【1.2】蜃影のテキスト

過去のこだま・１

過去のこだま・２

過去のこだま３

過去のこだま・４

以上は、子供のころの丹恒の記憶だと考えられます。

青年の声

老けた声

一族の故郷と呼ばれるのが方壺でそこから「湯海」をを持ち出すことによって、羅浮に移住したと言われています。

女性の声

龍尊の声・老けた声

初めて建木を鎮圧する使命を受け入れた龍尊雨別のことを指していると考えられます。龍尊を補佐する龍師はこれに激しく反発したようです。

中年の声・龍尊の声

丹楓が応星（短命種の留学生・刃？）を鱗淵境に連れてきた記憶。丹楓は応星に借りがあったらしい。中年の声、というようにこの時点で刃は年を取っていた。この後、応星は何らかの形で倏忽（豊穣の使令）の力を受け不死となったか。

「雲上の五騎士」として、肩を並べているところを見ると二人の関係は飲月の乱までは悪くなかったことが伺われる。

あるいは応星は丹楓と刃の共通の知人の可能性もある。

冷酷な声・若い声・感情のない声

丹楓拘束後の話。将軍（若い声）・龍師（持明族の合議のトップ・冷酷な声）・十王司（感情のない声）。将軍は景元。

龍尊が職務を執行できない時、「龍師代議制」をとっていた（『龍師会議記録残碑』）。これには、龍尊を廃すべきかどうかの議論がなされている。結局のところ、龍尊は続くことになり、今のかわいい龍尊白露につながる。

女の声・老けた声

丹楓の死後の話。女の声は鏡流の声、「あの娘」は誰であるかまだ不明。。

少女の声

鱗淵境を沈めた時の記憶。おそらく雨別に関するものか。

推測される鱗淵境の過去

仙舟同盟へ

不朽の星神「龍」の血族。

教科書では、僕たちはここと似た別の湯海から来たと書かれている。その湯海は、この小さな波月古海よりも遥かに広く、果てのない湯海は星の地表全てを覆ってたらしい（『とある持明族少年の筆記』）。

ある日から、僕たちは龍祖の力を制御できなくなって、湯海の生物がみんな危険な敵になっちゃった。魚には猛毒があり、海獣は敵意に満ち、海草でさえも人を捕食するようになった。やがて、湯海の中の目に見えないほどの小さな生物でさえも危険になった。そういった危険なものが日に日に増えていき、いつの日か湯海そのものが、僕たちの生存に適せなくなった（同上）

さらに後になって、僕たちは仙舟同盟の一員になった。仙舟での生活も良いものだけど、湯海にいたあの頃のような自由はもう二度と戻らない（同上）

龍尊雨別

『仙舟通鑑』の記載によると、龍尊雨別は数百名の龍師を率いて、波月古海をまるごと羅浮洞天の中に移したそうだ。そして雲吟の術を使い、建木玄根を水の中に「封印」することで、未来永劫「寿瘟」が世を乱すことがないようにしたという。（中略）

玄根を鎮伏した後、雨別を記念するために、顕龍大雩殿と龍尊造像を作った持明族の龍師がいた。その中で最も多くの資金を提供した龍師溯湍は、造像の台座に『龍師溯湍、龍尊像造像記』なる文章を彫った。私の知る限りでは、龍尊を讃える「六御諸公を撫し、兆載太平を開くけり」の『造像記』を非常に嫌う持明族が多い。それは理解し難いことではない。何せ持明族は、故郷から持ち出した最も貴重な浄土と、最も誇りに思っている「龍脈」を差し出したからだ――例えるなら、学会が生き長らえる場所と引き換えに、大図書館の中で最も貴重な知識聖典を差し出したと似たようなものだ。（『羅浮古代紋様の拓本に対する考察』）

龍尊雨別、蒼龍の伝を掌し、雲を行かせ雨を布く、澤は万霊に及ぶ。生を蛻けて九十世、威烈改わらず。政に涖みて三百年、盟誼犹堅し。建木蘖生にして、須らく累卵之危を救ふべし。世局繽紛にして、当に倒懸之急を解くべし。龍尊仙舟羅浮にて鱗淵古海を贈り、永に寿瘟を鎮む、万世易わらぬ。（『龍師溯湍、龍尊像造像記』）

この書籍は、龍師である溯湍が、龍尊雨別の功績をたたえるために像を作った時に書かれたものとされています。

もっとも、これには龍尊雨別、綏靖んじて全を求め、持明の聖地を窃み異族を陥れる、寧んぞ龍祖に容されんや？（『工正流衍刻石』）との反発も記録されており、一筋縄ではいかなかったようです。流衍という工正がその不満を記したものです。

※綏靖すいせい…気持ちを静める

（ちょっと顔が違うとなのかが言う場面がありますが、ひょっとしたら工正の反発を反映しているのかもしれません。ミホヨはこういうところが細かい）

長老はこれに反発して龍尊の地位を剥奪しようとしました（「龍尊の声・老けた声」）。