聖痕…?ああ、アレね。聖痕は聖痕だよ。
なんとなくわかるけどいざ説明しようとするとなかなか難しいものの一つ。
ver6.1までの情報を整理
人類が聖痕になるとは一体何なのか?
そもそも「聖痕」とは?
一般的な意味での「聖痕」(Stigma)とは、イエスが磔にされた時にできた傷が体の一部に痣などとなって現れるものをいいます。キリスト教にとっては、このような「痕」が神聖な意味をもち、過去の聖人の中には聖痕を持っていた人がいると言われてます。もちろん崩壊3rdはこういう文脈では使っていません。
Mihoyoがフェチズムのために作り出したもの…
聖痕 それは血を媒介とし 世に伝わる力 文明存続の火種 聖痕には まだ人に知らされていない秘密が沢山隠されている
「聖痕は自然進化の産物ではなく、前文明のバイオテクノロジーによる奇跡である。その原理と運用方法は今でも明らかになっておらず、謎が多い」「聖痕、それは人類の血脈の中に残された貴重な遺産だ」
この例外的な人間はゼーレが当たる。生まれながらにして天然の聖痕覚醒者である。さらにカスラナの聖痕に関しては完全覚醒なるものがあり、デュランダルがその一歩先である「天元」にたどり着きました。
ちなみに戦乙女が使っているのは人工聖痕と呼ばれるもので、不完全で危険性があります。姫子先生の体が蝕まれていたのもこれが原因です。
「聖痕」の原型を作ったのは我らがメビウス博士(遺伝子学)。「聖痕計画」の発案者もメビウス博士。そして、メビウス博士とメイ博士が共同して「聖痕」と「聖痕計画」を完成させた。専門を考えると技術的な点はメビウス博士の貢献が大きいでしょうね。
ふむ、なにやら聖痕遺伝子なるものが人間の遺伝子にあって、だれもがそれを持っているが、世代が下るにつれてバラバラになり不完全になってしまった。聖痕を覚醒すると崩壊エネルギー耐性を得ることができ、崩壊の中でも生き延びることができる。
そして、桜の輪廻でもあったように、聖痕空間に入っていくこともできる。このようなことからすると、聖痕は点ではなく、一定の広がりをもった情報空間だと考えられる。
崩壊学園における聖痕計画
これを補助線にすると理解しやすくなる。
MEIが提案した計画。当時の大部分の人類は、聖痕計画は実現不可能だと考えた。しかも人類文明滅亡の元凶でもある。キアナたちの体の聖痕はこの計画と一定の関係があるようだ。九霄も律者の力を吸収したため、聖痕が急速に体を蝕み、昏睡状態が続いている。聖痕計画の内容は恐らく九霄を救う鍵となるだろう(聖痕計画)
おそろしくふわっとしたことしか書いてない。
九霄は蓬莱寺九霄(ほうらいじ きゅうしょう)。学園のアイドルです(棒)。詳しくは学園やってね。
これだけではわかりづらいのですが他をみると実像が見えてくる。
聖痕情報を読み取って作られた仮想空間。Mobius研究所内にあるAvalonと呼ばれる空間。聖痕空間は聖痕内の記憶、知識、個人の認識等を含む情報を全て読取り、完全に空間の中へ反映させることができる。聖痕空間にはまだ明らかにされていないエリアも多いが、その聖痕読み取り機能を利用して、九霄の聖痕の中の秘密を読み取り、九霄の治療に役立てている(聖痕空間)
超古代から南極に遺された研究所。そこではMEI博士の計画をサポートする研究スタッフが聖痕計画の原理を利用して端末を作ることに力を尽くし、人類が端末内の仮想空間の中で存続する計画を実現した。その主な成果は聖痕を読み取って作られる仮想空間「Avalon」だ。かつて外部の人間が機器のメンテナンスを行い、エリートスタッフはAvalon内部で対崩壊の研究と思考を積み重ねていた。ところが、考え方の違いにより壊滅。しかし、遺された端末は博士が九霄を救うための鍵となる。(Mobius)
結局、ハードウェアの管理トラブルがあってこの聖痕空間の人類は滅亡してしまいました。詳しくは学園やってね!
ようは脳のデジタル化ってやつですね。SFでは鉄板の。意識をアップロードする。そこで人間は永遠の生とは?不老不死とは?考えることになる…。古来、不老不死は様々な物語のテーマでしたが現代風だとこういう感じの話が多いですね。
技術的にはオットーが魂鋼の身体に自分の意識を投影しているのと似たような感じだと思う。オットーは個人単位でしたが、それをさらに拡大したのが学園の聖痕計画、そして3rdの聖痕計画はそれを世界規模でやろうとしている。
聖痕計画とは?
chapter14では、ヨルムンガンドが天穹市市民全員に対してとんでもない実験をしようとしました。彼らは人為的に聖痕の配列を再構築する方法を確立した(おそらくジャッカル?)、これにより、大量の崩壊エネルギーを浴びせれば強制的に聖痕覚醒者を選別することができる。もちろん、覚醒できなかった人はゾンビになります。(長空市で似たようなことが起きて誕生したのが第三律者)。
前文明においては、スウが当初この計画の担当者でした。スウは「犠牲者の数は、僕たちが救える人の数を遥かに上回る」、「すべての計画の中で最も残酷で、最も犠牲の多い計画」。そしてメイ博士は「最悪の計画よ。だから、これはやむを得ないときのみ使える最終手段なの」とまでいってます。のちに、担当者がケビンに代わり、スウは「恒沙計画」を担当することになり、無数のパラレルワールドを観測して崩壊に打ち勝つ方法を探ります。
31章でも少しだけ聖痕計画の話がありました。ここでは「火種計画」と「聖痕計画」の対比が印象的でした。一つが「最善」で、もう一つが「最悪」。32章のケビンとフカの戦いが熱い、といったのもまさにこの二人が両計画を体現しているからです。
以上のことだから、とんでもない計画のイメージ、ヨルムンガンドの危険性と不気味さが際立っていました。そしてようやく突っ込んできたのが「幕間 聖痕計画」。
芽衣:ヨルムンガンドはメビウスが残した道を元にして「人類を再定義」するつもりってことよね? ――そうとも言える。今の聖痕計画では、「旧人類」は夢という形で徐々に繋がり、最終的に「新人類」の聖痕となる。…人は己の夢に消え、現実と幻が入れ替わる。精神は物質となり、物質は精神となる。「普通の者たちが全部消えた後、ヨルムンガンドはそれを新人類に適した世界に改造する。崩壊エネルギーはあらゆる者の中で自由に流れ、律者は現れない」…まるで、もう一つの「古の楽園」みたいだ。
灰蛇が時間が無くなる、といってるのは永遠になった世界では時間が意味を持たないことを意味すると思います。そこには生も死も時間すらもありません。
ただ、ウサギ(ミステル・シャニアテ)の発言を見る限りでは、人類の再定義を含めてもっと広い意味で世界の再定義をしようとしていると言った方が正しいと思う。
ウサギ:ごめんなさい……迷える子よ。この強制的な夢の中で、あなたははるか向こう岸まで漂い、知っているのによくわからない「自分」に会うでしょう。でも、怖がらないで。そこであなたは、一番大事な人と再会する。そして、彼女と共に、幻想の中にのみ存在するはずだった……新しい明日を作るの。だって、「人類の再定義」より――「世界の再定義」のほうが、ずっといい選択肢でしょう?おやすみなさい、雷電芽衣。あなたと、あなたの仲間に、いい夢を。
よく考えたらここの「自分」にまだ会ってないような…?
世界を再定義するには、世界を再編する力、すなわち、終焉の律者の力が必要となってくる。
そして聖痕の意志による話。
「具現化した聖痕が人類と一体になることが、この計画のゴールだからだ。そして人類は夢となり、過去の聖痕空間と一体化する。」
「彼らの意識は聖痕と同じ存在の形に変化し、実数世界から虚数のすき間に退く。そして、その代わり――聖痕の中の思想は実体となり、徐々に外側の空間に降臨する。それは向かい合い、安らかに眠る人類にとって代わるのだ。」
ケビン(聖痕の意志):聖痕空間は一定の条件下で夢とつながる。「夢」は、崩壊の考え方だからだ。それはヴィシュヌが「夢喰い」できる本当の理由でもある。とても不思議だろう。人類は「時間の流れ」を通して考える必要があるから、お前たちは時間が混乱する夢をなかなか理解できない。私にとっても同じだ。だが、そういう混乱が、現実以外の空間を作り、とある計画のためにある「ドリームキャッチ」の可能性を生み出した。その状況下なら、たとえ聖痕の力と一つになれなくても、自身の実体と夢とを交換し、己の代わりに聖痕を文明の礎石として存続させることができる。最終的に、この地球は聖痕空間に置き換えられ――そして文明も、そこから新たな旅を始める。その過程は世界の両端で同時に始まる。虚数側では、それは最初の聖痕空間。現実側では、それは終焉の帰る場所。かつての無数の文明の終点(=月)だ。
32章を踏まえると、「ニューアトラ」にいる聖痕覚醒者はそのままの姿で再編された世界へと行くことができるが、そうでない人たち、例えばリタなどは、「夢と実体を交換することで、己の代わりに聖痕を文明の礎石として存続させることができる」。
世界を再編するときに本来は聖痕覚醒者でない者は新世界に来ることはできないが、夢として無理やり固めて聖痕にしてしまえば持ち込めるだろうということだと思う。世界再編の土台、パーツになることはできる。
なんでそんなことができるのかって?それは崩壊の世界における「夢」の特殊性にあると考えられる。
聖痕計画その後
32章でもありましたが、「追放の地」へと送られた律者は聖痕計画が完了した暁には律者としての能力が使えなくなると言われてます。
灰蛇の説明はまさに人類補完計画を連想させるものでしたが、それとはちょっと違った感じになっているように感じました。
ドリームキャッチとは?
ゲーム内の説明がよくわからないので全部推測です。
上述の通り、聖痕には「記憶、知識、個人の認識等を含む情報」が含まれています。八重桜の聖痕空間など具体的に考えるとわかりやすい。つまり、聖痕は個人そのものを現わしている。DNAは生物的な個人情報が詰まってますが、より多くの情報を含んでいるのが聖痕だということです。これを投影(複製)することができれば、正確な個人を投影(複製)させることができます。
聖痕覚醒者は完全な聖痕を持っているため、聖痕空間においても完全な自己を投影(複製)することができる。データ空間で例えるとわかりやすい。完全なデータをデータ空間に送り込める人が聖痕覚醒者。だから、聖痕覚醒者は聖痕空間内においても自由に行動できる。
一方、聖痕覚醒者ではない人は、聖痕空間に完全な自己を投影(複製)することができない。強制的に聖痕覚醒者になる手段がない以上、「旧世界」に取り残されることになるが、それは消滅を意味する。
人が夢を見ている状態の時、あくまでその夢を見ている主体は自分である(たとえその体が巨大な虫であっても)。ここで、夢の中の空間(夢境)では自己が複製されているということもできる。これを分離することができれば、実数空間における実体が失われても、自己を保存することができる。人々の夢はどこかでつながっていて(原神では「夢境集合体」という言葉が使われてました)、その一部は聖痕空間と繋がってる(「聖痕空間は一定の条件下で夢とつながる」)。
で、ドリームキャッチはなんなのかというと、夢境にある個人の夢(意識)を聖痕空間に固定する技術で、それを聖痕化と呼んでいるんじゃないかと思う。ウサギは意識を操る能力者で識の律者さまより上の可能性がある。
では、プロメテウスの意識を「聖痕」にするとはなんなのか?メイ博士はどうしてできないのか?…これまた難しい問題。メイ博士の場合は「自我」が失われるから聖痕にすることができないという話をしていた。これはカレンの話と近いように思う。オットーはカレンを復活させようとしたが、魂というのは消滅と共に霧散してもとには戻らない、というのが動かぬ事実でした。だから、いくらカレンを複製してもそこには魂がなかった。消滅してしまったら聖痕にすら残せないということでしょうね。プロメテウスは「機械」と言い切るには微妙な存在ですが、まだ消滅しきっていなかったため、聖痕化することで聖痕空間に固定することができたということなのだと思います。
あと気になるのは聖痕空間と虚数空間の関係。実数空間にない以上、聖痕空間も虚数空間の一部ということならキアナの能力を使うことができる。
今後の予想とか
聖痕覚醒者は聖痕空間においても完全な情報を反映できるので聖痕空間でも自由に行動できる。一方そうでない普通の人たちは結局のところ、夢という状態で固定されたまま、聖痕空間につれてこられるだけとなる。そこではもはや、夢と現実(聖痕空間)の区別はなく、凍結した時間の中で永遠の夢に浸るだけの存在となる。
今後の予想とか
前文明において、終焉と対峙した8人は何らかの方法によって、律者の出現の仕方を固定することに成功した。その中心的な役割を果たしたのが、プロメテウス。とりあえずパルドがプロメテウス侵入のための扉を作ったことが明らかになった。律者の出現の仕方が固定化されたということは、それにそってすべての計画を円滑に進めることができる。そして、聖痕計画で最終的に世界を再編する役割を担うはずだったのが、終焉の力を背負ったケビン。彼は世界を再編する代価に命を落とす。世界を再編する者はその中に入ることができないから。
しかし、結局その試みは失敗してしまうと思う。キアナが世界再編の終焉の力を手に入れる。そして、キアナは時空のはざまに取り残される…。再編された世界が「後崩壊書」の世界。
これが考えられる最も悲しいオチ。
ハッピーエンドを迎えることをホヨバには期待したい。
グレーシュのイラストは南澄酱 さんのものを転載してます
転載元:https://bbs.mihoyo.com/bh3/article/23612188
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