この記事では世界任務「善悪のクヴァレナ」、資料「教礼院調査チームのノート」「誰かの手紙」その他シナリオに関してかなりのネタバレがあるので注意してください。この記事では、クリングソルというあるアビスの使徒の始まり、「片腕の賢者」の正体にも突っ込みます。
アビスの使徒がどのようにして生まれるのかわかったのでかなりおどろきました。やっぱり、アビスの使徒にはちゃんと人間のルーツがあるんだと感じました。
二つの対立軸
世界任務「善悪のクヴァレナ」(クヴァレナというのは霊光のこと)。今回の世界任務はルヴァーン(ズルワーン)やチンワト(チンワト橋)、花霊(パリー)のようにペルシャ神話、ゾロアスター教の言葉が頻出するのでかなりわかりづらいと思います。私もほとんどなじみがありません。
ただこれらの用語の意味を知っている必要はなく(知りたければGPT4が教えてくれます)、ここで大事なのは、二元論的構造を採っているということです。ゾロアスター教では、善なる神と邪悪な霊の対立から宇宙は成ると考えられています。
今回の話では、霊光と穢れ、正法とダーリが対立するものとして挙げられています。そして、善なる神の側には勇士と花霊がおり、対立するのはディフの敵です。ナセジュナが「闘争こそが本質だ!」みたいなことを言っていましたがこの善悪の対立が闘争だと考えられます。
大まかな流れ
この世界任務なんかわかりにくく感じますが、大まかな流れは次のような感じだと思います。
花霊ソルシュは儀式を行うために母樹に認められて「二本角の花冠」を手に入れる必要があった。そして、トゥニギの黒淵を通り抜けて母樹の中に行くためにはチンワトの儀を行う必要があり、それには霊光絶唱が必要でした。この、霊光絶唱を集める旅の中で識主ナセジュナが裏切った。母樹の内部にたどり着いた旅人は、アブゾーアの儀を行い、霊光の力で神識を目覚めさせ、聖蓮「ガオケレナ」に清潔の花を咲かせ、中の穢れを除去した。その結果、大地は再び甘露で満たされ、穢れはなくなり、「焚真の天象」は消えた。
逆から説明すると、「焚真の天象」を収めるためには、万種母樹の中でアブゾーアの儀を行い、神識を目覚めさせて大地を甘露で満たしてやる必要があった。万種母樹の中に行くためには、トゥニギの黒淵を通る必要があって、それには霊光絶唱を用いてチンワトの儀を行う必要があった。そして、これらの儀式を行うためには母樹に認められ「二本角の花冠」を授かる必要があった。
普段なら外からアブゾーアの儀をすればいいのですが、スケプティック団がサボってたせいで中からやらなくてはならなくなったという話でした。
あるアビスの使徒との出会い
ナセジュナが助っ人として呼んできたのがアビスの使徒「クリングソル」でした。ナセジュナは学者風ですが旅人と正面から衝突しようとする謎の勇気を見せます。
「クリングソル」
クリングソルはあっさり敗れて、ナセジュナは逃亡し、霊光絶唱を集め終わった旅人は、ズルヴァーンと再会します。そこで、彼女(?)はこの黒淵の者について話します。
クリングソルは、穢れの「祝福」を受けたことで、アビスの使徒になりました。この「森から来た調査団」というのが「教礼院調査チーム」で彼についてはその日誌で詳細が語られます。
教礼院調査チームの日誌
調査チームは「ナガルジュナ団」に条件付きでダーリ人の遺跡を調査する許可を得た。その条件とは、調査期限を設けることと巡回官クリングソル(Klingsor)の同行でした。「彼は雨林の出身だと自称しているが、名前からして、どうもスメール出身ではなさそうだ…」。後述のように彼はカーンルイア人だったと考えられます(日誌1)。
上は英語読みになってますがクリングゾール(Klingsor)とはワーグナーの『パルジファル』に出てくる魔術師です。ちなみに同作にはアムフォルタス(Amfortas)も出てきます。この作品はヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの作品に基づいています。ドイツ感のある名前のときにはカーンルイアを疑うのはいつものこと(例外もある)。
「遺跡の研究者による研究の痕跡を見つけた」と書かれていますが、これはルネの調査であると考えられます。これは「遥か昔」に行われたとされています。「彼らが残した記録はどれも出鱈目で、たわごとにしか見えない」ものでしたが、クリングソルはこれに強い興味を示しました(日誌2)。防衛機関の影響を受け、ここの地下遺跡を徹底調査することはできなかった。
次の遺跡を継続調査するか否かを巡り、意見が分かれた。「一部の団員は、地下から聞こえてくるある音に困惑している」。最終的には団長の判断により、二つ目の遺跡を調査することになった。クリングソルも遺跡内の知識に夢中であったことが語られる。(日誌3)。
ここの音にしても、カーンルイア人の血を引く者だけが聞こえたという想像もできます。
アビスの魔物が現れ、遺跡機械の暴走により調査団に甚大なダメージを受けました。クリングソルも行方不明になった(日誌4)。
日誌の発見場所からしてまず助かってないだろうなと思います。こうして数百年前の教礼院チームの調査は終わりました。
誰かの記録
誰かの記録・1
この記録ですが、「雨林から来た調査団と同行」やスケプティック団の長老について言及があることからクリングゾルが書いた記録だと考えらえれます。
「このノート」というのがおそらく「ルネの調査ノート」だと考えられます。これはクリングソル(アビスの使徒)→「唱導師」→ナセジュナへと渡ったものと考えられます。この内容はある霊光の力だったり、とある洪水に関する話なのでたぶん重要なのはそこではありません。「失われたノートの断片」がありますが、これはクリングゾルがノートから切り取って手元に置いてた内容だと思われます。
※「ルネの調査ノート」については長くなってしまったので別の記事で検討します。
「アビスをも超える進化の力」とは、「アゾス物質の製錬方法で霊光の力を処理したのち、アビスで作られた…と反応させれば…」「…カーンルイア人が夢見てきた、真の永続エネルギー源を製造できるかもしれない」(断片2)という部分だと考えらえます。永久機関についての話ですね。キングデシェレトとカーンルイアが共通して求めていたものです。
あるいは、複数元素の融合の可能性(深罪の浸礼者)の可能性も考えられます。ボスなどで出てくるのかと思ったらそこらへんにいたので驚きましたが、深罪の浸礼者もアビスの「進化」の産物とされていました。
誰かの記録・2
「あの学者たちの協力のおかげで、この数日しつこく耳元でこだましていた「福音」の源を見つけることができた」。この記録が発見されたのはあの扉の手前のところです。
「福音」で思い出すのが、「罪人」の声です。「頭の中で響く声」とされているように、「耳元でこだましている」ような感じでした。
「片腕の賢者」の正体
「片腕の賢者」とは?
世界任務の最後、ズルヴァーンの500年前に関する話で出てきます。
砂漠の東から学者装束の人が来た、そのリーダーは片腕の賢者だった。彼らはかつて、ダーリ人の勇士と一緒に戦った者だと言っていた。その機械たちも、昔は学者たちと同じ戦団に所属していた。
覆面の剣士(ダインスレイヴ?)は同じような金髪の髪を持つ少年(空)と花海を離れた。一方、賢者は一人で「地下の遺跡」に入ると二度と帰ってこなかった。
まとめると
・砂漠の東から学者装束の集団がやってきて、そのリーダーが「片腕の賢者」だった
・かつてダーリ人と肩を並べて戦った(白鵠騎士?)
・ダーリ人の魔物に抵抗していた機械は学者たちと同じ戦団に所属していた
・片腕の賢者がダーリ人の残した文献を頼りに黒淵を抜けて万種母樹に入る方法を見つけた
・賢者は一人で地下の遺跡に入ると二度と帰ってこなかった。
名前としては、最初の「識者」であるナガルジュナが考えられます。
誰か?
①「罪人」
3章6幕「カリベルト」では、「罪人」は、未知なる「聖処」という謎の地下遺跡にいました。そして、ダインスレイヴは旅人から「罪人」に関する話を聞いて、「やつ」というように何か知っているとの含みを持たせていました。一緒に母樹に入ったメンバーなら知っているのも頷けます。
そのため「片腕の賢者」とは、「罪人」と関係があると考えられます(さすがに片腕の賢者=罪人は言い過ぎだと思います。)
②「唱導師」と呼ばれていた人
アビスの詠唱者には「唱導師」という意味が含まれているとされています(「淵炎」のテキスト参照)。「ルネの調査ノート」をナセジュナに渡した「唱導師」の正体がよくわかっていません。仮に、片腕の賢者が唱導師となっていたのならば、彼が「罪人」から穢れの「祝福」を与えられた可能性があります。
穢れの「祝福」(=「福音」?)っぽさを感じさせる「罪人」の挙動
ただこう考えると、穢れを除去するために活動していた「片腕の賢者」がなぜそれに加担してくるのかという新たな問題が生じてきます。そして、「罪人」がなんなのかも結局よくわからないままです。
まとめ
① 穢れの「祝福」を受けると人はアビスの使徒となる。
② 「片腕の賢者」は「罪人」と関係がありそう
2行で終わる内容を薄めるとこんな感じになります。
よくある〇〇は実は人間だったシリーズにアビスの使徒も入ったというのが個人的には面白かった。とすると次に気になってくるのは「詠唱者」の成り立ちです。
以上です
コメント