第3章5幕「虚空の鼓動、熾盛の劫火」の感想①

原神

5時間超という特大ボリューム。長すぎて記事を分割せざるを得なかった。

前回のあらすじ

旅人はナヒーダと一緒に賢者たちがアーカーシャを使ってスメールの民から大量の夢を回収して何をしようとしていたのか、その目的を探る。目をつけたのは大賢者の助手をしていたセタレ。彼女に近づいて賢者のプロジェクトを探ろうとしたが、そこに執行官第2位「博士」が立ちはだかる。彼はナヒーダの意識を拘束することに成功し、旅人はナヒーダがいないまま、手がかりを求めて砂漠へと向かう。

途中、キャラバン宿駅においてアルハイゼンと合流し、セノとディシアも紆余曲折して仲間となり、協力してアアル村のグラマパラ失踪事件を探る。この件には教礼院が絡んでおり、目的は神の缶詰知識の製作だったことが明らかになる。そして、エルマイト旅団のラフマンがこの失踪事件の犯人を捕まえていた。

ラフマンとグラマパラの帰属をめぐって戦闘となり、その最中に、砂が崩れ、キングデシェレトの遺跡の入り口が見つかる。旅人らとラフマンはその中を探索し、そしてキングデシェレトの死の真相を知ることとなった。ラフマンは今までの行いを悔悟し、恩人である草神の民に対して協力することに。

そして、エルマイト団のラフマンが捕まえた教礼院の者から、賢者のプロジェクトが「創神計画」であることが明らかになった。一行は、賢者たちのあまりの傲慢さ、そして神が軽んじられていたことへの憤りから、「賢者を倒し、神を救う」という目標に向け、一致団結した。

夜明け前の夜を行く

アルハイゼン、ディシア、セノ、旅人の4人で完全な行動計画を練り上げた、ジュニャーナガルバの日に行動を移す。身の安全を確保することを最優先にすることをキャンディスとし、それぞれが自身の役割を果たすために別行動を始めた。

旅人はまず、アルハイゼンの下へと行った。「禁忌の知識」は人を狂わせるがこのことは公開されていない。教礼院は狂気の症状は神の知識の副作用であると考えてきた。だがこれは誤った方向の推測だった。「禁忌の知識による汚染」と死域、魔鱗病、砂嵐…1000年前に砂漠で起こったこと酷似している。そして、今までの事情から、世界樹が病気になった原因は禁忌の知識の汚染であると判断される。そして、「世界が…私を…忘れて」が世界樹を救う重要なカギであることが再確認される。

そして、アルハイゼンと旅人は、エルマイト旅団の拠点へ向かった。前回出て来た教礼院の者に缶詰知識の抽出装置を修理させる、そして、旅人が草神を救いたいと「信じる心」を缶詰知識に記録する。また、アルハイゼンはアーカーシャ端末にも細工をした。長期的にアーカーシャに頼ってきたような人向け、「指令の奴隷」になる。

次に、旅人はセノ、ラフマンと合流する。エルマイト旅団が守衛に捕まり、シティに護送されるというもの、しかし、セノは犠牲者が出る可能性が高いため反対した。旅人が手伝うことになり、計画通りラフマンを捕まえることになった。「お互いにこの作戦の意義を認めたからには、草神とキングデシェレトの信者の間に、隔たりがあってはならない。すべての命が大事なんだ」。

作戦会議の回想①。今回のシナリオはこんな感じで繰り返し、回想を挟むことによってできる限りわかりやすくしてるのがとても印象的だった。ここでは、セノが大マハマトラを辞めたことを守衛たちが知らないことの理由について説明がなされていた。そして、アーカーシャの予測機能の限界についても。アーカーシャの予測機能には限界がある、単独で行動していたときは予想がしやすかったが複数人になり、行動ロジックが変化したというもの。

作戦通り、ラフマンらを逮捕することに成功し、旅人は次の準備をするため、ディシアと合流した。

次の任務は、ファデュイの執行官「博士」の状態を確認すること、リスクを排除し、クラクサナリデビ救出の邪魔を刺せない状態を確保すること。ティナリの下に訪れると、「博士」はハイパシアをスネージナヤ連れていくために、パルディスディアイを訪れていた、ハイパシアの治療をしたいといったことを知らされる。ティナリは断ったが、意外にもすぐに引き下がった。氷の女皇からお呼びがかかったらしい。「だからお前のような者はいつまで経っても気づけない。人は遅かれ早かれ、自分の頭の中にある物の責任を取らなければならない…誰も逃れられないということにな」。セノが調査を始めたのはティナリの発言がきっかけだったのが明らかになる。「自分の見たこと、聞いたことを信じる」

わざと痕跡を残していた。ディシアと旅人はこれを聞いて「博士」が本当に帰るのかを確認する。しかし、これは「博士」がしかけた罠であった。ファデュイは手薄になった隙にハイパシアを始末しようとした。応戦するティナリ、間に合う旅人とディシア。旅人はハイパシアの無事を確認するも、触れた瞬間に散兵の意識と出会う。「彼女は見てはいけないものを見てしまったようだ」

散兵の意識 
ハイパシアに触れた瞬間、散兵の意識とつながった。散兵はハイパシアの意識の中に入ることができる。神化のプロセスはほぼ終了したという。旅人は散兵の態度が今までになく柔らかいと感じる、教礼院はあなたの意識に神の缶詰知識を入れようとしているけどこの行為には膨大なリスクがある、神の知恵を手に入れても教礼院が望むマハールッカデヴァータになってしまう、自我を失ってまで神になりたいのか。

それに対し、散兵は神になるために生まれた、今までの自分は苦痛にまみれた記憶と人としてのくだらない感情だけだかくなっても構わない。「紙」と同じだよ、大事なのは書いてある中身。何唐突にダジャレ言ってるんだよという。「人の世の一切を否定する」というのは、自身のことも含まれていたのでしょうね、自暴自棄に感じる。

そして、博士がハイパシアを始末しようとしたことについて話すも彼は信じない、しかし、神の力を見せつけて周りにいたファデュイを全て殺してしまう。その過程でティナリも負傷する。色々あったがとりあえず「博士」という変数は結果的には排除できた、作戦を次に進めるべく一行はバザールに集合した。

バザールにてアルハイゼン、セノ、ディシア、そして旅人が集合する。「博士」の動向、シティへのエルマイト旅団の潜入、そしてアルハイゼンの準備すべてが完了した。そして、通りかかったニィロウも作戦に参加することに。いよいよ「神」を救出へ。

ジュニャーナガルバの日

まずは旅人とアルハイゼンが行動する、ジュニャーナガルバの日とは、「ここ最近の教礼院の研究成果や法令などを、缶詰知識の形でアーカーシャに記録する」日。そのため、教礼院の中核メンバーは準備に追われており、潜入がしやすくなっている。目標は大賢者の執務室、そこには歴代の大賢者だけが利用できる操作台があって、クラクサナリデビの解放に関する操作があるはずだという。これはあくまで「表の計画」。

そして、クラクサナリデビを閉じ込めた装置というのがなんなのかというとマハールッカデヴァータが瞑想のために使う装置を500年前に改造して内から開けられないようにしたものだということも明かされる。思った以上に監禁でなんてひどいことをするんだ教礼院は。

堂々と正面玄関から入るアルハイゼンと旅人、途中知論派の後輩に絡まれるも難なくかわす。知恵の殿堂にて、執務室から大賢者アザールが出てくるのを観察しようとしたところ…なんとアザールにバレてしまう。幸か不幸か、直接話し合う機会を得た旅人らは大賢者の執務室へ(あの気になってたリフトがついに解禁)。

アザール:「神を創る…我々は人類の知恵をもってして神を創っているんだ。もし人類が「全知全能」に届かないのであれば、神を創ってそれを公示すればいい!それこそが人類が到達できる知恵の頂点。我々は神の導きを再びこの手にする。もう二度と意識と知恵の暗闇で、当てもなく彷徨う必要がなくなる…。たとえ世界樹の危機であろうとも、最後にはあっさり解決できるだろう。これは学術都市の最終的な夢、そのためにはあらゆるものを代償にする価値がある」
「クラクサナリデビ…彼女に何ができる?民をなだめる?砂塵への対策?それとも荒唐無稽なおとぎ話でも作ることか?そんなの教礼院でも簡単にできる。ならば私たちも神なのか?我々はマハールッカデヴァータ様の恩恵を受けた民。この眼で見たことがなくとも、我々の先祖たる学者たちは「真の知恵」を見た。だが、今のクラクサナリデビは神の座にいても。学者たちに迷いをもたらす――「あれが真の知恵の神なのか」?ならば、彼女にずっとスラサタンナ聖処にいてもらったほうが、学術環境もより安定する。」

人の手を使って神を創ろうとしている傲慢さ、知恵の目的が神になっているという浅はかさ、きわめて幼稚な考えで旅人もあきれてしまう。そして、クラクサナリデビに対する敬意の欠片もない、これは殺されても仕方がない。

執務室は衛兵に囲まれていて、完全に逃げ場がない状態。そして、ここで、アルハイゼンに金髪の旅人を調査するように命令していた賢者が、アザールその人だったことが明らかになる。そして旅人に関する缶詰知識をアザールに差し出す。これには、旅人の神を救いたいという「信念」が記録されていた。アザールは疑いつつも、旅人の情報をアーカーシャに登録、これで計画の邪魔になる最大の「変数」である旅人をアーカーシャの予測機能を使って封じられるからだ。

しかし、アザールはアルハイゼンの企みをあっさりと見抜く。ここで旅人を「犠牲」にするのが、お前たちの計画じゃないのか?そして、アザールが推理を披露する。長い間姿を消していたアルハイゼンが、裏切っていようがなかろうが、創神計画の前では些末なことで、どのみち処分する気でいた。これは前の幕でも、アルハイゼンが神の缶詰知識によって、魔鱗病院の下にいた先輩のようになっていたことがありえたかもしれないということから想定内でした。

ここでアルハイゼンの迫真の演技、神の缶詰知識を使ったかのようにみせてアザールに襲い掛かる。そして、発狂してしまったアルハイゼンはアアル村に追放、旅人は監禁室へ閉じ込められることに。

作戦会議の回想②。さっきのが「表の計画」ならば、「裏の計画」。目的は、旅人を監禁室に送り込むこと、そしてクラクサナリデビの意識を起こすこと。監禁室はスラサタンナ聖処に近い場所だから可能性が高まる、彼女を起こせるかどうかは運次第だろう、

ナヒーダの意識と接続を試みる、旅人は暗闇の中でナヒーダを見つけるも、彼女は返事をしない、膜のようなものに包まれている。彼女は心を閉ざしてしまった。「私は一人前の神になりたかった。…世界樹を助ける方法を探し続けて…あの後ろ姿に追いつこうと願った。マハールッカデヴァータに追いつきたくて…」
「神にも心の声はあるのかしら、神に心の声はあるべきなのかしら、私の行いはすべてただしいの、私は…本当に必要とされていないの?私自身本当はどう思っているの?」
そしてそれに問いかける声
???「もしあなたが「知恵の神」なら…さっきの質問の答え、最初から知っているでしょ?」
ナヒーダ「私はもう…自分の声を無視したくない

そして続いてはニィロウの出番。教礼院の前に現れたニィロウ、ヴィハルやバザールの人々によってシアター前の広場の人々が誘導され、広場は空になる。そして、教礼院の前で踊りを披露するニィロウ、これを聞きつけたアザールはぞんざいにも先ほどアーカーシャにいれた「芸術禁止令」を発令した。しかし、衛兵たちには、「クラクサナリデビがスラサタンナ聖処から脱走した」という命令が出され、衛兵たちは出動した。こうして、教礼院の警備は空っぽに。

作戦会議の回想③。この「芸術禁止令」というのは2幕で出てきた、花神誕祭でアザールがセタレに書記官に作らせるように命じていたもので、書記官と言えばアルハイゼン。彼は自分の立場を利用して、その法令をそっくりそのまま書き写して、このような命令仕込み、そして、執務室に行った際にアザールを襲うふりをしてすり替えたのでした。

ここで、衛兵たちを広場に集めるためにクラクサナリデビの格好をしたイザークが登場する。追いかけられながらもなんとかグランドバザールに人を集めることに成功する、そして、ディシアとラフマンが集めた衛兵を一掃する。

アザールが衛兵がいないことに気付き、嫌な予感をする。そして、自身がクラクサナリデビ捕獲の命令を出していたことを知る。どのようにしてこのような情報が仕込まれたのかわからないまま、動揺もあり、不用心にも一人でスラサタンナ聖処へ行ってしまう。

アザールはスラサタンナ聖処に行き、クラクサナリデビの存在を確認しようとするも、彼女の存在がなぜか点滅する。彼の認識もアーカーシャ端末に支配されてしまっていた。そこに待ち構えていたのがセノ。「神の前で罪を認めろ。お前はかつて、俺にお前を審判する権利はないと言ったが…今、神の名においてならどうだ?

監禁室に救出に来たディシア、そしてアザールが捕まったことが知らされる。そして、スラサタンナ聖処でとうとう現実のナヒーダと会うことに。「やっと会えた、ナヒーダ」。
ナヒーダは自分に対する悲観と教礼院に対する譲歩が今回の混乱を招いたと反省する、そして、休む間もなく創神計画を中止し、世界樹を救出しに行くことへ。
ナヒーダはアーカーシャを神だけが操作できるようにしするための準備をする

意識の舟が行きつく処

準備ができたナヒーダはアップグレード版のアーカーシャ端末なるものを用意する。そして、ここで民の信仰と神の力について言及がある。「神は民の信仰から力を得る。でも私は、マハールッカデヴァータのように人々に慕われているわけじゃない」

散兵の下へ向かう途中ナヒーダは彼女なりに散兵の分析をする。「神の心の容器」として生まれたことによる、神の心への本能的渇望…、もう一つには彼の過去の経歴。そして、雷電将軍のプロトタイプであったことを告げられる。

ナヒーダの運命に対する好奇心
わたくたから見て、この世において感じられる一切のもの、認識できる一切の者、人々の身に起こった一切のもの、そのすべてが知識よ。それが知識である限り、必ずや知ることができる。だけど唯一、人々の身にまだ起こっていない運命だけは、終始私の好奇心を掻き立てるの。つまり私からしたら、「運命」こそが究極の知識なの

先に進んでいくとそこには「正機の神」となった散兵がいた。正機というのは悟りを得る資格のある人という仏教の言葉、悪人正機って聞いたことがある人もいるでしょう。彼はまだ神の缶詰知識を注入されてはいなかった。意識は散兵のままだった。「七葉寂照秘密主」。

そして戦闘に入る、やはり神の力に対してはなく旅人は追い詰められ、そしてナヒーダも貫かれ、神の心も奪われそうになる、という絶体絶命のピンチ。ところがこれはナヒーダが神の力を用いて散兵に見せていた夢であった。花神誕日の輪廻の168回分の仕返しをここでしたということであった。そして、この戦闘経験を缶詰知識として旅人に注入し、アーカーシャを使いすべての民の英知を束ね、散兵を倒した。散兵を倒した後、今までアーカーシャに使っていた草の神の心と散兵から手にした雷の神の心を使って、意識空間に入ることになった。

マハールッカデヴァータの残留意識は汚染されて「死域」のようになっていた。そして、汚染について、旅人は砂漠でみた「禁忌の知識」に関する記憶についてナヒーダに告げる。1000年前にキングデシェレトとマハールッカデヴァータが身を削って、「禁忌の知識」を駆逐することに成功した、そしてカーンルイアの災厄で再び「禁忌の知識」における汚染が現れたと考えるのも難しくない。ナヒーダは禁忌の知識との対抗で命を失ったのではと考えた。みんなが「禁忌の知識」という概念について忘れたのも彼女の世界樹の修復の影響によるものだと考えた。

「意識の舟」にのって、とうとう旅の終点、世界樹の下に到着する。旅人がスメールで見たのと同じ空間であった。そして、そこにナヒーダとそっくりな人がいた。「あなたが…マハールッカデヴァータ?」

ここは当時の世界樹と大地の形を再現している。でも、結局は意識空間に過ぎない。あなたと私は「本質」が同じだから、完全に同じように見える。あなたが私で、私があなただからよ。あなたは私の「輪廻」だもの。
「マハールッカデヴァータである私は、世界樹の化身なの。そしてあなたは世界樹からおられたもっとも純粋な枝。例えるなら…たとえ木が枯れても、枝はいつか根を下ろし、別の形で生き続けていくかのように。」

マハールッカデヴァータから明かされる真実

カーンルイアの災厄
当時、私以外の七神は全員、カーンルイアという名の国へ向かうよう召集された、私はというと、もう一つ更に重要な任務があったの。それは――世界樹を守ること。災難の降臨は禁忌の知識の汚染と共に現れた。それとほぼ同時刻、世界樹と意識がつながっていた私は異変に気づいたの。さらには精神的な苦痛が私を苛み始めた。そして私が世界樹に駆け寄った時にはすでに、禁忌の知識によって侵蝕されていたわ。もしも千年前にキングデシェレトと共に禁忌の知識による汚染を収めていなかったら、あの時私はなす術もなかったでしょうね。
禁忌の知識について
この世界に属さない知識、知ることのできない「真実」よ。あれはアビスの底からくるもので、私さえ理解できない。世界はあれ「排他」し続ける。でもそのせいで、世界に様々な「症状」が生まれるの。
・アーカーシャを作った理由
あの時、私にはわかっていたの。単に自分だけの力では、禁忌の知識を駆逐するなんて不可能ってことに。だから私は人間の知恵を統合する装置を創り、それを「アーカーシャ」と名付けた。…長きにわたって、私は夢こそが人間の知恵の結晶だと思ってきたわ。少し勝手なやり方だったけど、それでも私はアーカーシャを利用して人々の夢を借りた。人々の知恵を統合し、その上で私が持つすべての力を尽くしたわ…。スメールの民の知恵のおかげで、禁忌の知識はほぼすべてが世界樹から取り除かれたわ。
・マハールッカデヴァータに起きた異変
でも、私の予想していたほどうまくは行かなかった。ある頭痛が不吉な予感をもたらしたの…その時やっと、私の意識が世界樹とつながっていることを思い出した。世界樹が私に知識と知恵をもたらすと同時に、汚染も私の身に襲いかかった。最初から…私という存在は禁忌の知識によって 汚染されていたの。
・クラクサナリデビを創った理由
たとえ私が死しても、私の存在、私と関わる全てが記憶と知識として世界樹に保存される。それにより、禁忌の知識は永久に根絶されることがない。そして私も…永遠に自らを「消す」ことができない。一種のパラドックスね。だから私は、世界樹のもっとも純粋な枝を折って、私を輪廻転生させ、手がかりを残した…あなたをここに来させて、汚染された私を世界樹から完全に消すために
・「世界が…私を…忘れて」
世界樹にはこの世のすべての知識と記憶がある…私を世界樹から抹消するということは、私が始めからこの世に存在しなかったのと同じこと。でもね…これこそが世界樹を救う唯一の方法なの。
これがあなたたちのずっと追い求めてきた答え、知りたいと思っていたあの言葉のすべてよ…。世界が…私をどうか忘れてくれますように…」
私たちはみな知恵の樹のもとで息づき世界を読もうとした
土から読み、雨から読み、そして白き鳥となって枝に上り
やっとのことで重要な一枚の葉を口にくわえるの
かつて私はこの世で唯一夢を見られる個体だった
私の夢では人々はみな夜になると夢の世界に入れた
人々の脳裏には様々な発想が現れ
地面に転がるもの、空に浮かぶものがいる
それはすべての物事をつなぎまばゆい網にした
三千世界の中にさらに小さな世界があり
すべての運命はその世界で躍動した
だんだんと分かったの
これら描写のできぬ変化し続けるものこそこの世で最も奥深きものであると
それらのみがあれら狂気を徹底的に駆逐できる
夢のみが意識を最も深い暗闇から呼び覚ませるの
我こそは問いを唱えるもの、そして同時に答えを探すもの
人々の夢で世界を救うそれがかつての私の答え
そして今あなたたちも自らの答えを見つけた
すべての夢を人々に返すわ
スメールの民よ、さようなら
今宵、素敵な夢があなたたちに訪れますように

スメールで重要な要素だった「夢」。「スメール人は夢を見ない」、夢を見なくなった時が大人になった時、夢で見たものは理性に欠ける、アランナラは夢を見させることができる、草神が夢を見させる能力がある、アーカーシャは夢を集めている…など。そして、2幕のナヒーダの発言、「夢は永遠に不思議なものよ。繊細で想像力に満ち溢れている。それに、人間の脳がもっとも活性化するのは、夢を見るときなの。言い換えれば、夢とは人類の英知の集合体というわけね」。夢は思考の枷を外し、人間の想像力を広げるようなものだと私は感じました。

意識空間から戻ってきた、旅人とナヒーダ。ナヒーダの目には涙がうかんでいた。ナヒーダはその涙の理由がわからない。そして、パイモンもマハールッカデヴァータに関する記憶をすべて失ってしまっていた

急に意識を失う旅人とパイモン、そこに現れたのは「博士」だった。教礼院が開発した人を夢境に入れる音波をつかって二人の意識を失わせた。「博士」は実験の材料、つまり神の心を回収しに来た。
舟でスネージナヤに帰ったはずの「博士」がいるのは、この世に複数の「博士」が世界に同時にいるから。「その昔、私は世界の観察をするため、自身のすべてを残そうとある重大な決断をした。「観察」は「実験」の第一歩だ。だが今ある世界の観察だけでは満足ができない、「時間」という重要な次元が欠けている。それゆえ、私は様々な年齢における自分を「断片」として保存し、それらを独立の個体とした…」
博士は創神計画をあくまで一回の実験結果にすぎないと考えていた。万一神が本当に作れたとしてもその可能性に直面するかもしれない私に判断をゆだねるべきだというどこか他人事。

そして、神の心を回収しようとする。戦力差は明らかでナヒーダに勝ち目はない。しかし、ナヒーダは賭けに出る。「…私がいまここで神の心を破壊し、「天理」を呼び覚ましたらどうなるかしら?「天理」は長いこと沈黙を保ってるけれど、神の心は「天理」がテイワット大陸及び一切の「法則」をつかさどるための象徴よ。それを破壊したら、もう一度「天理」の目を引けるかしら?」
博士はそのような可能性は無視できなかった。そして、取引を行うことに。ナヒーダはほかの「断片」をすべて消去するということを持ちかけた。スメールに対する潜在的な脅威を排除するためである。そして、雷の神の心も災いをもたらすものであるから、手元に置いておく理由もなかった。

そして、貪欲にも草の神の心を持って行こうとする「博士」。そして、今度は博士から交渉を持ちかけた。「お前は全ての知識を持っているが、このうわさを聞いたことはあるか?たしかこういったか…「テイワットの星空は偽りである」。…それは世界樹によって隠された、世界全体に関する「真実」の秘密…」。交渉を終えた博士はその場を去った。

勝利の祝い酒

意識を回復した旅人はガンダルヴァー村にいた。そこにいたコレイは魔鱗病が完治したと元気な様子、ほんとうによかった。ニィロウから手紙がありバザールで宴があって英雄に出席してほしいとのこと、ついでにセノの復職の祝いもあると。計画に参加した賢者たちは草神の赦しをえてアビディアの森で修行することになったそう。自分が譲歩していた責任も大きいと考えたのでしょうね。ハイパシアも回復し早速修行を再開しているという。

バザールでニィロウと再会する。そして、参加者が返事をよこさないと言うので探すことに。

アルハイゼンとカーヴェなにやら次に向けての伏線が仕込まれる。
砂漠で大掛かりな工事をしていたよ。だがそれを言っても君にはわからないだろうね。君たち知論派のなけなしの建築美学では…ふふっ」

ディシアはドニアザードと一緒にいた。彼女はフーマイ家の傭兵をやめ、旅に出るという。セノとラフマンはアアル村にいた、そして、そこにはセタレもいた。砂漠の民に教育するという。「キングデシェレトの民は今まで、封鎖の苦難、流離の苦難、そして無知の苦難を受けてきた。だからこそ、我々もセタレさんをとても歓迎してるんだ。彼女の訪れは、まるで砂漠にあらわれた夜空の星さ」。「この何百年の間で、初めて希望が訪れた、これはきっと…砂漠の転機だと思ってる。あの言葉を覚えているか?「ここに眠るは我らが忠誠なる祭司、カサーレ。その英知はまさに奇跡、賛美と謳歌に値する。」「…砂漠の民から、再びあの祭司のような智者が現れることを願ってる。かつて世を震撼させた英知と栄光を再び見たいのだ」。砂漠の民にも明るい未来が見えてきた。

ここのセタレの発言は個人的にはめちゃくちゃツボに入った。「セタレ、なぜ家に帰らない?」旅人がアドリブで色々やったところですね。

そして、宴の日。ここで、クラクサナリデビが話題になるも、みなマハールッカデヴァータのことを忘れていた。歴史は、クラクサナリデビが500年前にスメールの民のために力を使い果たし、記憶を失った。スメールの神が最初からクラクサナリデビ一人だったと考えている。この世界で、マハールッカデヴァータのことを覚えているのは旅人のような降臨者だけなのだろう。マハールッカデヴァータの遺志を尊重し、旅人はこのことを秘密にした。宴は旅人の体を借りたクラクサナリデビが現れるというサプライズもあり、盛り上がって終わった。

スラサタンナ聖処での会話

魔神任務が終った後の会話は何かと情報が多い。今回も例外ではなくたくさんのことが明らかになった。

・旅人が眠った後起こったこと
第三位とそれより上のファデュイ執行官は、神にも匹敵する実力を持っているわ。あの状況では、私は彼の相手にならなかった。でも、形勢は劣っていたけれど、「博士」と対等の取引ができたの。あなたも覚えているでしょ。あなたの運命を変えた——「天理」を。事実、「天理」は五百年前のカーンルイアの災い以降、今の今まで沈黙を保っている。だからそれを利用して博士を脅したの。もしも私がこの神の心を破壊すれば、「天理」を呼び覚ますかもしれないってね。ただの憶測にすぎなかったけど、彼を抑えることに成功したわ。「法則」に関わるようなレベルの破壊を、「天理」も黙って見過ごすわけがないから。私が神の心で何を交換したかについてだけど…「博士に対する罰、そして知恵の神である私でさえ断れないような「知識」よ。

最初に旅人が襲われたのは、「天理」の調停者という者でしたが、それが「天理」そのものを刺しているのかいまだによくわからない部分があります。

・散兵について
彼はずっと意識を失ったままなの。だから羽毛を一枚隠すように彼のことを隠しておいたわ。あなたが彼のことを不安視するのはわかるけれど、「かつて神になった」彼の体には、とても有益な特質がいくつか残ったの。…。それから、彼の体にはいくつか謎があるわ。私の視点から見るとはっきりしているけれど、彼自身にはかえってわからないみたい。

「とても有益な特質」「体にはいくつか謎がある」という点が気にはなる。「博士」が言っていた「この世界の空は偽りである」というのは、ver1.1で散兵が放った有名なセリフ。彼もこの世界の秘密については彼も気づいている。記憶喪失ってオチはちょっと悲しいからやめてほしい。あの子供っぽい、人を否定しながらも人間っぽいのが散兵の魅力だと思ってる。

・フォンテーヌについて
あの国の運営は正義に関する審判のシステムの上に成り立っているわ。…フォンテーヌには最高審判官が一人いるの、一般的には、神である「フォカロルス」が直々に審判に参加することはないわ。でも…すべての審判において、フォカロルスが欠席することはほぼ皆無。彼女はただ、あの雰囲気に酔いしれてるだけのようね。そして神である彼女も、最終判決に影響を与える権利を残しているわ。とにかく、うん…非常に個性的な神よ。

ナヒーダのキャラ紹介に「フォンテーヌ最高審判官ヌヴィレット」という人物がいました。彼(彼女)は水神のことを「ヒステリックなやつ」と言い放っていました。「正義」の国フォンテーヌ、来年であろうが楽しみ。

・お兄さんについて
あなたの探しているあの血縁者は、あなたとは違うみたいなの。この世界は確かに、彼についての情報を記録してるわ。言い換えると、彼はこの世界の人間なのかもしれないわね。私の触れられる記録の中では、あなたの血縁者は突如としてカーンルイアに現れたの…。カーンルイアの災いの後、彼はテイワット各国を巡る旅に出た。でも彼の旅が終わりに近づいた時、世界樹にある彼についての記録がいきなりぼやけたの…。確かなのは、誰かが何らかの理由で意図的に彼の「運命」を隠しているところよ…。そしてそれができる者は…並外れた力を持っているに違いない。

ここが一番衝撃だった。お兄ちゃんがこの世界の人間だと…?それだとさんざん語られてきた家族愛は何なんだということになってくる。私は個人的にはこの作品は家族愛の作品だと思ってます。お兄ちゃん(ないし妹)を探す旅ですしね。苦難を乗り越えた先に感動の和解があるはず…と思ってました。並外れた力と言えば真っ先に上がるのは「天理」ですが、彼女は世界樹に干渉することができるのでしょうか?そして、もう一つ、「星海の外」から来た旅人については世界樹に全く情報がなかったという点がものすごく気になる。世界樹にあるのはテイワット大陸にあるすべての情報と記憶、なら旅人の旅も記録されているのでは?と思った。世界樹にすら記録されないのか。お兄ちゃんの記録が残ってるのは森林の書の「金髪のナラ」について記録が残ってるしわかります。このことはちょっと別記事でも少し考えてみます。

・降臨者
ひとつ特筆すべき点があるわ。私の知る限り…ファデュイの情報システムにおいても、彼らはあなたの血縁者を「降臨者」の範疇には含めてないということよ。…。私が神の心でファデュイといったい何の情報を交換したか、あなたも気になるはずよね?その中の非常に重要な一部こそ、この世界の「降臨者」…世界に属さない外来的存在のことよ。旅人、あなたはテイワットの「第四降臨者」なの。…私が推測する限り、「第一降臨者」は今の「天理」だと思うわ。そしてほかの降臨者の存在については、まだ時間をかけて「考証」する必要がある。

ここで新たに登場した「降臨者」という概念。第○~とかつけると使徒やら律者を想像してしまうのは無理もないところ。スターレイルの「星神(アイオン):星の深海をさまよう神秘的な存在。星神は目視できない運命の道を歩んでおり、人々はある理念のもと、その力を行使している」も近い存在かもしれない。これについても別に詳細に考えよう。
PS勢だけが持っているレア武器「降臨の剣」、「独特な形をした剣。この世界の物ではないようだ。」

これはあなたが特殊な方法でこの世界にたどり着いた証。
これは「世界」を挑む者にしか、手に取れない剣。
前にこの剣が振られた時、人たちは滅びかけた世界を救おうとした
その世界は彼らの唯一で、最後の居場所であった
この剣が挑戦しようとしたのは、世界が滅び行く運命だった。
——「生者必滅」の宇宙の規約を剣で挑むのは、
馬に乗り槍を持って風車に突進する行為と同じくらい可笑しなことでしょう…
それより、このような運命と、億万の星を呑み込む深い闇と向き合うには、
どのような武器を手にすればいいのだろう?やはりこの剣の出番だ。
少なくとも、剣には世界と戦った勇敢な記憶が刻まれている…
今回この剣が振られた時、あなたは世界に隠された答えを探していた
このような世界ならば、この武器を随意に使うことができる。
宇宙の薄暗い目線が向きを変えたわけでも、この世界が元からこんな風格であるわけでもない。
——「追求」が、あなたがここに降臨した真の理由であるからだ。
「過去」が隠滅される前に、「未来」が降臨する前に、
「現在」が消え行く今、この剣を信じよ。
保身用にはぴったりだ。だってあなたのような
「挑戦する者」、「追求する者」のためにカスタマイズした武器なのだから。
それを持って、この世界を行け、
そして、「世界」が残したすべての謎と挑戦を切り開くのだ。

https://wiki.hoyolab.com/pc/genshin/entry/2041

私はあなたを待ち構えている運命にとても興味があるわ、観測されることができず、この世界に記録されることもない旅…前に運命は究極の知識だと言ったけど、あなたの未来は「究極の運命ね」。

おわり

感想とか

まず、5幕についてですが、賢者を倒し、神を救い、さらに、世界樹を救うということ全てきちんと描き切ってくれた。ほんとにそこまでやり切れるのだろうかなんて思ってたのですが、杞憂でした。しっかり尺取って、丁寧すぎるくらいにまでやってくれました。HoYoverseに感謝。

マハールッカデヴァータの悲運については心苦しくなりました、今回で一番印象に残った部分でした。あれだけ民に慕われて、愛されて、尊敬されて、国のために尽くした神が忘れ去られなければならなかった運命。

鍾離の伝説任務を思い出しました。すごく懐かしいスクショですが(リリースから稲妻あたりまでiPadでやってた)、当時はメタ的な意味だと思っていました(プレイヤーである私たちの問いかけ)。スメールの話を終えた後だと、また違った意味に感じます。

あらすじにちょこちょこ感想を挟んでるのであまり書くことがないような気もしますが、ひと言でいうと、2年以上やってて一番面白かった。スメール。ポテンシャルの高いゲームだと思っていましたがまさかこれほどまでにいい話を持ってくるとは。

私のいいたいこと、宴のニィロウのセリフに全部詰まってます。「みんな大事な時に自分の役割をきちんとやり遂げてたもの。公演と同じように、私たちは一人一人舞台に上がって、最高のパフォーマンスをしたんだと思う。誰もが重要な存在だった!私たちみんなの力で、パフォーマンスが無事に幕を閉じたんだよ」。本当にそう、これ以上いうことはない。

正直に言ってしまうと、稲妻が終わった時点でスメールには全く関心がありませんでした。「知恵の国」ってなんか地味そうだし、めんどくさいパズルとかおいてありそう。どちらかというと私はフォンテーヌを楽しみにしてたので箸休め期間かなと思ってた。いい意味で期待を裏切られた。

3.0~3.2まで久々に原神にのめり込んだ。これで終わってしまうのもなんとも惜しいかぎりだ。ver3.3以降は砂漠の話のつづきがありそう。「黄金の眠り」については何とも後味のわるい終わり方でしたし、聖顕殿の北にまだマップが残ってます。カーヴェが砂漠に行ってた理由も気になるところです。

予定としては
まず、スメール魔神任務整理→森林の書→砂漠→その他の魔神任務→淵下宮→ほかのイベントなどなど、サイトマップを作って徐々に補充していく感じになると思います。相当な分量になるので時間はかなりかかるでしょうが。週2くらいは更新したい。

ManQ

原神も3年目となり新しい楽しみ方を探すべくブログを始める。
ストーリーのテキストをじっくり拾って読むのにはまってます。
神話は詳しくないので頑張って調べてます。

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