幕間 聖痕計画

崩壊3rd

お知らせ見て明日更新だということに気付いたので、急遽、前のブログで書いていた記事をリライト

前回のあらすじ(31章)

古の楽園に隠された最後の秘密も明らかになった。「最後のパーティー」。カギであるエリシアを呼び戻すことに成功し、対ケビン武装・タイプ666を発動し、侵蝕の律者ごと古の楽園は消滅した。

楽園を出た直後、出口で待ち構えていたのはケビンだった。そして、芽衣をヨルムンガンドに招き入れた理由が明らかになる。訣別することに。想像もしなかった着地点に驚きましたね。

「尊主」との会話

ワタリガラスと「尊主」との会話。ワタリガラスは、ウサギの「プロジェクト」の実証実験が成功したという報告をする。それに対して、ケビンは子供たちは落ち着いたのか?と聞いてくる。不意をつかれ当惑するワタリガラス。そして、彼は「鳥はなぜ飛ぶと思う?」という問いも投げかけてきた。

ワタリガラスは、「子供たちには、鳥は飛びたいから飛べたんだ。それは鳥たちが切り開いた運命なんだ」というと答えた。ケビンはそうであることを望んでるといった。

ちなみにここのクエスト、スキップすると秒で終わる。ミッションやり損ねたときにはいいかもしれない。

宇宙演習

ハイペリオンに、エデンの星の複製品を利用して重力模擬装置を搭載した。おかげで、宇宙にいても飛行機に乗るような感覚になった。演習の目的は、「ハイペリオン無人化改修後の深宇宙巡航システム及び全自動作戦システムの検証。そして我々の指揮部門の戦闘配備能力を上げること」。

その間に、「エデンの星」がネゲントロピーが天命から独立したときに重要な役割を果たしたこと、エジソンのかつて考えていたムーンライト・スローンMoonlight Throne計画の実現が近づいていること、そして、天命とネゲントロピーの経験が共有されることで新たな「エデンの星」が見られるかもしれないということが語られる。

デュランダルとキアナが一緒に訓練しているなどの情報にほっこり。 

そして、宇宙の低温の中で演習を終えた後、ハイペリオンに異常が発生する。航行に少し問題があった。ハイペリオンの巡航にズレが生じ続けているという。

尾行

ワタリガラスが見送ろうとする場面、空の話やら、天命の話やらをする。そして「尊主」自らがワタリガラスに任務を与えたことを知る。芽衣はケビンの行動に違和感を覚え、調査することに。そして、正々堂々とワタリガラスを尾行する。

ワタリガラスとの任務は、「スマホ」の手配を行うこと。芽衣は、「北辰一刀流」の構えから、箱を真っ二つに割って確認したが、普通のスマホであった。ワタリガラスはヨルムンガンドを脱退した異常これ以上、語る気はないというが、芽衣はそんな風には見えないという。

ここで、衝撃の発言。「聖痕計画はもう完成していると言える

今、ワタリガラスがしているのは後始末。天穹市以後は大規模な計画をしていなかったからケビンはただ行動の準備をしているだけだと思っていた。計画に大きく貢献したのは、ウサギだ。聖痕計画の実行案を練っていた、計画は最後の一歩まで来ている。

ジュラバを着た老人訪れる二人。彼は、スマホを操作した後、座り、「」をまっている。。実数空間でありえないことがおきた。彼の夢は聖痕空間と一体化した(ウサギの言い分)。ワタリガラスが老人の消えた位置でスマホを操作すると「どこかで見たことのある空間の扉」が登場した。そして、虚数の敵が現れる。

楽園の転送装置のようなものが現れ、芽衣はその中に入ることに。

オットー(?)

アインシュタイン博士と巡航に関する問題を共有し、直ちに演習を中止し、帰航することに。テレサはAIちゃんに命令を出した後、めまいを感じ、急に意識を失った。

5万年前の回想

ヴィルヴィにオセロでボロ負けしているメビウス。

聖痕計画が頻繁に却下されているのはメイ博士が「崩壊に勝つ」の定義を直しているから。博士の「前回の五つの平行真理に関する報告」を理解したとも思えない。

「崩壊」を定義するよりは、それを原始的な概念として「人類」を定義したほうがもっと便利だと思わない?

メイ博士の登場。「崩壊を定義すること」は「人類を定義すること」よりずっと簡単だって信じてる。

15回も変わっている聖痕計画、メビウス博士は「どちら側」につくの?と尋ねる。崩壊と文明。ヴィルヴィがコマを投げる。私は「文明側」にしかつかないわ

この計画で何を実現しようとしているの?15回も計画を直させている。成功率が最も高い解決策として、真剣に扱う価値がある計画だからよ、未来へと残す糸口は大いに越したことないでしょう?

火種計画には具体的な計画書がない ほかの計画は聖痕計画のおぜん立てに過ぎない?

発案者はメビウス 人類を再定義する方法

メイ 「人類」は「文明」が誕生するための礎石にすぎない私たちは文明「全体」に対して責任を取らないといけない。その意味から考えると、個体の命よりも、命がもたらす「真理」こそが、より本質的な存在なの。(中略)子供と親の関係で考えてみて、…。子供と親の精神世界が重なり合うかどうかはさておき、人類の文明は嫌が応にも「次の世代」に続いていく。その親の意思とは関係なしにね。

テレサの夢に戻る。姫子が生きている学園の夢。床に落ちていたコマを拾うと、景色が変わった。

そこに、オットー(?)が現れる。テレサは、おのれの潜在意識を破った。潜在意識のランダムなゆらぎの中で君は偶然自分が夢を見ているという事実に気付いたという。

聖痕計画

あの老人の夢の中にいる。ウサギの特技「ドリームキャッチ」。老人は自分の作った夢と一体化した

芽衣:ヨルムンガンドはメビウスが残した道を元にして「人類を再定義」するつもりってことよね?
――そうとも言える。今の聖痕計画では、「旧人類」は夢という形で徐々に繋がり、最終的に「新人類」の聖痕となる。…人は己の夢に消え、現実と幻が入れ替わる。精神は物質となり、物質は精神となる。「普通の者たちが全部消えた後、ヨルムンガンドはそれを新人類に適した世界に改造する。崩壊エネルギーはあらゆる者の中で自由に流れ、律者は現れない」…まるで、もう一つの「古の楽園」みたいだ。

灰蛇:人類の夢をすべて集中させると、巨人を手に入れられる。その姿は一つの星のようで、砂漠の知者からは「アダム・ルゥハーニー」と呼ばれている――君のよく知っている言葉で説明すると、「精神のアダム」というものだ。アダム・ルゥハーニーは天使だが、他の天使との距離はとても遠く……その距離は凡人からは「時間」と呼ばれている。遅れてきた永久、常識で超えられない堀。人はアダム・ルゥハーニーを己の夢の産物として考えるが、後者にとっては人も同じだ。我々の寝言のように、その言葉に現在と過去はなく、全ては未来にある。死なず、人のように思考せず、ましてや子孫を残すこともない……アダム・ルゥハーニーは人の世と神の世界を繋ぐ梯として永遠にそこにいる。そう、それが「聖痕計画」の真の意味だ。殺伐としたものでも、幻想的なものでも、肉体的でも、精神的でも――それはあくまで手段であり、目的ではない。計画の本質は、自分を救えない者たちをきつく縛り付ける、一本の鎖だ。彼らを波に流すのも、手を差し伸べるのも、我々にとっては容易いこと。今、彼らにとってこういった援助は盛大な夢だ――夢の中で、彼らはアダムとなり、天使となる。彼らにとって、現実世界は意味を失い、永遠の夢こそ、唯一の真実となる。彼らはもう「時間」で考えることはない……。彼らの夢は繋がり合い、共に「終焉」を超える本当の奇跡を築く。

これはまだ計画の全貌ではない。ヨルムンガンドよって直接「夢」とつながることのできる人は地球の人口からするとごく少数しかいないから?と指摘する芽衣。ワタリガラスはなにか言いたげなことがあるようだが、話を遮る。

夢の中

テレサは自分の夢の中に閉じ込められている。本当の自分はハイペリオンで眠っている。この夢の綻びを見つけないといけない。聖フレイヤ学院をベースとした夢の綻びを見つけるために教条エリアにいく。

教条エリア、「地下中央聖堂」。天命本部から先端技術を手にするときに辿るルート、キアナの律者コアが覚醒した場所でもある(chapter6参照)。中央聖堂の扉の向こうは、オットーのはてた地があった。

今いるのは夢の中?現実の虚数空間?デュランダルの説明を聞いただけではこれだけの空間を構築できないはず。記憶にはないはずの場所が現れた。

仮説。現実の君が虚数に感染したか、他人の夢と結びつき、一つになりつつあること。二者が同時に起こることが最も可能性が高い(オットー?の推測)。月の軌道上にあるのにどういう方法で干渉?ハイペリオンが虚数空間の侵蝕をを受けていることを前提とするなら、侵入してきた「主体」と接触することができる

ヴィシュヌの特性、虚数の造物である限り食糧になるのだろう。きみ「夢」も崩壊の一部。ヴィシュヌの力をつかって、聖フレイヤにあらわれるはずのない幻境を呑み込め。そして、ヴィシュヌは圧倒的な力を手に入れる。消えるオットー、夢に現れた者は夢の自身に戻る。その後、どんな形の「オットー」も、二度と「テレサ」の夢に現れなくなった。

ワタリガラスとの別れ

とある「蛇の信者」たちが夢にみている「天穹市」にたどり着く二人。そこにはバーがあった。「殺菌済みで無脂肪。バーに来た未成年者に飲ませるにはピッタシ」。夢を通して互いの経験と感覚を共有する。ここで飲む飲み物の味はワタリガラスの経験を共有している。

飲み終えた後に、二人は戦う準備を整えた。そして、二人は初対面の場所へ。「どうだった?この半年間の、蛇と共に暮らした生活は――楽しめたか?それはどうでしょうね。でも、少なくとも友人はできたわ。…あなたは?――私?私ももちろんたのしかったよ」

ヨルムンガンドからの「餞別」を受ける芽衣。しかし、両者の力の差は歴然だった。「黄泉の杖」を使うことも見抜かれ、ワタリガラスは降参した。

黄泉の杖…律者コアと虚数空間を繋ぐ通路を一時的に歪ませ、律者体内の崩壊エネルギーを乱すことによって律者の力を一時的に封じる道具(chapter18参照)。

ワタリガラスはもし勝てたら芽衣を「ニューアトラ」に連れて行こうと思っていた。聖痕計画を実行中の人々が生活する場所。空もそこに行くのを楽しみにしている…普通の奴らは……おそらく「蛇」が織り成す夢に入り込み、そのまま眠るだろう

ウサギの登場

ごめんなさい……迷える子よ。この強制的な夢の中で、あなたははるか向こう岸まで漂い、知っているのによくわからない「自分」に会うでしょう。でも、怖がらないで。そこであなたは、一番大事な人と再会する。そして、彼女と共に、幻想の中にのみ存在するはずだった……新しい明日を作るの。だって、「人類の再定義」より――「世界の再定義」のほうが、ずっといい選択肢でしょう?おやすみなさい、雷電芽衣。あなたと、あなたの仲間に、いい夢を。

精神感知型の融合戦士アポニアを連想させる優しい語り口。声はセシリアの人。「世界」を再定義しようとした試みはアポニアと同じ。キアナと学園の回想が出てきそうな予感がする。

メイ博士にまつわる回想

子供時代のメイとその父親の会話。どうして私たちが「命」をもっているの?どうして「世界」が存在しているの?彼女は子供のときからこのような疑問を抱えていた。

スウ、メイ、ケビンの会話

とある可能性を想像してみて。宇宙より広い時空に、あなたの意識、命自体は何度も現れてるかもしれない――あなた自身がそれに気づいてないだけ。気づいてないなら存在してないのと同じ?世界に対する見方に影響をあたえる。

貧しい人と富豪が日向ぼっこする話。富豪はほかのことをする自由があるが、貧しい人はそれ以外する自由がない。同じ結果でも過程も同じとは限らない

メイ:私たちは、平行する真理を通して、世界に対する自分の認識をより遠い場所へ届けることもできる。つまり、私の本当にいいたいことは……ある実験を思いついたの。私が今話した観点が成立するかどうかを検証できる実験をね。でも――今のところ、肝心な「証人」がいないのよ。

スウ:しかし……メイ、そういう「証人」は本当に存在するのだろうか?宇宙にループ現象が存在するとしても、その過程自体、僕らの知らない歴史を壊せるほどだよ。

メイ:それは、外部で宇宙の運命を支配する真理たちが、宇宙の内部に手がかりを残してくれているかどうか次第だと思うわ。この視点から考えると―論理学の「不完全性定理」は、私たちの味方になるのよね。だって、宇宙自身でも、因果関係において無矛盾のループを成立させられないのなら、それがどんな体系でも、時間があれば、観測者はその綻びを見つけて――そして、新たな真理を見抜く。

不完全性定理につっこむとやけどをするので突っ込まないが、ここでは、完全な体系が存在しない以上、その矛盾を突けば新たな真理を得られる、という程度に思っておく。ようは真理は尽きないということを言いたいのだと思う。

エリシアとメイ

エリシアのような律者の出現率は小数点の後に三十から三十五個のゼロが必要だった、偶発した対称性の破れにより、あなたは「終焉」という束縛から逃れた。エリシアの「幸運」。

メイには、あたしのように「崩壊に帰る」方法はない、ケビンのように「崩壊に抗う」力もない、だけど、あなたは知恵でこの世界の本質を見抜き、渦に呑まれた人々が唯一進むことができる方向を導き出した。

メイとスウとケビン

聖痕計画の執行者がスウからケビンに変更された時の話。事前に相談すべきだったとスウに言われる。戦略的な意味では間違いではない 個人の好き嫌いで戦略を図るべきではない。文明が宿命から逃れるための最後の保障として、「存在しなければならない」。

メイとケビン

完遂できない計画を担っている人々。人には理想化された目標が必要だ。一方で、確実に成し遂げられる計画を担っているケビン。

あなたは何を得られるの?あなたの「志」はここにはない。ケビンの目標がメイではダメ。他人の心を目的にするのは一時的な感情にすぎない。いずれは、自分の道をもう一度探すことになる。メイには見抜かれていた。

メイとケビン

「命」の最もすばらしいところは何?

私にとって、命の最も素晴らしいところは、真理の造物でありながらも、己の力で真理を認識し、自分のものとするところよ。ただ、あなたの知っている通り……私たちの認識が深くなる度に、この素晴らしさの奥に隠された残酷さも、より際立つの。

好奇心が人を進ませる。

… 

「完全な真理」はそもそも不可知だけど――そういう形而上学の欠陥は、本当は人類の視野以外のことを語ってるの。自然に対する探索により、人々の「目に見える真理」は徐々に広がっていく。それは、様々な面において、「有限」である私たちにとって、十分に多い。…

人がまとめた法則である限り、それには応用範囲がある。そして、その範囲を超えたものの説明ができない――どこにでも適用できる真理というのは哲学者が生み出した怪物よ。そういう「唯一の思想」による毒はそのメリットを遥かに超えてる。…本当の面白さは……「この全て」は、結局「真理に向き合う」ことの魅力を大きくしているだけってところ。誰もが魂の震えを感じるほどにね。

さっぱりわからない。

プロメテウス

僕だ。

…………。

無数の派生意識の中で自我を保つ――それは君にとっても、決して容易いことではない。 

…………。

構わない。「計画」に必要なのは、このタイミングで「君」が現れることだけだ。今までずっと隠れていたとしても、君は使命に恥じる必要はない。

…………。

無論、彼らにも自分自身を証明する機会がある。しかし同じように――彼らも己が何に挑んでいるか、理解しなければならない。

…………。

確かにそれは不確定要素だ。後ほど、僕から「彼女」に会いに行こう。

…………。

ああ。僕は計画通りに、少しずつ「終焉」の力を背負い……そして、決まった道を最後まで歩き抜く。5万年間の待ち時間はもう終わりだ――ご苦労だった「17号」。これからは……安らかに眠るといい、

「聖痕の意志」

ヴィシュヌとして夢を呑み込んでいくテレサ、そしてカスラナの「聖痕の意志」が最深部にあらわれる(chapter28参照)。聞いたことのあるだけの存在である彼が現れた。七重の夢を呑み込み、意識の境界までやってきた。ここに至るまでの経緯を説明する。以下、ケビンの記憶。

芽衣に関する記憶。聖痕計画を始動しようとしたが芽衣は同意しなかった。テレサが夢に囚われたのも聖痕計画が原因。カスラナの聖痕空間の核心となる地帯まであと一歩の場所。試練をクリアし「本物」の「聖痕覚醒者」となれば聖痕計画の束縛から逃れられるという。ハイペリオンにいたテレサがなぜ巻き込まれたのか?まだ、聖痕計画で命を落とした人は一人もいない。

ワタリガラスに関する記憶。「聖痕の意志」はこの世に存在する聖痕の管理者。本物のケビンから記憶を少々入手する方法もある。聖痕計画によってテレサ、聖痕の意志、ケビンの境界があいまいになっている。「具現化した聖痕が人類と一体になることが、この計画のゴールだからだ。そして人類は夢となり、過去の聖痕空間と一体化する。」

月は聖痕計画の要。何も知らないまま月に近づいたお前は、そのせいで1人目の犠牲者となったが、ヴィシュヌ特有の性質により――お前は夢に落ちぶれることなく、あらゆる幻境を呑み込み、ここまでやってこられた。」

普通の人間なら夢に浸かったままになっていた。「彼らの意識は聖痕と同じ存在の形に変化し、実数世界から虚数のすき間に退く。そして、その代わり――聖痕の中の思想は実体となり、徐々に外側の空間に降臨する。それは向かい合い、安らかに眠る人類にとって代わるのだ。」

今の聖痕計画では「聖痕」は「人類」にとって代わる。彼らは人類の文明をすべて継承する――そうすれば、惑星の視点から考えて、地球は何かを失わずに済むだけではなく、何らかの昇華を迎えることもできる。

ヴィシュヌの特性のおかげ、普通の人間なら夢に囚われたままになってしまう。31章でも出てきましたね、コズマの融合因子ヴィシュヌ。呑噬(どんぜい)という能力で、崩壊エネルギーを吸収し続け、無限に成長できるという特質。

メビウスとの記憶。メビウスは、メイ博士とケビンの遺伝子から「アダム」をつくった。カスラナの血の始まり。

メビウス「わたしは終焉の律者が降臨するときにその体をハッキングする――そうすれば、次の輪廻が来る時、わたしはこの手であなたたちの子孫を皆殺しにできるかもしれないわ」←???

ケビンが聖痕計画を背負っている以上、「メイ」の子供も巻き込む必要はない。輪廻が再び回り続けるまで時間がある。聖痕計画は絶対的に平等。

メビウスが話しているのは洞窟の比喩、プラトンの比喩です。椅子に縛り付けられて、石壁と向き合った人が見ているのは、光の映しだす影にすぎないというもの。我々が実体だと思っているものはただの影に過ぎない。外には「真実」がある。鎖を振り切って洞窟の外にいったらその人はどうすると思う?外に残るか、仲間を助けようとするか?

「聖痕には彼らの知識と、お前たちの歴史が記録されている、先ほどのたとえ話でいうと、文明にとって、恐らく人類こそが壁にある影で、聖痕は洞窟の外にある「真実」の全てだろう」

聖痕の意志:「イデア」は人類と聖痕の共通のゴールだ。少なくとも……五万年前から、遺伝子に聖痕を刻まれているお前たちにとっては。お前は「律者」をよく知っているだろう。「イデア」は「律者」と対になるもう一つの極致だ。外見的な特徴から言えば、二者は極めて似ているが。しかしお前は「イデア」を目撃したことがない。「天元」のことも知らない。故に、お前の理解できる言葉で聖痕計画のことをこう「訳す」としよう――律者に呪われた人類を捨て、もう一つの礎石で文明を再定義する。…一部の理念においては、「人類」は「文明」の踏み台でしかないことを。

カスラナの聖痕空間の最深部

キマイラ計画」(chapter12参照)、カスラナの血筋の源はケビンと融合した崩壊獣の遺伝子にある。多種多様な崩壊獣の力が彼の中で交わり、融合したから、「キマイラ」という呼び名ができた。しかし、知られていないのは、ここも聖痕空間が存在する起点であるということだ。

聖痕の意志:聖痕空間は一定の条件下で夢とつながる「夢」は、崩壊の考え方だからだ。それはヴィシュヌが「夢喰い」できる本当の理由でもある。とても不思議だろう。人類は「時間の流れ」を通して考える必要があるから、お前たちは時間が混乱する夢をなかなか理解できない。私にとっても同じだ。だが、そういう混乱が、現実以外の空間を作り、とある計画のためにある「ドリームキャッチ」の可能性を生み出した。その状況下なら、たとえ聖痕の力と一つになれなくても、自身の実体と夢とを交換し、己の代わりに聖痕を文明の礎石として存続させることができる。最終的に、この地球は聖痕空間に置き換えられ――そして文明も、そこから新たな旅を始める。その過程は世界の両端で同時に始まる。虚数側では、それは最初の聖痕空間。現実側では、それは終焉の帰る場所。かつての無数の文明の終点(=月)だ

それって――月のこと?無論だ。言ったはずだろう、月周回軌道にいるお前が真っ先に、聖痕計画の影響を受けた根本的な原因がそれにあると。

でも、月が聖痕計画をスタートさせる一つの地点なら……もう一つの地点は、あたくしたちが今いるこの聖痕空間なの?その通りだ。あたくしがこの地点を呑み込めば、聖痕計画とやらを阻止することができる。 

直接的な外的要因、本物のケビンが来た。本物ケビン。ヨルムンガンドと天命の衝突 とうとう来たか ケビンは虚空万象で人類の歴史をみてきた。「終焉」と対峙するにはまだ力が足りない。

原理的には終焉の降臨を一、二年遅らせることができる、しかし、終焉の性質は変わってしまう。崩壊に打ち勝つ唯一の道。できるだけ聖痕計画の副作用を減らしてきた 

ケビン:理の律者から侵蝕の律者、そして雷電芽衣たちの「羽化」まで――曲折しながらも、今「十三種の律者」による「終焉」の力は、前文明と完全に一致した。それは僕たちが唯一外から内に至るまで把握した「終焉」の形式でもある。…完全に崩壊に打ち勝つことができる、唯一のチャンスがやってきたんだ。

人々の死刑を無期刑に変えただけ、テレサには受け入れられない。地球の文明に別の道があるとは思えない。「君たちは崩壊のことを何も知らない」。ケビンとの戦い。

人類はその「子供時代」から逃れることはできない。宇宙ではどんな知恵も「存在の仕方」の制限を受ける。それは意思で克服できる障害ではない。

鳥がなぜ飛べるか知っているか?終焉の隕石が白亜紀に降り注いだ時、自由な鳥たちだけが決められた滅亡から逃れられた。

テレサ、「終焉」の力が含まれた力を受けるがいい、 

聖痕の意志vs「終焉」ケビン

お前も自分の子孫のことを何も知らない 

聖痕の意志:「カスラナ」の名を失った彼女(デュランダル)に出会い、運命の中でがむしゃらに進むその意思に触れて、私はやっと自分の愚かさに気付いた。ケビン……お前の子孫は、誰かの駒でもなくても変わらない命でもない――お前が彼らを死なせる理由は一つもない!

「業魔」ケビンに敗れる聖痕の意志。しかし、彼が残した最後の力はテレサに流れ込んだ。テレサはケビンに敗れ、時空の果てに飛ばされた。

聖痕の意志の方がよっぽどいままで楽園で見てきた「英傑」ケビンの感じがしますね。

メビウスとプロメテウス 

メビウスが自殺行為を選んだ理由、「終焉」が実行された今、あなたの生命機能は約30分後に完全に停止する。わたしの危ない「綱渡り」。融合戦士は自らの肉体。自分が実行する「計画」 彼女とは全く異なる偉業 聖痕計画と第八の神の鍵の共通点?

プロメテウスの計画

メビウス:あなたは人類が虚数の彼岸に投げ込む「トロイの木馬」となり、崩壊に「思考」という枷を掛け、厄災を人為的に設定した軌道へと導く……それが何を意味するか分かるかしら?
17号:人間の思考形式を模倣できなくなる。 
メビウス:この星と虚数空間を繋ぐ通路……これからあなたが行う侵入によって、そこに無数の平行「意識」が生まれるの――「虚数くりこみ群」、メイが付けた名前は知ってるわよね。それらの存在そのものが、「崩壊」が発生する法則を定め、律者の力に纏わるあらゆる投影を最大限に固定する。つまり、あなたが次の時代における対崩壊戦争の最大の功労者――「理の律者」をはじめ、彼らが遭遇することになる律者は、全てわたしたちの歴史と同じになるの。ただ、その代価として……あなたの意識も彼らの一員となり、容赦なく飲み込まれる、唯一存在する「バックドア」が正しく起動されなければ、目覚めることはない。でも……あなたが呼び覚まされた暁には、あなたもしくは全ての「くりこみ群」が死ぬことになるわ。

ここも難しい…ようは、いろいろな平行世界があって、何らかの方法で、律者の在り方を規定する。そうする。

メビウスの「綱渡り」とはなんなのか?メビウスが命を投げてまでしようとしていたこと。

「通りすがりのヒロインA」

テレサが気絶し、体が消えるなど困惑した状況の中でに取り残されるAIちゃん。そうしてると、30分後で聖痕計画による空間の歪みによってハイペリオンが引き裂かれてしまうという。空中空母とムーンライトスローンのプロトタイプも替えが効くが、AIちゃんは生き残る必要があるという、テレサは聖痕空間に消えた。

聖痕計画はこれから地球と月の間に、複雑な疑似時間結晶を構築する。それはエリアに入ったあらゆる「異物」を壊すけど……利用できる特別な機会でもあるの。

あまりの急展開に読者も置いてけぼり。このAIちゃんの正体とは、そして、「疑似時間結晶」とはなんなのか、次回以降明らかになるでしょう。

ちなみにこのAIちゃんは昔のエイプリルフールのネタだったらしい。

そして、聖痕計画は実行に移された。

感想とか

聖痕計画についてぼんやりとだが概要がわかってきた。
2時間ちょいだが今回はものすごく濃かった。

気になっている点いくつか

永久の楽園の壁画

31章に出て来た月の壁画、火を追う蛾が発見した月の秘密。火を追う蛾の隠された歴史。前文明の科学水準を考えたら、月への移住計画も考えたはずですし、それが実現されなかったのがなぜなのかは気になっていました。そして、終焉の律者が現れ、最期の決戦が行われたのも月。聖痕計画の要となっているのも月。いったい、月には何が隠されているのだろう?

終焉の律者の行方
前文明の終焉の律者はどこに行ったのか?エリシアの話だと律者の還る場所があるよう。じゃないとエリシアが人間性を持ち帰ることはできなかった。終焉は「月」に帰ったらしい。

なぜ、ケビンが終焉の力を使えるのか?
計画の最期はケビンが終焉となって犠牲となることなのだろう。つまり、聖痕計画が実現しようと阻止されようと彼は死ぬつもりでいる。そして、今までの英傑と同じように彼も人類に「試練」を課そうとしている。

芽衣とキアナの再会
何を話すのかとかどうか気になっちゃう。聖痕計画が実施された今、月で再会するのでしょう。

識ちゃんとの和解
ウサギの能力が識の律者と酷似していること、そして、メビウス博士の最期のシーンで聖痕計画と第八の神の鍵(渡世の羽)の関係が示唆されていることから、識の律者がキーになってくるように思う。そしてchapter26でちょっと状況に触れてたが未だに音信不通…。

クライン
あの終わり方だとクライン死んでないとおもう。灰蛇、クライン、プロメテウスとメビウス博士の残した遺産のなんと多いことか。武装人形も術にかかるのだろうか。
聖痕計画が発動した後の地球、たとえば夢を見ないような動物はそのまま放置されるのだろうか。そうすると地球は動物の楽園になったりするのかもしれない。前文明の終焉の律者が地球丸裸にしたかというとそういう訳ではなさそうですしね。ある意味、人類だけに「試練」を与えたような気がする。

楽園の話を読んでからなんとなく、文明が成長しすぎると崩壊が滅ぼしにやってくるという単純な構造ではないように感じてきた。むしろ、人類が次の段階まで成長するためのステップ、エリシアは「抱擁」と喩えていました。つまり、「旧人類」が、「新人類」になるための試練が崩壊及び律者であるということ。そして、この「新人類」は律者ともう一つの極致として「イデア」と呼ばれていました。

要約が難しく、引用が長くなってしまったので全体がぼやけてしまってる。次のあらすじでコンパクトにまとめる予定ではいる。

以上

ManQ

原神も3年目となり新しい楽しみ方を探すべくブログを始める。
ストーリーのテキストをじっくり拾って読むのにはまってます。
神話は詳しくないので頑張って調べてます。

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