植物もない。暗闇に潜む醜い造物以外、生き物は夜ノ国に存在しなかった。
夜母は全ての罪悪の根源で、そして夜ノ国はまさしく夜母から流出した汚水のようであった。冷酷非情の夜母は口も心もなかったが、常に目を大きく見開き、夜ノ国を観察し、そして前触れもなく兆しのない残忍な懲戒を下す。彼女が唯一許さないのは重なった雲から漏れてきた月の光である。よそから来た、重なった黒壁を突き抜けた光が憎いから。
月光の森が唯一、夜母の統治から逃れた国であった。ここでだけ、人々は皎潔な月光が見られ、月光が生き物にもたらした恵みを感じられるという。月光の森王国の人は肌が白く、淡色の髪と薄青色の瞳を持つ。太陽の光を浴びられずにいたことが原因なのかもしれない。しかし、月光の潤いによって、彼らは森の外の醜い造物とは全く違う。
その後の巻についてはあらすじだけ明らかになってます。
白の姫と光の王子の出会い(第2巻)、白の姫と光の王子が月光の森を救う話(第3巻)、六人の小人との遭遇(第4巻)、六人の小人の陰謀(第5巻)、六人の小人の卑怯な計画(第6巻)、全ての終わりと夜ノ母の予言(第7巻)
仮にこれに「秘密」があるのだとすれば、次のように解釈することもできます。
「夜の国」=地上の国々。もっというとフィンドニールといった古代文明の継承者たちの国
「夜母」=天理
「残忍な懲戒」=不死の呪い、荒野の呪い、釘など
「重なった雲から漏れてきた月の光」=降臨者?
「月光の森王国」=カーンルイア(又は白夜国)
「月光の森王国の人は肌が白く、淡色の髪と薄青色の瞳を持つ」
例えば肌の色が白いというのは白夜国で触れられています。灰色がかった青っぽい眼をもつのはメラニン色素が少ない太陽光の乏しい地域の特色です。ここでは、地下の国の人々、すなわちカーンルイア人(又は白夜国の人々)。コロタールも青っぽい眼をしています。ダインも碧眼でいいと思います(創作の碧眼は広い)。
ver1.0実装時はカーンルイアの歴史は隠されていたのでこれは「秘密」と言い得るものでした。これが明らかになるのは1章4幕「俺たちはいずれ再会する」においてです。しかし、今となっては特に目新しい点はないと思います。そのためそこそこ重要であると書きました。今後は2巻以降が重要になってくると考えられます。
そうすると「六人の小人」というのが気になってきます。小人というと『ニーベルンゲンの歌』に出てくるAlberichが思い出されます。コロタール・アルベリヒ、ガイア・アルベリヒ以外のアルベリヒさんが出てくるかもしれません。
白の姫と光の王子もなんか旅人を連想させるようなものですが、空くんのアカウントを持ってないのでちょっと確認できませんでした。
シャール・フィンドニール、層岩巨淵の逆さ都市、鶴観の古代文明、白夜国、そしてカーンルイアはいずれも共通の文字を使っていました(アビスも同じ文字を使っている)。砂漠の巨人の文明は完全に砂に埋もれてしまっているのでなんとも言えませんが、この文明も関係があると考えられます。距離が離れているのに同じ文字を用いているということ、これらの文明が共通のルーツを持つことを示唆しています。それが天理以前に地上と地下に広がった古代文明だと考えられます。この、秘境・深境螺旋をつくった文明は未だに謎に包まれています。
『犬と二分の一』(”Hex & Hound”)
Hexは英語の魔女(独・Hexe)、hagと同じ意味。ちなみにおばばのことをthe old hagと言ってます。これに関しては、原文が『犬又二分之一』なので日本語の方が近い。なぜここでタイトルに突っ込んでいるかというと『犬と二分の一』の意味がよく分からなかったからです。
モンドの旧貴族の時代を舞台とする小説。貴族のディートリッヒ・ローレンス、双子の魔女・姉のノットフリガ(ノッティ)と妹のマダリーネ。ローレンスの悪い坊ちゃんが「金髪碧眼の少女」(ノッティ)を見初めて、ちょっかいを出して犬にされてしまうというお話。
黒魔法を使う姉ノットフリガと光魔法を使う妹マダリーネ
10巻がなかなか興味深い内容でした。
生きたまま束縛から解き放たれた人は、この世にいないだろう。
昔々、ある魔女が双子の娘を生んだ。
魔女の家系は同時に二人の後継を残せない。これは強い魔力を得るための代償だ。
だがこの魔女は黒魔法を極めた。自分の生命力を生贄に、二人の子供を守った。
しかし、魔女の生命力が尽きた時、別れが訪れた。
魔女は永遠に解放されたが、生き残った姉のノットフリガがすべてを背負うことになった。妹のマダリーネが生きられなかったのは自分のせいだと思った。
ノットフリガは魔女の黒魔術の才能を継承していた。彼女は自身を入れ物として、複雑な魔法陣や難解な呪文を用いて、マダリーネの魂を抽出した。
そして、高塔に残された魔女の書簡をすべて読んで、黒魔法と錬金術を駆使して体を作り出した。けれど魂を新しい体にいれて復活させるのは、光魔法の禁術の中でも難しい部類に入る。ましてやノットフリガは光魔法について何も知らない。
ノットフリガがマダリーネに対する執着が実を結び、ついに解決法を見つけた。彼女は作った体を蛇の腕輪に変形させ、冒険の旅に出た。
「私のかわいい妹、これが終わったら、私たちはずっと一緒にいられる……」
ここで面白いのは黒魔術を駆使して、自分自身を入れ物としてマダリーネの魂を抽出し、黒魔法と錬金術を駆使して体を作り出したが、魂を体に入れて復活させるには、光魔法が必要だとされている点です。
11巻もあるのですが何やら中途半端に感じる終わり方をしています。
以上が特に怪しい三冊。特に、『犬と二分の一』なんて魔女が出てくるからなおさら怪しい。表紙のバラにもなにか意味があるのかもしれません。
『蒲公英の海の狐』
「蒲公英が舞う無限の荒野」(燼寂海)を舞台にした童話。狩人(先生)がある日、霧氷花で身動きが取れなくなった狐を助け、燼寂海にたどり着く。その狐の子に人間の言葉を教え、その代わりに狩人が狐の術を教えてもらうという話。
「ここは狐しか知らない場所。蒲公英の故郷です」
「どうかここに残って、私の子供に人間の言葉を教えてください……」
「お礼に、狐の術をお教えします」
(『蒲公英の海の狐』・第五巻)
『少女ヴィーラの憂鬱』
謎のSF?小説。舞台がデルポイ(デルフォイ)という白夜国ネームなのも目を引くところです。デルポイに住む少女ヴィーラはある日、戸棚の影から飛び出してきたメガネをかけた黒髪の少年エークと出会います。彼は1000年生きており、宇宙のどこにでも繋がってるドアを使い、大マゼラン星雲の旧支配者から逃げようとしていたところ、ヴィーラのリビングと繋がってしまった。ヴィーラはエークの誘いに乗り壮大な冒険を始めた…。
ヴィーラに恋する友人のサッチ、エークと結婚することを目論むアンドロ・バジリスク姫(「姫」)も冒険に加わる。エークの従者である魔神の戦争に巻き込まれたりしながら「子供時代」を終え、成長する物語です。数ある書籍のなかでもなかなか異色。戦乙女Valkyrieという単語も出てきます。
『ドドコの物語』
クレーのお友達(バッグについてるぬいぐるみ)の来歴について書かれた本。おそらく作者はアリスなのではないかと思われる。ver1.6の配布武器なので読んだ人はもう少ないかも。これを下敷きにしてクレーは『出発!ドドコ』という本を書きました(ver2.6「容彩祭」)。「ドドコ」とは一体なんなのかというのがわかる作品。
「金リンゴ群島」で長いこと生活してると、ドドコはお互いが誰なのか分からなくなるんだって——だって、みんな見た目が同じ「ドドコ」だから!区別なんてつかないでしょ?
炎みたいに赤い四つ葉のクローバーにだけ、「ドドコ」が何なのか彼らに分からせることができるんだ。そうすれば、お互いに見分けがついて、自由気ままに仲間たちと遊べるね!
——少なくとも、なんでもできるママはそう言ってたよ。
こうして、何が「ドドコ」なのかを理解するために、彼らはそばにいる友達から離れて、遠くに行くことを選ぶんだ。そこで友達を作って、彼らの「ドドコ」、つまり「最高の友達!」になるの!
(中略)
この貴重な本はね、世界で一番自由なママから世界で一番運のいい娘へのプレゼントなんだ。ここには、ドドコが彼女と出会う前に経験した無数の冒険が描かれてる。それと、彼女と出会った後に経験した火花と宝物と仲間たちに満ちた大いなる冒険も!
他にも『異世界旅行記』なんかもありますが情報が少ないので取り上げません。『風、勇気と翼』は、アンバーが旅人に間違って渡した寓話。あとは『フィッシュル皇女物語』もありますがこれは大事な本なので別の機会に検討したいと思います。
ニコ(Nicole)
「絶対に迷わない道案内人」
3章幕間においても旅人の前に出てこなかったし、ムービーでも出てきませんでした。普段から人前に出ないような人なのでしょう。
3章間章の謎の声
「どうやら、戸惑っているようね」
「気持ちはよくわかるわ。これを知れば、誰だって頭を抱えるはずだもの。」
「でも残念ながら、テイワットの運命はそう容易く揺らぐものじゃないわ。神ならばまだ少し可能性があるけど、そうでないなら…難しいわね。」
「小さな動物が木にぶつかれば、木は揺れる。でも、傾きと位置が変わることは別の物なの、運命もそれと同じね。」
「まさに瓶が床に落ちるように、猫が割ったものでも、鳥が割ったものでも、割れたという結果に変わりはない。そうでしょう?」
「歴史は簡単には変わらないけど、人々の心は変わる。自分の目を信じて、目に見えるものこそが真実であり、見えないものは全て虚幻よ」
これについては私はレインドットではないかと思っていました。これは「マハールッカデヴァータ」「千樹の王」が「草神」「草木の王」というあたりさわりのない名前に変えられたように、降臨者が作り出した歴史のすき間もこのようなあたりさわりのない名前でそこが埋められるのではないかと思ったからです。そう考えたときに、「黄金」もそうだなと思ったからでした。
例えば降臨者である天理がもし何も記録されていないのだとしたら、テイワットの歴史は天理抜きで記録されていることになりますがさすがにそれは違和感があります。そこで、世界樹には「天理」という形で記録されていると考えました。旅人についても同様です。「旅人」として記録するだけで中身は何もない。
一方で、世界樹から記録が抹消された散兵のように、他の要素がそのすき間を強引に埋めてしまうということも考えられます。マハールッカデヴァータ=「草神」=クラクサナリデビ(ナヒーダ)の置き換えは、両者が「輪廻」の関係にあるため、最小限の変動で済みました。一方、散兵の場合はというと、例えば、雷電五箇伝の事件の犯人が百目一族の者にされるなど、やや強引と言える場合にまで修正が及んでいます。
いずれにせよ、世界樹がすき間をどういう風に埋め合わせて記録を残しているのかという点については未だに謎であると思います。
テイワットの「運命」
別の記事のために作った図ですがちょうどいいので再利用。
運命で切り取っているため共時的な変化のように見えますが、個人的には通時的な変化だと思っています。歴史が変わったと言うなら後者の方が妥当だからです。歴史の変化で考えるならば、上の線分を全部下に移す図の方が正しい。
ここの考え方によって時間の執政以外にも時間に介入できる可能性が見えてくるんですよね。
世界の変動の観測者
「私はそれらを自らの深い夢の中に保存した。そして書き起こした物語でさらに外部を包むことで、改ざんされるのを防いだの。」(三章幕間)
この話を整理すると、ナヒーダがとったバックアップは、①変動の影響を受けない降臨者である旅人、②書き起こした物語で包み込み、自らの深い夢の中に保存した散兵の記憶です。この散兵の記憶というのは賢者たちがいざというときのために彼から取り出したものでした。
ということは、降臨者でなくても、世界樹の影響を受けない、または、物語で包めば改ざんを逃れられるほど影響が弱まるエリアがあると考えられます。もし、降臨者でない人間が世界の変動を観測できるのだとしたらそれは夢の中にヒントがありそうです。
これは「博士」の研究ともかかわるもので、彼はアランナラを捕まえて、「夢」の研究をしようとしていました。彼は「夢の兵器化」という謎の研究を行っており、3章でも旅人を夢境に陥らせたりしました。そうすると、博士も何らかの形で世界樹の影響を免れた可能性があります。
世界樹自体に何らかの痕跡が残っているならば、ナヒーダも気づけるはずなので、それ以外に何らかの変動を記録するものがあると考えられます。それが何なのかは現時点でわかりません。魔女会は「古樹」の研究をしているといいますが、原神にはいろいろな古樹があるので現状ではなんとも言えません。
大事なのは世界の変動を観測できるのは降臨者に限られないというところだと思います。
バーベロス(Barbeloth)
おばば。声がおばば感ありすぎて驚く。
クレーの帽子(とかばん)をアリスと一緒に選んだという話がされていました。
おばばについては年齢に関する問題があります。
イヴァノヴナへの手紙には、アリス(「嘘をつかない人」)、レインドット(「存在しない花」)、アンデシュドッテル(「永遠に終わらない伝説」)、ニコ(「絶対に迷わない道案内人」)の4人しか挙げられていませんでした。おばばがいません。
まず前提として、Jが死んでから数百年が経っているというスカーレットの発言があります。
アリスは長命のエルフなので問題ありません。レインドットもカーンルイアの人間ですからそれなりに昔の人ですし、状況を考えると不死の呪いを受けている可能性が高い。アンデシュドッテルとイヴァノヴナは故人です。ニコも数百年生きていることになりますがおそらくエルフか仙人といった長命の者だと考えられます。それでは、おばばはどうなのか。
モナの伝説任務からの印象だとおばばは普通の人間だと思っていました。読み返してみると、やはりおばばは人間です。念のため原文も確認してきましたが、50年前の日記と書いてありました。
そうするとおばばはこの当時いなかった。ムービーはそういう会話がなされたという訳ではなく、ただの演出だったということになります。そうすると、やや違和感がありますがおばばはBの後継者になります。
イヴァノヴナ(Ivanovna)
IvanovnaはイワンIvanの娘という意味だそうです。名前からしてスネージナヤだと思われます。スカーレットの格好もいかにも北国っぽい。
スカーレットはモンドのいたるところにこの手紙をバラまいたのかは謎ですが、ミステリアスな女性という意味では魔女と言ってもいいと思いますね。
ほかに書くことがないのですが、気になるのがやはりロサリアの行動です。こういうモンドの治安を陰から守るようなことを繰り返していること、ディルックやガイアと酒場にいることなどを考えると彼女も地下情報網の一員なんじゃないかと考えられる。シスターに諜報員がいるというのも十分考えられることですしね。しかし、他に手掛かりがないのが抜け目のないところです。
8人目の魔女
疑問の出発点はなぜイスが7脚しかないのか
これには、いろいろな理由が考えられると思います。「お茶会」には絶対に来ないメンバーがいた、主催者には別の席が用意されていた、二人で一人の人がいた…などなど。世界樹から消えた人間がいるかもしれませんが、ファトゥスの席が空白のままでなくなったわけではないように、古参メンバーが消えたとかではない限り、座席の数には変動がないと思います。
8人の魔女
この絵はあまりにもヒントがすくないため全部こじつけです。そもそも本当に魔女会の魔女を指しているのか疑問なところもあります。
右上の本を読んでる人は本を読んでいる、または、本を朗読しているように見えます。その下の魔女は両手で水滴のようなものを支えています。水占の盤を回しているようにも見えます。また、錬金剤のしずくのようにも見えます。
さらにその下は、顔の見えない魔女がいます。これは、姿を見せないで陰から助言をする予言者の類を連想させます。その下の魔女は本を抱え、手を前にかざしています。志の高そうな学者や冒険家を連想させます(このゲームの冒険者のテントではなぜか本を積んでいることがあります。前にパイモンがツッコんでたような記憶)。
左側に移ると一番上の魔女は何やら魔法のようなものを使っています。一個飛ばしてその下の魔女も同じような魔法を使っています。間に挟まれた魔女は特にこれといった特徴がありません(人間?)。左下の魔女は火を灯しています。
候補
レインドットの双子、ロザリン、名前の挙がっていない新キャラ、魔女であることを隠している既存のキャラクターなどが考えられます。
① レインドットの双子(ないし姉妹)
かなり安直ですが『犬と二分の一』の話を読んでこういう考え方もあるのかと思いました。魔女会のメンバーのうちで、二つの魂を持っていそうな人物と言えば現状では彼女しかいませんでした。
彼女の呼び方も「黄金」とレインドット、そして「黄金」レインドットの3つがなされています。そもそも両者が同一人物だと考えられるようになったのは、アルベドがイベント「雪山に潜む影」において「黄金」レインドットと呼んだことだったと思います(ここは自信がない)。「風花祭」でアリスも「黄金」レインドットと呼んでいます。
一人で二つの魂をもつ存在がいたのならば、魔女会のイスが7脚しかない理由も納得できますよね。
② ロザリン・クルーズチカ・ローエファルタ
魔法使いで左に炎を出してる魔女がいます。炎の魔女とされているロザリン・クルーズチカ・ローエファルタが候補として考えられます。彼女は「私のことを魔女と呼ぶな」と毎週キレていますが逆に言うと彼女のことを魔女と呼ぶ人がいたということです。
<たとえ彼女が焼き殺したのが人に害を加える魔物であろうと、彼女の火を見た人は、ドアと窓を閉めて、炎の魔女を遠ざけた。でも彼女は気にしなかった。全ての苦痛を焼き尽くさないと、新たなる希望はないと彼女は思った。理解はいらない、人の慰めはいらない。人の同情もいらない。>
聖遺物「魔女の炎の羽根」
このとおり、彼女は魔物を倒し、民衆を助ける存在でありましたが、その容ぼうから人々からは怖がられていたようです。そんな彼女に正面から魔女と呼ぶような人がいたのかというとなかなか疑問なところです。アリスさんならそういうこと気にせず誘ってきそうです。
彼女が魔物を退治していた場所はよくわかりませんが、場所から考えてモンド~スメール地域のどこかでしょう。「燃え盛る炎の魔女」の秘境はモンドとスメールの間にあります。来るはずのない彼女のためにもイスを用意したというのは十分に考えられると思います。
③ 全くの新キャラ
④ 既存のキャラクターで魔女であることを隠している人
これらの可能性はやはり排除できない。特に新キャラ。何らかの原因で世界樹から消されてしまった人がいる可能性もあります。ファトゥスの空席のように、別にある人物が世界樹から消されても、その席が空白になるだけで、席の数には影響がないように、7脚なのは別に原因があるとも考えられます。
ほかには今のところ見当たらないので璃月・稲妻出身のキャラの可能性もあると思います。あとは、書籍や聖遺物にちらほら魔女の話がありますが、仮にそれらの人が来ても誰?ってなるだけでしょう…。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
原神の世界って掘り下げようと思えばいくらでも掘り下げることができるんですよね。
そんな原神の魅力がちょっとでも伝わればと思ってこういう記事を書いています(あとは文章の練習も兼ねてる)。
ちょうど3.6の情報番組をみて、またもやカーンルイアと縁があるということなので、次もまたカーンルイアの記事を書きます。
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