「親子」の再会、そして反転攻勢へ(34章①)

崩壊3rd

今回は特に引っかかる部分もなく、分かりやすい話だったと思う。探索が終り、いつもの形式に戻ったため、シナリオが見やすくなったのもいい。ただ、聖フレイヤは一回くらい探索したい。

ロザリアとリリア

まず最初に、すごく久々にロザリアとリリアの出番。二人は、基地からこっそり抜け出したせいで聖痕計画の見せる夢の中に落ちてしまった。そこでは、崩壊獣は自作映画のお化けで、リリアが7時になったら寝てしまうようなこともなく、平和な世界だった…。ほかにも、病気で寝たきりだった人がスノースポーツに取り組んだり、亡き親族との明るい未来を描いたり、自分の成功した姿を見ていたり、まさに夢のような時間を過ごしていた。

ここに「精神のアダム」が誕生する。相変わらず、詩的な表現で分かりづらい。

いつもとはちょっと違う灰蛇の姿。

海淵城にて

正門を通じて、一瞬で月から帰って来たキアナら。ついた場所は海淵城だった。海淵城はかつてムー大陸の「アトラ」という都市に属していた。月の「ニューアトラ」はそれにちなんだ名前だった。聖痕計画の影響を受けてはいるが、比較的まだ安定していた。「七人」は取り合えず、キアナと芽衣、フカと識の律者、ゼーレとブローニャに分かれてそれぞれ調査を行うことにした。

しかし、識の律者の能力ってほんとユニークだと思いますね。複数人の間の意識にネットワーク作れちゃうんですから。学園のフェミリスの全域接続を小規模で行ってるような感じ。さりげなく「識ちゃん」呼びを定着させる委員長。

キアナは空間の性質を調査していると、うっすらと「聖フレイヤ学園みたいな空間」を感じた。

ブローニャとゼーレは、前にハイペリオンが停泊していたあたりに物資の調査へと向かう。ここで、ゼーレはケビンがどんな人物なのかということを尋ねる。ゼーレが以前にあった時になっていた「大蛇」は、末法型崩壊獣「ブラフマー」の化身「ククルカン」で、「トラロック」「コアトル」と同じく、キマイラ計画による量子の海に適応した存在だった。

※キマイラ計画…

識の律者は、ケビンは希望を現文明の人に託し、望んだものを見出したなら、全力で決着をつけに来るだろうと推測した。それこそが、ケビンが一体どのような人物であるのかという答えだと。

エレベーターに乗って上がろうとしたところで「ゼーレ」が現れる。ブローニャは今回は彼女のことに気付いた。カロスタンでムーンライトスローンを複製し、倒れ込んだ時に2種類の「ゼーレ」の力を感じ取った。それで、「ゼーレ」に感謝を伝えたかった。「ゼーレ」は自分が表に出ないほうが彼女のためではないのかというが、ブローニャが素直に会いたかったというので困惑する。

先に進むとなぜかスーサナと出会った。彼女は長光の手伝いをしていた。「千界一乗」の修復が完了し、何か取り残されたものがないかを確認するため、中を整理していたところうっかり寝てしまい、気がついたら海淵城にいたとのことだった。

通信設備を見つけたものの集積回路が壊れており使えなかった。完全な理の律者となったブローニャは、「無からの生成」ができるため、このような通信機器でも修理することができた。治った通信機により、495通信チャンネル大西洋電話。天命とネゲントロピーのホットライン)を使って連絡を取ることにした。

天命の「不朽なる刃」のアルヴィトルと通信がつながる。彼女により、天命が「虚数侵入」を受け、リタ、長光、琥珀が防衛していること、そして、ネゲントロピーも、ヴェルト、アイン、テスラが同様の対応をしているという状況を知った。情報共有すべく、三者会議を行うことになった。

三者会議

まず、スーサナが海淵城にいたのは長光の仕業であったということが明らかになる、彼女が、地球で最も安定していた空間を設定して、スーサナを千界一乗で先に送り出した。その後は聖痕計画の影響が大きかったので、千界一乗を再び使うことができなかった。

テスラは「元の世界の奪還」という目標のために新しい戦場を探す必要があると考えた。海淵城は前線から遠すぎる、天命浮遊島とネゲントロピーのソルトレイク基地は聖痕計画が集中して侵食しているエリアなので、反転攻勢する場所には向かない。そこで、キアナが漠然と感じている「聖フレイヤ」が手掛かりとなった。

律者の力を使って虚数空間を見ようとすると、どの方向に注意を向けてもその情報を感じることから、テスラは宇宙背景放射(3K放射)のようなものであると考えた。これで前回のあの謎の図と繋がってくるわけだ。聖フレイヤが聖痕計画の影響が現れた頃に巻き込まれたはず。橋頭保にすることができる。

聖痕計画が超高密度でぎゅってあった時に、近くにあった聖フレイヤはぐわっと引き延ばされて断片的な情報に散らばった。だから、等しい方向に同じ分だけの情報が感じ取れるという訳です。よく宇宙の広がりを風船で説明しますよね、あんなイメージだとおもいます。

地球に反転作業を実行するプランは意外と簡単に作れるらしい(なぜ?)。しかし、効率の問題と終焉の律者の力の問題が残る。そこで、①一般人の力を引き出し、効率の問題を埋めること、②終焉の力を手中に収めることが必要だという。

計画の実行手順

ステップ1
海淵の目とみんなで増設した通信設備を使って、地球の近くまで戻ってきてるはずのデュランダルと素裳に連絡を取る。
ステップ2
彼女たちと合流してから、空の律者の力を使って、散らばった聖フレイヤの情報を、須弥芥子で、各次元にできる限り記録しておく。
ステップ3
「虚数くりこみ」のテクニックを使って、散らばった情報を独立した次元で一体化させて、安定した「ビーコン」を入手する。
最後に、手に入れたビーコンを使って、戦いを担当する人を送り込めば虚数侵入に反撃できる。

ステップ1
海淵の目とみんなで増設した通信設備を使って、地球の近くまで戻ってきてるはずのデュランダルと素裳に連絡を取る。
ステップ2
彼女たちと合流してから、空の律者の力を使って、散らばった聖フレイヤの情報を、須弥芥子で、各次元にできる限り記録しておく。
ステップ3
「虚数くりこみ」のテクニックを使って、散らばった情報を独立した次元で一体化させて、安定した「ビーコン」を入手する。
最後に、手に入れたビーコンを使って、戦いを担当する人を送り込めば虚数侵入に反撃できる。

デュランダルは既に、合流し、計画の第二段階へ行くことに。

「星の目次」

ここで、ようやくテレサの出番。彼女は、カスラナの聖痕空間においてケビンに敗れ、行方不明になっていた。目覚めると、よくわからない空間にいた。ヴィシュヌの力が通用しないので、夢ではない。散策していると、「虚樹の残骸」と戦闘になり、そしてジークフリートと再会した。

そもそもジークフリートはなんで監禁されていたのかはよくわからないが(カスラナの聖痕の呪いのせい?)、昨年(2016年)ネゲントロピーの基地が襲われて、それ以来、カスラナの聖痕空間に監禁されてたらしい。ケビンが「キマイラ」の力を取り出したことによって出てこれるようになったとジークフリートは考えた。

聖痕計画など1年間にあったことを説明するテレサ。ジークフリートは「力が消え去った方向」を辿ることでテレサに会うことができた。このまま、進んでいけば他の人も見つけられると考えた。テレサとジークフリートは二人で探索を続けることにした。

そして、ここで唐突にΛが登場する。彼女は、味方であると言い、十分後に個々のッ空間が空の律者の権能によって書き換えられ、最悪の場合は、大型の敵との「生死を賭けた」戦い(おそらく実存主義)がはじまると告げた。「聖痕計画のメインネット」、「星の目次」にいるということを知らないでいる。ジークはケビンが「キマイラ」の力を取り出したことで、存在が安定していただけで、「本体」は聖痕空間にあることがわかった。そうこうしているうちに空間の書き換えが行われ、テレサは脱出した。

計画は第三段階まで終わった。前線基地として聖フレイヤを奪還することができた。

中央教会堂のあたりの空間がキアナの力で傷ついており、そこには「虚樹の残骸」「量子の影」がいて、そして、「緊急転移」の副作用で弱ったテレサがいた。一行はテレサと情報共有をする。そして、テレサは、空間のすき間が消え去る前に、ジークフリート・カスラナの救出任務を与えた。

カスラナの聖痕空間

デュランダルとキアナはカスラナの聖痕空間と一般の虚数空間が相互浸潤しているエリアにたどり着くことができた。ヴィシュヌの「夢喰い」の痕跡を須弥芥子でマークして進むことに。ここで、キアナとデュランダルの二つの選択肢がある。だいたいの人はキアナ選ぶと思う。

キアナを選ぶと、ジークフリートが初めてK-423のことを「キアナ」と呼んでくれたときの回想が流れる。「デュランダル」の方を選ぶと、K-423救出作戦について、当時のキアナが、ジークフリートを説得したことが語られる。そして、自分自身にあの時の選択を後悔しているか?と問いかける。

そして、カスラナの聖痕空間にたどり着く。デュランダルとキアナは協力して、ジークフリートの救出に成功し、そして親子の再会を果たす。

デュランダルはここですべてを告白すべきか迷う、そしてシュレーディンガー博士との回想へ。お顔を見るのは久しぶり(カロスタンでリタと密通してる時以来)。

ここで、シーシュポスの人生を肯定的に考えてるのはちょっと面白いですね。ふつう否定的な文脈で取りそうなところですから。こうして、デュランダルは全てを告白し、ジークフリートはそれを受け入れ、真の再会を果たすことができた。

一方、待ちぼうけを食らったテレサはリタと合流する。リタはデュランダルがセシリアの娘であることを告げていた。

一向は、次の段階へと向かおうとしたとき、芽衣がいなくなっていたことに気付いたのだった…。

(第一部おわり)

感想とか

28章から約束していた、ジークフリート・カスラナの救出、そして、「キアナ・カスラナ」が生きているということを伝えること、この二つが無事終わりよかったですね。もうジークが幸せな父親でいられるまま終わらせてもいいんじゃないか…、と思ってしまうくらい。でも、話はそうはいかないのでしょうね。

一方、物語はというとケビンが最大の壁として、立ちはだかっているのはわかるのですが、その先がまだ見えてきません。終焉の力をキアナに移したあと、世界はどうなるのか?そもそも「崩壊」はどこにいったのか?落としどころがよくわからない。

「崩壊エネルギーの99%が月に封印されている」という結論は後崩壊で提示されているので、あとはそこに行きつく過程だけです。これまでのシナリオで、「崩壊の意思」というのが前文明のプロメテウス(今の「世界の泡」のプロメテウスとは別)であることが明らかになりました。彼女は、虚数の樹と固有世界の接続をコントロールし、固有世界に流れてくる崩壊エネルギーの量を調整して、律者の出現の在り方をできる限り前文明に近づけました(「同じ」、と言っているが結構違うと思う)。となると、結局、「崩壊」に意識はないの?って話になります。「崩壊」が不可知であるならどうしようもなくなってしまいます。

それに、固有世界が虚数の樹に接続している以上、「崩壊」からは逃れることができません。かといって、世界の泡になれば今度は泡の寿命の問題が生じてくるし、根本的な解決にはなりません。ということは、第1部では片付かないんだろうなぁ。聖痕計画と終焉を乗り越えるのが、第一部「月の起源と終焉」の話で、それ以後は、「崩壊」に深く踏み込んでいく話になると予想。個人的には、第2部は量子の海の探索だと思ってます。

なんか引用多くない?

デュランダルの最後の詩はシェイクスピアだろうなって調べたらソネット18番でした。手元にある高松訳だとp18、19。読んだことがあっても意外と覚えてないものですね。「バガヴァッド・ギーター」については、fateなんかでも有名ですから読んだことがある人も多いかと思います。物語と思って読むと面食らう本ですよね。ことわざなんかは調べればすぐ出てくるのですが、本の引用は翻訳の関係もありなかなか見つからない。

灰蛇?

なんか急に原初の灰蛇的な個体が出てきました。灰蛇の誕生については、追憶の皿にあるのですが、もしかしたら、これが違う可能性が出て来たのでは?と思います。メビウスの実験の結果、「偶然」に意識を持ったのが灰蛇だとされていました。しかし、これが地球外生命体だったらどうでしょう?今回のストーリー見るまで考えたことがなかった。

テレサとジークがいた空間は?

星の目次」。新しい単語なのでなんとも言えない。灰蛇があそこにいたところを見るに、「精神のアダム」が誕生する場所というのはわかりますが。「目次」というワードが気になる。「実存主義」がどうかかわってくるのかも気になります。あとΛもね。

ケビンの思惑

テレサが解放されたこと、ジークフリートの分離した精神がテレサと再会したこと、カスラナの聖痕空間を支配下に置いたこと、これらは全部ケビンの導きによるものでした。ジークフリートの封印についても、あの聖痕空間のなかでシャニアテの聖痕の力を使えるのは「天元」しかおらず、仕組まれたものでした。

オットーとケビンの対比

オットーとケビンは似た者同士である、というのは作中でも言われてますし、その通りであると思います。オットーはケビンが自分のことをうらやましく思っていると言ってましたがこれもその通りだと思いますね。オットーの面白さは、カレンへの贖罪、あの運命をなんとしても変えたいという目的がずっとありましたが、それに加えて、デュランダルらに導きを与えるような動きをしていました。彼は自分の目的を達成するのに加えて、しっかり導く役目が果たせていたわけです。一方、ケビンはというと、メイ博士が言っていたように目的がない。私が目的ではダメでしょ、と注意していたが結局ケビンは最後まで見出すことができていないように感じます。こうして、彼は自分が敵となり、後行者を導く役割を果たすしかなくなってしまいました。

なんかキアナ物分かりが良すぎない?

どうやらカロスタンのとき、デュランダルの話を聞いた時にはなんか感づいていたみたいですね。何も知らなかったのはテレサだけだったという。

輪廻に関するオットーとの相違

考えれば考えるほど、終焉の律者がやろうとしていたことってオットーとあまり変わらないような気がするんですよね。オットーは500年前のあの時をぶった切って、それ以後の時間を新たに進めることで終焉までの時間を稼ごうとしたのですが、終焉はその始点を5万年前にしてるだけではないか。カロスタンの場合だと、

(画像等々の補足を後でします)

ManQ

原神も3年目となり新しい楽しみ方を探すべくブログを始める。
ストーリーのテキストをじっくり拾って読むのにはまってます。
神話は詳しくないので頑張って調べてます。

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