話がやや込み入ってきた感じがする。整理するのにかなり時間がかかってしまった。
前回のあらすじ（1部）
聖痕計画が実行されて、舞台は月に移った。ゼーレ、デュランダル、李素裳は３人とも月の「ニューアトラ」に飛ばされた。そこで、彼女らは変わった柱と空間異常が発生している「訳のわからない断橋」を発見した。
ゼーレを仲間に加えたところで橋を再調査しようとしたところ、断橋の空間異常とゼーレの固有波動の重なり合いにより世界の泡の一つ「須弥芥子」に接続することに成功する。そこで、シュレーディンガー博士と話をすることができ、地球の状況についての情報を歩いて程度手に入れる。彼女らは地球に戻る方法を探すべく、月の人類の痕跡のある世界の泡を探索することにした。
そこに残されていた人類の痕跡とは前文明における火を追う蛾の痕跡だった。メイ博士とプロメテウス、ヴィルヴィらの会話が記録されていた。そして３つ目の世界の泡を調査している途中、ゼーレは「ヒロインA」と遭遇した。彼女はゼーレたちと最もかかわり合いがある世界の泡の座標を教えてくれた。
再会
ブローニャの声で目が覚めるキアナ。辺りを見渡すと量子の海にいた。夢と勘違いして散策するも、そこが本物の量子の海であることに気付く。そして、律者の力が自由に使えないことに気付いた。影に囲まれるなか、ブローニャがキアナを手助けする。
ブローニャは本物の量子の海であるという。そして、「何らかの力が空間と対象の制限を無視し、相手を強制的に移動させ、量子の海に封印した」という可能性を考える。この量子の海は特殊な状況にあって、「征服」されているという。ここでいう「征服」とは、とある世界の泡が境界を破って、この「海域」を「衛星」または「付属ユニット」にすることだそうです。
何者かの助けによって空間の壁を壊し、別の量子の海へと飛ぶ。そこには、芽衣がいた。ここでブローニャが芽衣姉さ…芽衣姉さんと言い直している。あまり記憶にないが、ブローニャにも思うところがあったのだろう。
芽衣と情報共有して、「聖痕計画」がほぼ成就していること、そして「ウサギ」が関係していることが明らかになる。「聖痕計画の準備をするからヨルムンガンドを出ろと彼に言われたわ」←言ってないｗ
芽衣は、「導き」を感じたがそれはメイ博士が残した…だった。空間に造られた「人為的な綻び」、それを辿っていくことで別の世界の泡へと向かった。
３人が肩を並べるシーン、いつぶりだろうかというくらいなかった。
「導き」の正体
３人より先にあの空間を抜け出した識の律者、彼女もとある「導き」にしたがってこの世界の泡にたどり着いた。この世界の泡は、本物の宇宙で、空気、音、光まで、あらゆるものが静止している。そして、自分の力が３割しか発揮できないことに気付く。「意識の面で……この「意識の律者」より強い人間がいるとでも？」
前文明の意識の律者はスウによって倒されてるし別にありえなくもない話ではある（追憶の皿「啓明」参照）。
そして、あたりを散策して二人の人を発見する。どちらも、数万年の時の経過の中で意識が摩耗し空っぽになっていたが、「希望」という感情の痕跡があった。このような状況の中で「希望」を抱かせるような存在、具体的にはその人物が気になり調査を続けると、その人物はメイ博士であった。
で、冒頭から出ていた？？？の正体が明らかになる。識の律者はメイ博士と協力関係になって、キアナとブローニャを導いた。そして、芽衣と識の律者は、メイ博士の「導き」によってここにたどりついた。「征服」された量子の海には、怪物たちの侵入を防ぎ、特定の「思考」を持つ者だけが気づけるような道標をつくった。
メイ：私はこの世界が、いつ破滅するかわからない「泡」だということを知っている。決まった結末から逃れるため――崩壊の影響に対抗することに加えて、私たちは量子の海にある一部の不確定地帯を、世界の泡に取り込んだの。私たちはそこに出口を作り、希望を探すために、様々な「探測機」を派遣した。
華の潜在意識によって、メイ博士に対する畏敬の念が現れてしまった。識ちゃん曰く、ここで、世界の泡の停滞が溶けたというが…。
すべての律者は何らかの方法で特殊な世界の泡に拘束されていること、そして、律者が来たことによってこの世界の泡の「滅亡寸前の瞬間」は「再び息を吹き返した」ということ。結果が一致すれば、過程はさほど重要ではないとはぐらかされる。
「追放の地」
メイ博士は、ヨルムンガンドと「取引」をしたことを明らかにする。自分が世界の泡にいると気づいたメイ博士は、世界の泡を保管してもらう代わりに、それを「道具」として、使用することを許した。彼女は、代価として、時間を得られた。運命の演繹を行うための時間を確保するためだったという。
この「道具」というのが、「追放の地」。聖痕計画が成就するまで、今すぐ完全に消滅させることができない――「すでに誕生している律者」たちを、ここに封じる。
芽衣は、「人類」という視点から考えれば彼女は味方であると考え、アドバイスには従うことに。もっとも、この世界の泡はどこから来たのか、そして、彼女はどうやって聖痕計画に関わったのかを聞くことに。
一方、識の律者とメイ博士は、二人が出会った時にどうして「絶望」に満ち溢れていたのか、そして、なぜ絶望が消えたのか、その理由を問いただす。なぜ、人々の信頼が厚いのか、それは、「絶望しないリーダー」ではなく「絶望から立ち直れる組織者」を必要としているからと答える。
ここで、計画を整理する。キアナらが固有世界に戻ること、そして、この世界の泡を存続させる方法を探ること、そして、その合理的な解決方法は、この世界の泡をもう一度「虚数の末梢」に接続し、ここの放映？を本物の世界にすればいい。キアナらが来るまで、この「起動条件」が満たせなかった。
世界の泡を虚数の樹の再接続する実験については、幕間「不朽なる刃」参照。
ここで芽衣が疑問を挟む、偶然にしてはあまりにも出来過ぎている。メイ博士は「嬉しい誤算」だったという。そして、固有世界と連絡を取る「とある方法」にも識の律者と空の律者の力が使えるという。そして、この世界の泡は、終焉の律者が本物の世界からはがした存在であると明らかにする。
メイ：終焉の律者は、固有世界を滅ぼした瞬間に、私たちを作ったの。それを予見した「あのメイ博士」は、そのまま聖痕計画に適した目標を探させた。…。当時、この消失する寸前の世界の泡で、私たちは「道具を物色する」聖痕計画の信号を捕捉したの。簡単な話し合いの後、私たちはその信号に向かって領域を自ら開放し、この世界の泡が最も穏当な形で聖痕計画に捕捉、保存されるようにした。つまり、固有世界のケビンや他の人たちは――「この世界の泡は道具に適している」という結果を得ただけで、私本人と交流をしたわけなじゃいの。…。私は聖痕計画に対する知識を利用し、この世界の泡を道具にさせることで、私たち自身が「存続」する可能性を手に入れた。その後、残った思考能力で長い間様々な状況を演繹したけれど……あなたたちの律者の力を借りることで、こちら側の「資源消耗」を最適化できたの。
そして、終焉の律者の残骸を目の当たりにする。
別角度。よくわからない防御装置と地球も映っている。博士いわく個々の地球は「領域外の飾り」らしい。
メイ：聖痕計画自体、「終焉」の力が必要なの。でなければ――人類はどうやって惑星を再構築できるような力を手に入れるの？
言われてみれば確かにそうではある。前文明における終焉の律者は固有世界を破壊したというが、そのあとに何が起きたのか？
断橋の修復
そして、二人が必要不可欠な理由の一部が、この前の話で出て来た断橋。「世界の泡を虚数の末梢に再接続する」、その計画の最初の鍵は、「プロメテウス17号」。
メイ：不思議でしょう――世界の泡と固有世界の間が「湿潤」しているから、あそこの空間自体が存在しなくなっているの。肉眼で橋の向こう側のエリアを確認できるけど、あそこは事実上は、「もう一つの世界」よ。そして残念ながら、プロメテウスは今、あちら側に閉じ込められている。
プロメテウスを開放するために、空の律者の力が必要だという。そして、律者の封印については「精神の枷」だと推測する。精神的な面で封印されている。ここで、識の律者の力が必要となる。精神が削られたことで、枷が弱くなった。そして太虚剣気もあまり枷の影響を受けていなかった。キアナは剣気を使って枷を「回避」するコツを見つけた。
「剣気」も「戒律」一種の「精神の枷」で、解除することはできなくても互いにけん制することができる。
芽衣とブローニャの会話
ブローニャは芽衣が古の楽園と英傑の伝承を通じて、「他人の犠牲」を理解できるようになったと感じた。芽衣は、英傑から、「変えられない時が来るまで、自分がどういう人間なのかはわからない」ということを学んだ。「犠牲」に対して、芽衣とキアナはそれぞれ真逆の道を選んだ。真逆だったからこそお互いのことが理解できた。そして、ブローニャから見ると、本当の意味で「仲直り」できるまであと一歩というところだと思う。ブローニャは「芽衣姉様」といういつもの呼び方に戻した。
ここら辺のブローニャ側の心の機微ってどこかでやったんだろうか。ch17において、全てを背負い、そのまま「犠牲」になろうとするキアナに対し、待ったをかけたのが芽衣。自分を犠牲にすることでキアナを救おうとした。ブローニャは、嫉妬というとちょっと言い過ぎかもしれないが、このような芽衣の身勝手ともいえる行動に対してどことなくやるせない気持ちがあったんでしょうね。理解はできるが受け入れられない。そうしたわだかまりを文字通りぶつけることで仲直りした。
虚樹の残骸
そして、プロメテウスと会う。「抑制装置」に引っかかったキアナ。ただの「残骸」でも、私のような「幻影」になったとしても、それからにじみ出るエネルギーは決して無視できません。
どうやらこのプロメテウスは「幻影」らしい。
なんか面白いキャラしてるプロメテウス
プロメテウスから、「世界の泡を虚数の末梢に再接続する」方法について聞くことに。
私たちは量子の海の開拓を行った時に、想定外の「何か」を見つけました。それと虚数空間の間にある潜在的なつながりによって、「くりこみ」が可能になります。…。虚樹の残骸の一種です。…。「神秘主義」と「ニヒリズム」は似たようなものですが、少し強いですから。「実存主義」と比べれば簡単に倒せます。
前文明が量子の海の探索を行っていたというのは、海淵城のところでもありましたね。
虚樹の残骸というのは、おなじみの虚数の敵。「虚樹の残骸—不可知」「虚樹の残骸—物自体」「虚樹の残骸—恒心式」、そして「虚樹の残骸—ニヒリズム」。古の楽園に出て来た「虚樹の霊骸」という敵もいました。
2017年に長空市で開かれた虚数の扉の中から出現した敵。出現条件や構造は明らかにされておらず、行動パターンも難解。一時的に地震の時間の流れを停止、逆転させることができるが、その原理はまだ研究中。
そして、虚数の残骸が量子の海に現れた理由はというと…
「実は私もよくわかりません」
わからないんかーい
虚数の残骸は一種の「死体」ですが、「末梢」とは（虚数の樹と）微弱な「繋がり」を保っています。つまり、ハッキングが可能だということです。 ―だから、それを「壊す」と同時に、そういう「繋がり」をキープできれば……使い物になるという意味ですね？ はい。この世界の泡の些細な体量なら、虚数の残骸の「帯域幅」を使い、「末梢」に再接続することができ、同時にあなたたちも固有世界に戻れます。
あの断橋を修復した時と同じように、それ（＝虚数の残骸）の「完全な姿」を私たちのいる空間に再現するのです。さらにもう一つ――「くりこみ」の技術を覚えて、例の「繋がり」を保存し、それを利用して目的を果たす必要があります。
ここの「くりこみ」の意味がよくわからないんですよね。メビウス博士との会話、シュレーディンガーの話でも「くりこみ」という単語が出てくるのですが未だに理解しかねている。
３人はプロメテウスの指揮のもと行動を移すことへ。①空の律者の力で虚樹の残骸を完全な姿に戻し、それを倒す、②「くりこみ」の技術をつかって、倒すと同時に「繋がり」をキープし、この世界の泡を巨樹の末梢に再接続し、固有世界に戻る。
虚樹に近づくと、デュランダルの声が聞こえた。
プロメテウスはメイ博士にどうしてあの子たちを騙したのか？と聞く。「破滅」は逆らえないプロセスになっている。この世界の泡の破滅は既定路線だった。プロメテウスによる「非難」はメイ博士の行動をメビウスの最期の行動に重ね合わせたこともあるでしょう。
「同類」
ケビンは毎年、ある日になると、この場所に必ずきて、終焉の律者の痕跡を眺めて一日を過ごすという。彼はこれを守らなければならない「約束」だという。
ケビンは聖痕計画においてフカのために休憩場所まで用意していた。「とにかく……できる限り、君と戦いたくない」
「あなたのため」に来た、今この瞬間にあなたを「同類」が必要だと思った。
未だに「約束の惨劇」があったときに華とケビンが決定的に仲違いした理由がよくわからない。どこかで明かされているんだろうか。
あなたは自分の「骨を埋める場所」を探している、そうでしょう？
彼女はケビンが死のうとしていることに気付いた。いつもとは違ってかなり弱弱しい感じのケビン。このケビンはいったいどのケビンなんだろうか？
感想とか
識ちゃんの出番
YATTA
想像してたのとちょっと違ったけど、出番があって嬉しい。キアナがだいぶ大人になってしまったので、識ちゃんみたいな存在は場の空気をにぎやかにする。
ただ、まだ朴念仁との和解が残っている。
ゼーレの存在
識ちゃんとちがって「追放の地」に飛ばされた様子がない、ということは「ゼーレ」が死の律者ではないということ？あるいは覚醒してないから？律者コアの有無、というのは識の律者で否定されている。聖痕覚醒者がゼーレなら、「ゼーレ」の存在は改めて何なんだ？という話になってくる。
フカと識の律者みたいな関係かと思ってたが思わぬところで、「普通の人」の可能性が出てきて驚き。でも、黒淵白花（前文明の死の律者の律者コアを使った武器）に反応してたところを考えるとやはり、死の律者との関係は否定できないと思う。
今後のストーリーにたぶん死の律者の力が必要な場面が出てくるはず。
クライン
前回の記事には書かなかったけど任務でクラインが出てくる。こういうのでいいんだよ。まさに望んでいた展開。クラインは自力でどのような答えにたどり着くのか。メビウス博士の残した最後の「無限」、そして、「理解者」。
計画の「疑わしい点」
虚樹の末梢に再接続する計画には、メイ博士が隠したほかにまだ秘密がありそうな感じがする。
あの世界の泡が停滞していた理由は？
どうしてあの世界の泡は凍結していたのか？サクラの能力であってもここまで停滞させることはできない
終焉の律者がこの世界の泡を作り出した理由は？そもそも世界の泡ってどういう過程で発生するのだろう？
世界の泡全体が凍結している一方で、意識はそのまま。ヨルムンガンドにそんな技術があったのだろうか？「取引」というからにはヨルムンガンド側がしたのだと思う。
謎がいっぱい増えた。
虚数の残骸を残したのは一体誰か？
プロメテウスがわからないなら当然こちらにもわかるわけがなく…。終焉の律者くらいしか今のところ思い浮かばない。第一部に出て来た「変わった柱」も位置的に終焉の律者の攻撃によってできたもの、あるいは、終焉の律者をハッキングするための装置だったのかもしれない。
世界の泡の寿命が尽きたところで、それと律者の命運がともになるのか？
量子の海で生存していた人はわりといる、例えばヴェルト、スウによって閉じ込められたケビン、ゼーレ、時雨綺羅、シュレーディンガーも。ケビンはああいう別れ方をしておいて、芽衣を追放の地に送り込むとはなんともひどい。
終焉の律者の能力とは？
融合戦士が束になってかかってもせいぜい動きを止める程度しかできなかった最強の律者のイメージ。千劫とコズマを倒すくらいの実力はある。ムーンライトスローンが通用する。とりあえず、今回の話しで世界を再構成する能力も持っていることがわかった。
どうやって地球に戻るのか？
前回の話と併せると、月にある世界の泡（月の量子の海）→虚樹の末梢→虚数の樹→地球の量子の海というルートをたどることになりそう。ただ、月の問題が解決してないのに地球に戻るのか？また、聖痕計画が実行されている今の本当の地球はどうなってるのか？どこで「ウサギ」と会うのか？謎だらけである。先の展開が読めなくて面白い。
コールドスリープについて
あまり疑問に思ったことがなかったのだが、どこで行っていたのだろうか？状況から考えると地球なのは確かだが。終焉の律者が滅ぼしたあと、プルトニウムの半減期でも待ってるのかと思ってたけど別の理由があるのかもしれない。第１２律者のせいで世界中に放射性物質がばらまかれてしまったので。
シナリオライターのインタビュー
「メインストーリー中のAIΛ（ラムダ）は比較的かつ特殊な役割を抱えています。それはキャラの特性と深くかかわっており、彼女は他のキャラでは味わえないサプライズをもたらしてくれます。それがどんなサプライズなのか分かるまで、彼女のストーリーをなるべく見逃さないようにすることを皆さんにはお勧めします」
今のところ幕間終わり、32章第１部の終わりで出てきている。別の時空の人間がどういう役割を果たすのか？量子の海でブロニーがちょこっとだけ出てたけどファンサービス以上の意味があったのだろうか？
色々疑問点が出てくるうちが一番楽しい。
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