自分の中ではずっと答えの出ない問いなのですがとりあえず問題の所在は示せたらと思います。アニメの感想と考察の混ざった記事です。
任務「善悪のクヴァレナ」、最新の魔神任務、アニメ「いつかその道へ」のネタバレを含みます。
「いつかその道へ」
昨日公開された「いつかその道へ」はダインスレイヴと蛍、空とパイモンの旅が描かれています。
個人的には蛍の旅と空の旅の対比がよかったです。蛍の旅は夜明けから始まり、黄昏に終わる。蛍の旅は昼であり、蛍は太陽である。一方、空の旅は黄昏から始まり、夜明けで終わる。空の旅は夜であり、空は月である、などと考えたりしました。
色々な解釈があると思います。
最後のシーンも印象的でした。二人とも足取りが重そうですが、ダインスレイヴが蛍の肩を叩いて励まし、パイモンが空の手を引いて励まします。仲間がいたから旅を続けることができたのだと感じました。
天理の調停者に封印されたあとの兄妹の一方の足跡についてはよくわかっていません。「金色のナラヴァルナ」の伝説から甘露花海におけるアブゾーアの儀を経て、甘露花海から旅を始めたのだと考えられます。
この旅がどういう国をどういう順番で回ったのかは謎です。
ショートアニメには色々小ネタが仕込まれているのですが、その中に今まで描かれることがなかった稲妻における蛍とダインスレイヴの旅が描かれています。
稲妻では八重神子に行方を尋ねる機会があったのですが、彼女も知らず、影も一心浄土にいたため手がかりがありませんでした。
ショートアニメに稲妻のシーンは3つあります。鎮守の森、城下町、そして祠です。鎮守の森は綾華が伝説任務1幕で舞を見せてくれた場所です。
他のカットは元ネタがちゃんとあります。例えば、任務「神櫻大祓」や森林書です。しかし、この祠のシーンは全く見覚えがなく意味深です。
蛍は稲妻で一体何をしていたのか?また謎が増えました。
このPVモンド、璃月、ドラゴンスパイン、稲妻、淵下宮、スメール、砂漠など様々な地域が出てきます。風花祭、海灯祭などのネタもありました。個人的に印象深かったのはやはりカリベルトのシーンでした。
今まで旅をした中で1つだけ出てこなかった国があります。フォンテーヌです。
(アニメは作っているところが別なので納期の可能性もありますが、ここでは別の可能性を考えます。)
兄妹の痕跡
フォンテーヌにおける手がかり
稲妻以降、魔神任務が一段落する場面で旅人は自分の兄妹に関する情報を教えて貰っていました。稲妻についてはすでに上で書きました。
スメールでは、ナヒーダが兄妹のもう一方の痕跡が世界樹に記録されているということを教えてくれます。そして、ファデュイが兄妹のもう一方を「降臨者」としてカウントしていないことも教えてくれました。
フォンテーヌでは、ヌヴィレットに尋ねる形になっていました(4章2幕)。
ヌヴィレットは旅人に対して「見たことがない」と答えました。これ以降、兄弟のもう一方に関する話は出ていません(ver4.6現在)。
ヌヴィレットが魔神フォカロルスによってフォンテーヌ廷に招かれて最高審判官になった時期はおそらく400年以上前です。
手がかりは自然哲学学院の学院長の記録しかありません。時期としてはエリナスによる災厄から学院がアランの研究計画を支援するまでの間だと考えられます。
ヌヴィレットがいうように法律をちゃんと守っていた可能性もありますが、そもそもフォンテーヌに来ていなかった可能性があります。
その原因は?
その原因として考えられるのがフォンテーヌ人の特殊性と「統一された文明」の遺跡がフォンテーヌには存在しないことです。
テイワットには二種類の人間がいる?
ヌヴィレットが「外来の生命が創造されるよりも前」と言っているように、彼はテイワットの生命と「外来の生命」を区別しています。
彼が水の元素龍であることを考えると純粋なテイワット由来の生命とは元素生命であると考えられます。
白夜国にはおもしろい分類があり世界を「三界」に分けて考えていました。ヴィシャップなどの元素生物の世界を光界、アビスの怪物などの世界を虚界、人間の世界を人間界。この3つは生き物を基準とした世界の分類だと考えられます。
今回の記事は光界の生物以外のもの、すなわち、虚界だけでなく人間界も外来のものなのではないか?というものです。
フォンテーヌ人は原始胎海の水に加えて、生命の神の力を受けたため、完全な「この星由来の生命」となったと考えられます。純水精霊が元素生物であるなら、それを元にして出来た人間も元素生物なのではということです。
最近は仙人も元素生物であることがわかり、仙人ももしかしたらテイワットに由来する生物といってもいいかもしれません。
エゲリアが純水精霊たちの願いを受け入れて人間を創ったということは、そのモデルとなった人々がどこかにいたと考えられます。
ちなみにヌヴィレットも外来の生命がいることを仄めかしていました(「大部分」という箇所)。
テイワットの人間のはじまりについては「日月前事」に言及があります。
【枝を運んだ四十余年】
山と川が生まれ、大海と大洋が反逆者と不従順な者を運ぶ。原初のあの方は、影と共に鳥を創造し、走る獣と魚を創った。花や草、木も一緒に創っていた。そして最後、人間を創った。我らの先祖の数は、未知に包まれている。
その時から、我らの先祖は原初のあの方と契約を交わした。そして、年号も変わったのだ。
(「水から創られた人間」と「土から創られた人間」のように区別しようとおもったのですが、特に土に関する言及がないのでやめました。)
ですがこれらの生命も他の生命と同じようにその魂は地脈を通じて元素の循環へと還って行きます。
「世界の淀み」というのはこのテイワットのシステムに紛れ込んでしまった外来の生命なのではないでしょうか。
旅人の痕跡がない原因はフォンテーヌ文明の担い手が他とは違ったからではないかというものです。
「統一された文明」の遺跡が存在しないこと
「統一された文明」の遺跡がフォンテーヌには存在しないのかというとこれがフォンテーヌの謎の一つです。
「統一された文明」とは、白夜国の「日月」という年号より前の事、地上に文明があった時の話です。ウェンティが語る「神々がまだ大地を歩く時代」の話だと考えられます。
これらの特徴を持つ遺跡はテイワットに広範にわたって分布していることからこの文明の遺跡なのではないかと考えられています。しかし、この文明の手がかりはほとんどありません。
最近だと金の蜂シビラがこの文明と関係があったのではないかと個人的には疑っています。
フォンテーヌにはなぜか今までそこら中にあったこの文明の遺跡がありません。その理由として、以下2つ考えてみます。
⑴ 天空の島によって滅ぼされたから
レムリア衰亡史には「運命の足枷から抜け出そうとした」ことに高天が激怒して津波を起こしたとあります。
天の導きによる統治は果たして幾世代に渡って続いただろう。やがて人々はうんざりするような永遠に飽き始めた。後の世の人はもはや神託に従おうとせず、逆に神が承諾していないことを望み、運命の足枷から抜け出そうとした。そのため高天は激怒し、海に命じて津波を起こさせ、人が住む都市国家を打ち砕いた。その後大雨が百日降り続き、海がすべての罪悪と妄想を呑み込み、原始の時代は終わった。(レムリア衰亡史・第1巻)
古代の人々はレムリアの「フォボス」と同じように別の「運命」を織ろうとしたが失敗したと読むことができます。
鶴観の壁画には古代の洪水と思われる場面が描かれています。山頂の近くまで水没しているように見えます。
もう一つ考えられるのが、原始胎海が関係しているというものです。
⑵ 原始胎海のせり上がりによって文明は滅亡したから
「統一された文明」は王座を巡る戦いで破壊され、洪水で滅びた。その後、洪水が引いて今の文明の基礎となる生命が大地に広がったというものです。
文明の再生の端緒となったのが原始胎海であり、フォンテーヌの大地はかつて原始胎海がせり上がった影響で一度更地になってしまったのではないか?
原始胎海は今のところここから新しい生命が誕生しているようには見えません。むしろ原始胎海は洪水を引き起こし、文明をリセットする装置であったのではないかという考えです。
原始胎海はしょっぱい水で、どちらかというと海水に近い存在です。淡水であるフォンテーヌの水域と隔たりがあります。海というのは原始胎海はもともと関係があったのではないかというものです。
文明がリセットされた場所がフォンテーヌだったのでそこにあった建物はすべて壊れてしまったのではないか。生き延びられたとしたら空を飛べる種族くらいでしょうね。
そうすると「外来の生命」の文明が無くなってしまったためにフォンテーヌを訪れる理由がなかったということになります。
おわりに
まとめると、フォンテーヌに兄妹の痕跡がないのは世界の淀みを産み出した「外来の生命」の文明の痕跡がないからではないかということです。
旅人が見届けるように言われた「世界の淀み」と関係があるのは「外来の生命」なのではないでしょうか。
この問題は答えがあるのかどうかわかりません。とりあえず問題の所在を示すことが目的だったのでそれは達成できたと思います。
この記事は実は今までの自分の考えと馴染んでおらず、まだ根拠が弱く煮詰まっていない部分があります。ですが、いいPVを見せてもらったので記事にしてみました。
(おわり)
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